おじさん、まさかの事を知る。
神獣であるディアの背に乗って、花畑へと向かう誠とミラ。
花畑から始まる旅の第一歩。
ここからどの様な旅が始まって行くのか。
花畑はどの様な所なのか。
見ていこう。
しばらく飛んでいると、ゆっくりと降下して行く。ミラちゃんが落ちないように気をかけてくれてるのか、時がゆっくりと進んでいく様に下へと降りて行く。
すると、そこには思ってもない光景が広がっていた。
【ここが、貴様たちの望んでいた場所だ。】
「わぁ…!」
『これが、花畑…。』
とても同じような場所が、俺の暮らしてた世界にあるとは思えなかった。
ここが花畑。こんなにも広大な花が咲き誇っている。どこを見渡しても花しか見えないほどだった。
ミラちゃんはとても目を輝かせていた。あんなにも真顔だったミラちゃんが、とても嬉しそうな顔をして花畑を見渡していた。
俺も思わず息を飲んだ。
きっと側から見ると、俺も目を輝かせているのかもしれない。
それほど綺麗な光景なんだ。
『綺麗だね、ミラちゃん。』
「はい…!』
【ここは神獣や特別な存在しか見える事がない。】
『そうなのか!?』
【あぁ。ただ見るだけでは、他の人間がいるかもしれん。故に、ここならば誰にも邪魔されずに観ることがよかろうと思ってな。】
『お前…そんな気遣いできたのか…。』
【貴様!吾輩の事をなんだと思っているのだ!それくらいできて当たり前だ。】
俺はディアの言葉を聞いて、中々粋なことをするじゃないか。ミラちゃん為にそこまでするなんて。思わず得意げに頷いた。
ディアはディアでドヤ顔を披露していた。まぁ、わからなくもないが、これくらいの気遣いでどこまでドヤるなよと、つい思ってしまったのは内緒だ。
ゆっくりと花畑を見渡すミラちゃんが話しかけてくる。
「おじさん、見えますか!?」
『うん、見えてるよ。』
「すごく綺麗ですね…!」
『あぁ!こんなにも綺麗なんだね、花畑って。』
「はい!」
ミラちゃんはとても嬉しそうな顔…、いや、キラキラした顔をしていた。それがとても微笑ましくて、思わず笑顔になる。
ただ立っているだけでなく、少し走り出して花畑に座って、花を観察しているみたいだった。
楽しそうなミラちゃんを見ていると、ふと思い出すことがあった。
家族はどうなっているだろうか。俺に依存している状態だったから、もしかしたら路頭に迷ってはいないだろうか。
そんな事を考えているのがバレたのか、ディアが俺に話しかけてくる。
【家族の事を考えているのだろうが、安心するといい。貴様が…】
『言うの忘れてた。俺の名前、誠だから。ま、こ、と。リピートアフラミー。ま、こ、と。』
【わかった、そう呼べばいいのだろう!…全く…誠とやら。】
『なんだ?』
【安心するがいい。貴様の家族は息災だ。】
『本当か!?』
思わず笑顔になる。
よかった。笑顔でいてくれているのか。そして俺が居なくても、しっかりと生活していけているんだな。
でも…少し寂しくなる。俺が居なくても、家族はやっていけているんだなと。
寂しく思っているのがバレたのか、ディアが話しかけてきた。
【息災ではあるが、貴様…誠を亡くして以降、どれほど自分たちが兄に依存していたかを理解して、自分の力で生きていけるように追力している。】
『自分の力で…。』
【兄の事を忘れる事なく、必死に生活している。だから、貴様は貴様で、この世界を満喫するがいい。】
『…あぁ、そうだな!教えてくれてありがとう、ディア。』
【ふんっ!吾輩が気持ちよく旅する為に言っただけで、貴様を気遣って言ったわけではないわ!】
なんとまぁ、典型的なツンデレを発揮してくれるのだろうか。
ツンデレって、こんな感じなんだなぁと、温かい目で見てしまう。
【…誠。貴様、また変な事を考えてはおらんだろうな。】
『別にぃ?そんなこと考えてませんよ?』
【確実に考えているではないか…!おのれ…!】
「おじさん!見て見て!」
『ん?どうしたの…って、すごいな!綺麗な花冠だ!』
ミラちゃんが見せてくれたのは、とても綺麗な花々がふんだんに使われている大きな花冠だった。
『すごい!こんなにも綺麗に作れるなんて…!昔、作ったことがあったのか?』
「ううん、ここにいる妖精さん達が教えてくれたの!』
【『ん?妖精?』】
やっと花畑につきました!
そこで衝撃の事実を告げるミラちゃん。
まさかそんな事できるわけないと思うじゃん?
ここまでやってきました。
テンポ悪い…もっとテンポよく書きたいけど、書きたいこと多すぎ案件…。
ゆっくり見守ってくれると嬉しいです…!
レビューなど、お待ちしております…!




