シーズン4 4
お正月特別戦が終わった次の週は、二度目の同盟戦だ。
最初の同盟戦は、受験勉強の最後の悪あがきをやっていたので参加していない。
木曜日に組み合わせの発表があり、
董卓領 托塔天王晁蓋領
フィリップ二世領 ジャンヌ・ダルク領
ケツアルコアトル領 ワシントン領
ティアマト領 対 シンデレラ領
アレクサンダー大王領 ノストラダムス領
ツタンカーメン領 源頼政領
という組み合わせだ。
(今回は、めずらしく、四つに組むような組み合わせだなぁ。
プレイヤー人数ではわずかに劣るけど、他力本願だけど、アレクサンダー大王領とツタンカーメン領の人たちがちゃんと戦ってくれれば、いい勝負になる)
戦いが始まる前は、そんな風に私は考えていた。しかし、結果を先に言えば、対戦相手たちに惨敗といっていいくらいの、まれにみるひどい戦いだった。
まず、初日は私たちの側で比較的人数の少ない、ケツアルコアトル領とティアマト領の人たちが狙われ、ほとんどの人が壊滅状態にさせられ「復活してもすぐ潰す」という相手方の意思表示なのか、倒した領主の領地拠点の真正面に拠点を築き、復活させにくい状況を作り出し、私たちも含めた四領も手を出しづらい状況にされてしまい、どうにもならなかった。
二日目は、一日目と同じように、今度は人数の多い、アレクサンダー大王領とツタンカーメン領の人たちがターゲットになり、防戦一方という状況になってしまった。相手側が、そういう風に二領ずつ潰していく作戦をとっていたのなら、残りの私たち董卓領やフィリップ二世領のプレイヤーは何をしていたのかと言われそうだが、私たちの領地拠点のそばにも、相手方の各陣営がそれぞれで拠点を築き、こちらが、相手の拠点に出撃すれば、そのすきを狙って、別の陣営のプレイヤーが出撃した領主に向けて出撃するという、連携した波状攻撃的な手法で戦っていたので、攻撃用の部隊と防衛用の部隊の二軍以上を準備できていないプレイヤーにとっては、かなりキツイ戦いを強いられたのである。
(相手方、三軍体制どころか、四軍、五軍と作っていそうだったなぁ。
そこまでの大所帯で戦っていけるのって、一部の人だけだとは思うけど、とにかく、今回は力押しに負けたなぁ・・・。いや、戦略もあるか・・・)
今回の戦いは、ほとんどのゲームに存在する、キャラクターの使用制限ともいえる、コストの概念がこのゲームには存在しないことを逆手に取った上手い戦いだったともいえるだろう。
二度目の同盟戦が終わった後の戦いは、フィリップ二世領とアレクサンダー大王領という同盟戦で味方だった領との連戦で、フィリップ二世領には黒星となりし、アレクサンダー大王領には勝利し、勝敗は一勝一敗。
一月の成績としては二勝二敗の五分。ここまでの成績は、七勝四敗で全体順位は八位。残り二ヶ月、何とか、勝ち越せるといいのだが・・・。
二月に入り、二週間後のバレンタイン特別戦の予告が『お知らせ』に載った。
今回は、神話枠の女性だけというルールになっている。
(神話枠の女性なら、それなりにいたはず・・・)
私はそう考えながら、いつものように軍事を開き英雄たちをソートする。
アマテラスにゴルゴン、メデューサ、ステンノといったゴルゴン三姉妹に、アルテミスなど、前衛、中衛、後衛それぞれに対応した人数はそろっているので、十分戦える。
でも、その前に、二月の一週目の通常の盟主戦が控えている。
対戦相手はノストラダムス領。
盟主の規模としては、私たちよりずっと上の4位なのだが、盟主順位は6位と規模の割には中途半端な位置にいるよく解らない領なのである。
(この前の同盟戦は味方だったけど、攻めている印象はあまり無かったよね)
と先日の同盟戦のことを思い出し、攻めるよりも、守ることの方が得意な英雄をそろえているのかもしれない。
そして、始まった盟主戦。予想通り積極的に攻めてくることはせず、私と同じように次元の歪みでポイントを獲り、あとは防衛に徹するという感じだった。
私以外の董卓領のプレイヤーの一人がノストラダムス領の連合の一つのリーダーを果敢に攻めていたが、守りがとてつもなく固く、攻めあぐねたのか途中で撤退するという事態になっていた。戦況報告を見るとそのリーダーは、防衛にひとりの盟主の最大数の五部隊を仕立てていた上に、連合の仲間も二部隊から三部隊の防衛軍を駐留させ、防衛側の兵士や英雄を疲弊させないという戦い方をしていた。もちろんスキルも、防衛強化や英雄の体力を回復させたり、指揮兵数を一時的に増やすスキルを持った英雄たちで作った隙のない軍だった。
(こりゃ、撤退やむなし・・・)
とその隙のない構成に驚くばかりだった。そんな感じで二日間が過ぎ、相手方の攻防のポイントの合算よりも私たちの方が少なかったので、私たちの黒星となった。
(でも、ノストラダムス領って単独の対戦は今回が初めてだったよね。相手の戦い方が読めなかったのが敗因かもね)
そう私は冷静に分析した。そして、
(最後の同盟戦で対戦相手になっても、近寄らないでおこう・・・)
と後ろ向きなことを決めた。




