14 ローザ死亡
多肉:たにく・・・「たにくしょくぶつ」の略称。
朝、母に揺り起こされる。
リビングに行くと、テレビの電源がついていて、特集が組まれていた。
「ディーヴァと呼ばれた女性の死・・・双子の兄は美形だけど、彼女はブス?」
でっちあげもいいところだ。
びっくりするくらい美女なのに。
「ねぇねぇ、アキナちゃん?この前、ローザ君から質問きたじゃない?」
「うん、結婚したいかどうかの、やつ?」
「そう。結婚したい、ってアキナは答えた。本心だけど、なに?叶わなくてもローザの幸せを願うよ」
「赤ちゃん、どうするつもり?」
「え?頭下げてでもママに子育て手伝って欲しい、って言ってるじゃないか」
ライル「はい、確認、とれました」
「ぎゃっ・・・って、ライルさん。なんでリビングにいるの?」
「気にしないで」
そこにインターフォンが鳴った。
「アキナ、出てくれる?」
「え~?面倒くさいよ」
「お願いよ、今、朝ご飯作ってる途中なの」
「分かったよ~」
モニターに映ったのは郵便屋さん。
ズキンマフラーをしているので顔は見えない。
玄関を開けると、高級な香水の香りがした。
「お疲れ様です」
うなずく郵便屋さんが、手紙を差し出す。
「どうも」
玄関を閉めて、誰からだろう?とぼやくと、僕宛。
不思議に思って、その場で便箋の封を開けてみた。
【 拝啓
親愛なる君へ
また三月が来て、君を思い出しました。
ボシュンって名前のうさぎを飼ってて
ボシュンが「三月」だってさっき知った。
不思議の国のアリスはまだ好きかな。
ケーキをワンホール食べる夢は叶いましたか。
まだ君のことを気にしています。
もしかしたら恋をしています。
許されるかどうか分からないけれど、毎晩夢の中で君は可愛い。
眠りにくい僕の横で
いびきをかいて気持ちよさげ
そんな生活を夢見ているから
時計の秒針が動く音がうるさい
君のいびきと寝顔が恋しいよ。
君の幸せを願います。
遠くからでも、必死に願います。
愛についてなんてくわしくないけど、
本当の気持ちを書き出して
います。
素敵な詩なんて作れない。
作ってみたい欲みたいなのは充分あるよ。
光がふりそそぎ 胸に灯る
なんだかそんなフレーズを思いつくけど、
昔どこかの歌手が歌ってた気がしなくもない。
まだあの多肉は生きてるよ。
じゃあ、そろそろ。
長文失礼しました。
ますますのご発展をお祈りします。
運がよかったらまた手紙を書きます。
敬具
追記 玄関前でお返事待ってます 】
僕は急いで玄関の扉を開けた。




