序章〜プロローグ2〜
七時二十分
集合二十分前だが、学校にはかなりの生徒が集まっていた。
それもそのはず、高校となると遠い所から登校してくる生徒もいるわけで、電車やバスの時間、駅からの距離などで、人数が集まるのは必然といえる。
「おっ、来たな我が同士!」
学年のみんなが一斉にその男の方へ振り返り、またか、という顔をしてから、それぞれの世界に戻っていった。
ため息をつきたい。でも幸せが逃げるのでやめておく。
「なんだよ、文殊四郎」
この無駄に声がでかい坊主頭の男は文殊四郎朋憲。
分かりづらいが文殊四郎が苗字で、朋憲が名前。
蓮の中学の頃からの同級生であり、高校であまり友達が作れなかった、数少ない友人だ。
今では、硬式野球部に所属していて、家に帰った後、一緒にゲームをして遊んでいる。
だが、朋憲の声がでかいので、ボイスチャットをしないやつだが。
「あんまり大きい声出すなよ、TPOをわきまえろTPOを。Time、Place、Occasion! それはお前の長所であり、短所でもあるんだ」
「いや、悪い悪い。遠くにいたもんだからつい、な」
「お前はデフォルトで声が通る声量お化けなんだから、普通でいいんだよ、普通で」
やはりいつもと、同じ会話が最初に交わされるなぁ、と蓮は思いながら。
他愛のない世間話を始める。
お前の班はどのルートで行くかの話や、今やってるゲームのアップデート情報の話だとか、今流行っている深夜アニメの話などなど。
いつも通りの他愛のない、意味のない、楽しい話だ。
だが楽しい時間というのはあっという間に過ぎ、学年集会が始まった。
「やっぱり暇だよな、ああいう全校集会とか、先生の話とか」
「学年集会だけどな、あれは。あと、結構聞き入ってると時間の流れも早いもんだぜ」
不満を漏らしている朋憲に、蓮は集会の話を聞くアドバイスをするが、あんまりピンときていなさそうだ。
「まぁいいや、じゃあ蓮、今回の修学旅行を楽しもう。去年の分も含めて、な」
「ああ、去年を忘れて、今年こそは」
最後にそれだけ交わし、それぞれのクラスのバスに乗り込んだ。
飛行機とバスの席は、今後の集団行動の打ち合わせのためにも、班で座っている。
「隣りよろしく、白沙くん」
「あ、……よろしくお願いします」
蓮の隣りの席に座るこの人は、六道美輪。
左目に医療用の眼帯を付けている、綺麗な黒髪ロングヘアーと端正な顔を持っているクラスの女子からも男子からも慕われる、人気者だ。
彼女は二年生のクラス替えで一緒になった人で、最初の自己紹介の時に、
『この眼帯は本当に左目が悪いのであって、決して中二病では、ありません!』
と力強く言ったのが印象に残っている。
だからというのも何だが、物覚えが悪い蓮でも、フルネームで覚えているクラスメイトの一人だ。
「これ、空港まで結構距離あるよね〜、ねえ白沙くん、後藤さんと佐藤くんの、我らが班の四人で、しりとりしない?」
「……え?」
はっきり言ってイヤだった。
自分の経験が言っている。
何故ならしりとりとは、終わりが無いゲームだからだ。
たしかに暇つぶしにはもってこいだが、こういうしりとりは、移動の時のこういうゲーム全般は長引くと相場が決まっている。
蓮は六道さんを説得しようとしたが、彼女はすでに、後藤さんと佐藤くんに話しを付け、二人もかなり乗り気だった。
蓮の主張は多数決には勝てず、結果、高校生の知識から繰り出される、しりとりは空港に着いても終わらなかった。
かなり疲れた。(主に名前とキャラデザ)
文殊四郎に関しては、長い名前がいいなと思って、
六道さんに関しては、結構重要なポジションのヒロインなので、設定かなり凝ってます。
早く蓮を砂人間にしてえぇぇぇ。




