その嘘が暴かれたとき、伯爵令嬢は
最新エピソード掲載日:2026/02/11
拝啓 ジュリアン殿
君の御父上が当家の財政難を理由に、妹、ヴィヴィアーヌに婚約の解消を通告してきたのは、致し方ないことに感じている。
……しかし、御父上のことを諫め、止めることはできなかったのだろうか。政略で決められていた婚約者とはいえ、親愛の情があった。少なくとも、私はそう信じて疑っていなかった。
妹はもう20歳だ。君との約束がなくなれば、良縁など期待できない。
哀れなヴィヴィアーヌはどうなったと思う?
『これ以上、家族に迷惑をかけることはできません』……たったそれだけ、書き置いて姿を消した。
大切に育てられた貴族の娘が、雪が振り積もる闇夜にだ!
どんなに寒く、どんなに心細そかったことだろう!
今も、妹の行方は知れない。
父を亡くし、更に妹を失いかけている私の苦しみは、君に分かるか?
ジュリアン殿。
妹を案じる気持ちがわずかでも残っているのなら、君のいる王都で妹を探してくれ。
アンリ・ド・クレルモラ
君の御父上が当家の財政難を理由に、妹、ヴィヴィアーヌに婚約の解消を通告してきたのは、致し方ないことに感じている。
……しかし、御父上のことを諫め、止めることはできなかったのだろうか。政略で決められていた婚約者とはいえ、親愛の情があった。少なくとも、私はそう信じて疑っていなかった。
妹はもう20歳だ。君との約束がなくなれば、良縁など期待できない。
哀れなヴィヴィアーヌはどうなったと思う?
『これ以上、家族に迷惑をかけることはできません』……たったそれだけ、書き置いて姿を消した。
大切に育てられた貴族の娘が、雪が振り積もる闇夜にだ!
どんなに寒く、どんなに心細そかったことだろう!
今も、妹の行方は知れない。
父を亡くし、更に妹を失いかけている私の苦しみは、君に分かるか?
ジュリアン殿。
妹を案じる気持ちがわずかでも残っているのなら、君のいる王都で妹を探してくれ。
アンリ・ド・クレルモラ