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人気俳優 鈴木一馬の家政婦  作者: チーニャン
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朝食

日の出時刻に目が覚める。暑かった夏も終わりが近づき朝晩はほんの少しだけ冷え込むようになってきた。

 顔を洗い歯磨きを済ませると、昨晩から準備しておいた、みそ汁用の出汁を準備する。出汁は基本「いりこ出汁」いりこをひとつかみ取り出し、頭とはらわたを丁寧に取り除く。タッパに水を入れ一晩水に浸す。この「いりこ出汁」を鍋に移し火にかける。沸騰してきたら火を弱めアクをすくい取る。弱火で5分ほど煮だしたら、いりこを取り出して完成。今日のみそ汁の具は、厚揚げと玉ねぎとわかめを入れて最後にネギを散らす。次は5分つきされた精米を研ぐ。水の替えは2回行うが、1番初めに入れた水は米への吸収が良いのですぐに取り換える。素早く米を研いだら、一度ザルにあげる。ザルで水切りをしたら、米を戻し、人差し指第一関節まで水を入れる。そこへ、無農薬雑穀米をプラスして10分ほど水に浸す。あとは強火にかけて沸騰するまで待つ。その間に、仕込んでおいた糠漬けと納豆の準備をする。発酵食品は腸内の環境で活発に活動させるために、食事の30分前には冷蔵庫から出して常温にしておく。今日の糠漬けは、キュウリとカブにした。水洗いし、布巾で水気を取ったら食べやすい大きさに切る。納豆はパックから取り出し、みそ汁の時に使った余りのネギをほんの少し散らす。あとは、もずく酢をガラスの器にいれ、千切りのショウガを乗せる。酢とショウガには血糖値を抑える効果がある。土鍋のご飯が沸騰してきたので、火を弱め12分タイマーをセットして炊く。その間にベーコンと目玉焼きを焼く。ベーコンを焼き色がつくまで焼いて、ベーコンの油を使って目玉焼きを焼く。目玉焼きを焼くときは、玉子をフライパンに落としたら少量の水を足して蒸し焼きにする。全体的に白くなったら火を止めて、塩コショウをして完成。トマトを串切りにして皿に添える。出来上がった朝食をテーブルに運び始めるとタイミングよく土鍋のタイマーが鳴り火を止める。あとは、5分蒸らせば完成。最初に作った、みそ汁に再度火を入れ沸騰直前まで温める。沸騰すると、味噌に入っている麹菌が死んでしまうので、沸騰はしないで50度ほどで火を止める。出来上がった朝食を並べ終えると、ドアが開く音がした。今は6時15分。あの方は必ず時間通りに起きてくる。寝ぐせで髪は、ぼさぼさだけど、顔を洗い歯磨きをして、やってくる。「おはようございます」とあいさつをし、「おはよう」と返してくる。いつもと変わらない朝。いつもほとんど変わらない朝食。でも、満面の笑みで「いいにおい。美味しそう。じゃ、いただこう」と言って。両手を丁寧に合わせて「いただきます」と言う。その、所作は丁寧で無駄がない。きっと、子供のころから役者として生きたきた人だから、こういう何気ない所作も丁寧に行うのだろう。浮き沈みの激しい芸能界で5歳から活動を始め現在32歳のこの方は主演ドラマ・映画・舞台・モデル・歌手と幅広く活動してきた方。目の前の食事にも気を抜かない。きっと、気を休めることを知らず、生きてきたのだろう。そんな事を考えていると、食事が終わったらしく、食べ終わった食器をキッチンまで持ってきた。


ごちそうさまでした。美味しかったよ。いつもありがとう。今日は8時には出るから。ドラマの撮影で、帰宅は7時ごろになると思う。終わるときは、また連絡するね。


かしこまりました。私の方は、トイレットペーパーと食材を買いに行ってきます。今日の晩御飯の希望はありますか?


そうだな。今は思いつかないけど、外で撮影だから、きっと暑いと思うからさっぱりした物が食べたいかもしれないな。


かしこまりました。気を付けていってらっしゃいませ。


ありがとう。


部屋に戻っていく、姿を見ながら、今度は自分の食事の準備をする。同じ家に住んでいるけど、一緒に食事はとらない。それは、この家に住むときのルールに入れてもらった。雇用主と従業員の関係をはっきりさせていたかったから。あの日から、もうすぐ半年が過ぎようとしていた。



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