オタクでギャルな九条さん
今回はオタク要素を中心に描いてみました
ペラッペラッ
2年生の始業式も終わった休み時間、俺高久凛月は教室の自分の机でただひたすらにラノベを読んでいた。
周りからは色んなおしゃべりの声が聞こえるが気にしない。話すのが好きではない俺には関係ない。青春?そんなのラブコメを読むだけで十分だ。
すると急に薄黄色っぽい髪が視界にはいる
「なーに読んでるの?」
「え……えーと」
俺は驚きの余り言葉に詰まる。
「アハハ、驚かせてごめんね〜。私、九条愛梨だよ!よろしくね」
「は、はい」
俺は恐る恐る答える。
九条さんは少し幼さのある童顔に薄黄色の髪をリボンの付いたヘアゴムでクアッドテールにしていて、ブレザー制服のシャツの襟を広げてリボンも少し下めに着崩し、巨乳と言って差し支えない胸の山脈。更にブラウスを腰に巻いていていかにもギャルって感じだ。
苦手なんだよな……ギャルな女子は特にだが。
そう友達ゼロな俺は九条さん含めたギャルな女子達に苦手意識を持っていた。
「で、何読んでるの?」
「え、えーと…」
俺はラノベと言うか迷う……と言うか言っても分かって貰えないかもしれない。
「えーと、「お気楽王子の王国再建日記」ってやつだけど……知らないよね」
「知ってるー!あのお気楽過ぎてやる気があるのか?って思ったら本当はしっかり考えててあっという間に寂れてた国を復活させたってやつでしょ!」
マジか。九条さんって意外にラノベとか好きなのか?
「九条さん、この作品知ってるんだ」
「うん!私、アニメとかラノベとかちょー好きなの!」
俺の中での九条さんのイメージが一気に変わっていくのが分かった。
なんてたって九条さんはいつもクラスのおしゃべりの輪で化粧品とか新しいカフェがーとか話してるイメージしか無かったのである。
「もしかしてりっきーも好きなの?アニメとか」
九条さんが聞いてくる。
てか、りっきーってどんなあだ名だよ。俺は夢の国のハハッのネズミじゃねーよ!と心の中でツッコミをいれた。
「うん。俺もアニメとかよく見るし好きだぞ」
「りっきーもやっぱりそうなんだ!」
九条さんが嬉しそうにしている。
「てか、そのりっきーって何なの?」
「え、凛月君だからりっきーなんだけど……ま、そんな事は置いといてさ、帰り一緒にちょっと寄り道していかない?」
「え、えーと、うん」
人生初の放課後の寄り道のお誘いに俺は思わず頷く。俺は押されると弱いのだ。
~放課後~
学校が終わった俺と九条さんは三宮で電車に乗らずにそのままある場所へ向かった。
「ここだよ!」
そして俺が連れてこられたのは予想通りアニ◯イト
だった。
「入ろ入ろ」
「ちょっと九条さん早いって……」
俺は九条さんを追いかけるように店内に入った。
店内には色んなアニメのグッズが置いてある。
「りっきー、これとか知ってる?」
そう言って九条さんが指さすのは女の子が好むアニメと言うよりはオタク向けなちょっとマイナーなアニメだ。
「うん。知ってる……と言うか九条さんこそよく知ってるね」
俺は思ってた事を聞いてみた。
「だって私、帰りながらとか時間があったらアニメ見てるし」
ガチで俺と同レベでオタクじゃね?と思うほどでで、俺は驚きながらもグッズを見ていく。
「ぼっちもろっくだ」
「あーそれも面白いよね!コミュ障でもロックならやるる!って面白いし感動もするって言うか」
「うん、それ!自分も余り話す方じゃないから共感したよ」
「へぇ、りっきーもロック出来るんじゃない?」
「む、無理無理、絶対無理。譜面読めないし」
「アハハ冗談冗談」
こうやって同じアニメについて話したりしながら見るのも楽しいもんだな。
言うまでもなく今まで俺は一人で黙々とグッズを見ていた、うん。何も威張れないが。
でも今は違う、1人じゃないから。
「りっきー、これも知ってる?」
そう言って九条さんが指さしているのは「スクールライブ」と言う"スクールアイドル"を描いたアニメだった
「知ってるし、俺はこの子を推してるよ」
俺は吊り下げられたアクスタを指差しながら言う。
「へぇ、円道寺玲奈ちゃんねー!確かにこの、少し背が低いのが可愛いよね!」
「そう、そこ!」
俺は共感してもらえた事でテンションが上がる。
あれ、意外と勝手に口が動くんだが?
