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シーズン3 5

 十一月の推薦入試のため、数式や英単語と格闘する毎日を送っている。

ゲームをしたいという気持ちが時々、頭をもたげてくるときもあるが、自分で決めたことだからと言い聞かせ、極力、考えないようにしている。

 だが、カレンダーを見ると、そろそろシーズンも終盤戦に入る。それを思い出すと気になって仕方がなくなってきたので、情報を得るためだけと決めて、パソコンを立ち上げ、ゲームにインする。

 ゲームにインしなくなった後、我らがお市の方領は、あの時点では、八位と下位ではあったが、現在の成績を見ると、十位に後退していた。私自身の順位も500位台へと大きく後退していた。

 その後、このゲームのさまざまな記録を公開しているファンサイトにもアクセスし、調べてみると、インを止めた後、長宗我部元親、千利休、足利義昭、毛利元就、黒田官兵衛の各領に黒星をもらい、連敗をしていたようで、八月の三戦目の津軽為信領に城塞や拠点の破壊数の差で辛勝となっていた。 

 (今は九月の半ばだから、一対一はあと一回で最後は同盟戦だね。

・・・最後の同盟戦くらい出るか)

と自ら、禁を破る決意をした。



 現時点でのトップは、始めに私が予想していたように上杉謙信領なのだが、二位の長谷川等伯領が少人数ながらも、思わぬ健闘をしていて、攻撃と防御を合わせた総合ポイントでは、300ポイント差と肉薄している。その上、上杉謙信領と長谷川等伯領の直接対決が組まれることは日程的にもう無いので、最終戦を含めた、残り四戦中、長谷川等伯領が、二勝以上、あるいは上杉謙信領が一度でも負ければ、逆転する可能性がある。

 (ランカーがいない中で技巧派の人ががんばってるなぁ・・・)

と私は考えていた。ちなみに私の所属するお市の方領は、十位に沈んでいる。その上、九位の千利休領とのポイント差も大きく、残りの戦いで逆転は不可能な状況になっている。

 (後半は受験のこともあったし、ほとんど参加できてなかったけど、前半はそこそこ勝ってたはずなんだけど、いつの間にかこんなところに。でも、最下位じゃないだけマシか・・・)


今シーズンは、個人的には、最初の大ポカでほとんどやる気が無くなっていたので、順位はどうでもよかった。


 いよいよ、九月最後の土日。今シーズン最後の盟主戦が行われた。

組み合わせは、

 上杉謙信領     お市の方領

 毛利元就領     立花誾千代領

 甲斐姫領   対  足利義昭領 

 長谷川等伯領    千利休領

 黒田官兵衛領    津軽為信領

 雑賀孫一領     長宗我部元親領

と発表され、九月に入ってからのここまでの戦いで、三連勝して逆転していた、長谷川等伯領の一位がほぼ決まったも同然になっている。上杉謙信領は、この戦いで対戦相手の各領地拠点をほとんど全てといってもいいくらい潰さないと再逆転できない。

 (なーんか、この組み合わせ、作為的なものを感じる・・・)

そんなことを考えているプレイヤーは私だけではないと思う。過去の同盟戦で、一位と二位の領が組むことはままあったが、最終順位の決まる最後の同盟戦では、対決できるようバラしていたように思う。なので、この最終戦での組み合わせは、長谷川等伯領に絶対に勝たせたいというような運営の思惑のようなものが透けて見えたような気がした。

 (そんな気がするだけであって欲しい…)

私はそんなことを思いながら、今シーズン最後の戦いを始めた。

 そして、二日間の戦いが終わった。相手方の上杉謙信領のプレイヤーは、この組み合わせに不服だったのか、初日、二日目共にほとんど全員といってもいいプレイヤーが参加して逆転に向けてがんばっていたが、次元の歪みの城塞や対戦相手の自領拠点の拠点破壊数の差で私たちが辛くも勝利した。だが、私たちも勝利はしても、あまり気分が良くない思いをしている人も少なくないはず。

 

 こうして、盟主英雄が戦国期の日本で活躍した人物だけだったシーズンが終わった。アンケート結果を受け、来シーズンからはシーズン1、2と同じく、国際色豊かな盟主英雄を登場させる、とのお知らせが最期の戦いの少し前に告知された。

 今シーズン一位になった領は、結局、最後のひと月の三連勝、そして、同盟戦の勝利が効いたのか、長谷川等伯領だった。

そして、次のシーズンの盟主英雄が発表された。

 フランス、カペー朝の第七代の王で尊厳王の名でも知られるフィリップ二世。メソポタミア神話における原初の女神、ティアマト。

水滸伝、梁山泊の二代頭領、托塔天王晁蓋。献帝を擁立し、漢王朝の実権を握った董卓。

オルレアンの乙女と呼ばれ、シャルル四世の即位に貢献するも、魔女として捕らえられ非業の最期を遂げたジャンヌ・ダルク。アルゲデアス朝のマケドニアの王で東方遠征を重ね一大帝国を築いたアレキサンダー大王。

グリム童話の登場人物で灰かぶりとも呼ばれ、ガラスの靴の縁で王子と結ばれるシンデレラ。黄金のマスクで知られ、古代エジプト第十八王朝の少年王、ツタンカーメン。

アメリカの独立戦争も戦った軍人であり、初代アメリカ合衆国大統領とされるワシントン。大予言で著名なルネサンス期のフランスの医師であり占星術師、ノストラダムス。鵺退治の逸話や平家追討の端緒である宇治橋の戦いで奮戦した平安後期の武士、源頼政。メキシコの古代アステカ帝国で農耕や文化などをつかざる神ケツァルコアトルの十二名。

 (うーん。日本人は源頼政一人か。あと、ジャンヌとアレキサンダー大王って初期実装にいたよね。もしかして、昇格?となると、これまでの分はどうなるんだろう?)


来シーズンの盟主英雄は、シーズン3以前に戻り、時代の幅も広く、国際色豊かである。


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