「じゃあこれは知ってる?恋着せ」
「うん!コスプレイヤーのやつだよね!」
「りっきー知ってるんだ!ちょー嬉しいんだけど」
それは俺もだよ。
心の中で同意しながら俺は九条さんと色んなグッズを観て回った。
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「ちょー楽しかったんだけど」
中川さんは楽しそうだ。
そこで俺はもう一つの提案をする事にした。
「ねぇ、九条さんもこう言うアニメのグッズ見るのとか好きなの?」
「うん!"好き"すぎんってくらい"好き"!好きだけに」
「アハハ。そうなんだ」
突然のダジャレに俺は苦笑した。流石ギャル。
「じゃあさ、時間があるなら、俺が知ってるお店も行く?中古だけど色々なアニメのグッズがある店。まぁ直ぐそこだけど」
「行くー!」
九条さんは目をキラキラさせながら迫ってくる。
余りに近い距離感に俺は思わず仰け反った。
「ここだよ」
それはさっきまで居たアニ◯イトの真ん前だった。
「する◯や?」
そう駿◯屋である。
「とりあえず見てみようよ」
俺は店舗の奥の壁にグッズが並ぶコーナーに中川さんを案内する。
「おぉ!凄いキャラ順に並んでるし!しかも中古だけど綺麗でしかも安い!」
九条さんは完全にはしゃいでいた。
それから30分くらい俺と九条さんはあれやこれや言いながらグッズを観て回った。
「りっきーよくこんなお店知ってたね」
「あぁ、まぁな」
アニメ系のグッズのお店の知識は父親譲りだったりする。少なくとも俺より凄いオタクなのだ。うちの父は。
「あともう1件知ってるお店があるけど行く?」
「行くよー!りっきーのオススメなんでしょ。」
こうして俺と九条さんはもう一件ハシゴする事にした。
「ここだよ」
「えーと、らし◯ばん?」
そう、次に来たのはらし◯ばんである。
「おぉー!ここもキャラ別だし色々ある!」
「りっきー見てー!特設コーナーあるよ」
「はーい……」
俺は九条さんのテンションに完全に置いていかれていた。
「ん?」
そこには見覚えのある影があった。
(うちの制服……であの黒髪のサイドテール…見覚えがあるぞ)
俺は九条さんに手招きする。
「どうしたの?りっきー」
「いや、あの人…見たことない?」
俺は一つ奥のコーナーを漁る女の子を指さす。
「あれ、あの人うちの生徒会長じゃない!?」
「バカ!声でかい」
やはり聞こえたようでその女の子は慌てたように手に持っていた物を戻す。
「わ、私は、せ、生徒会長じゃないですよ……(汗」
それだけ言うと足早に去っていった。そしてその耳は熟したトマトのように赤かった。
にしても…生徒会長なら見たことある訳だ。てか生徒会長が同類ってマジ。
~今朝~
「生活指導に続いて生徒会長のお話です」
俺達2年生と3年生の始業式。司会を務める副会長がアナウンスすると舞台袖からうちの学校で1、2位を争う美人として知られる生徒会長……西川花菜先輩が姿を現す。
腰くらいまでの長いツヤツヤの黒髪のサイドテールにそしてキッチリ着ている制服に整った顔立ち。
美人と可愛いを足したような感じだ。
「皆さん、おはようございます。今日から新学年が始まりますが……」
生徒会長が話を始める。
と言っても俺はまともには聞いておらず欠伸をしていた。
本当に生徒会長なのだろうか?と言っても今朝見た人を見間違うわけ無い。
回想から戻った俺は考える。
もしかしたら見間違いなんてことも……
「まぁ、とりあえず疲れたし帰ろっか」
九条さんはなんだ気にしていないようだ。
「今日は私ちょー楽しかった」
九条さんは電車に揺られながら言う。
「俺もこんな風にアニメの店を一緒に周れるなんて思わなかったよ」
俺は冷静を装いながら言う。
と言うのも中川と隣同士で座っているのもあって凄くドキドキしていた。女子と隣同士なんて初めてな上に、少し手を伸ばしたら山脈に手が触れ合いそうなくらい近いんだが!?
コミュ障な俺は今までこんな経験などないので余計にドキドキしていた。
「何?ずっと私の方をチラチラ見て」
「あ、えーと……」
俺は恥ずかしさの余り言葉に詰まる。
「もしかして…私と付き合いたいとか思ってる?」
九条さんはいたずらっぽく笑いながら言う。
「そ、そりゃ……九条さんは美人だし可愛いし…趣味も同じだし……」
カァー
みるみるうちに中川さんの顔がビックリしたように真っ赤になっていく。
「え、えーと」
九条さんは顔を真っ赤にしたまま俯いている。
「ま、まぁ付き合いって言うのは冗談だよ…」
俺も恥ずかしくなりはぐらかす。
実際はちょっと本音なのだが…
「そ、そうだったんだね……アハハ」
俺達二人は赤面しながら電車に揺られた。
~翌日~
俺は今日もさっさと準備を済まして読書に入る。
すると九条さんがこちらにくる。
「え?」
こちらに向かってくる九条さんを見て俺は驚いた。なんてたって昨日まで濃い感じだったメイクも落ち着いた感じになっていてなんかギャル感が少し薄れていたのだ。
「りっきーあのさ……」
ピーンポーンパーンポーン
九条さんの声を遮るように放送が鳴る。
「えー3組、高久さんと九条さんは生徒会室に来てください」
「「え…?」」
俺と九条さんの声が重なった。
それとりっきーと呼ぶな。
続く
今回の作品のメインヒロイン、中川さんはニジガクの宮下愛とか蓮ノ空の瑠璃乃ちゃん、俺のラブコメはまちがっているの結衣ちゃんなどを参考に始めてギャルなキャラを書いてみました。生徒会長は……言うまでもなく優木せ…じゃなかった中川奈々を参考にしています。今後は今シリーズとガールズバンド同好会、静花をメインに更新してまいります!




