ついに王都へやってきた!
アカリは目の前に広がる光景に、めいっぱい瞳を輝かせた。
「すごい! 何度も夢見た場所に……本当に来ることができたなんて!!」
「そんなに喜んでくれるとは思わなかったよ」
はしゃぐアカリの横で、モーグリスは苦笑する。
王都へ来ただけでこんなに喜んでくれるなら、勉強ばかりにせずもっと遊びに出かけていればよかった……と。
だが遊ぶとすでに遅れているアカリの教育がさらに遅れてしまうので、悩ましくはあるが。
そう、ここはラピスラズリ王国の王都――ゲームの舞台の地だ。
アカリがヒロインとして活躍する場所で、大好きな人たちが暮らしている場所。同じ場所に立っているというその事実に、胸のときめきが止まらない。
モーグリスはすっかり兄の顔になり、アカリに声をかける。
「どこに行こうか? 流行りのドレスや装飾品を見に行く? それとも、先にレストランで食事にしようか?」
「悩ましいですけど、ここはやっぱり……ハルトナイツ様に会いたいですね!」
「…………………………うん?」
思わずモーグリスの返事が遅れてしまったことを責めないでほしい。だってまさか、自国の王太子に会いたい! なんて言われるとは一ミリも予想していなかったのだから。
ただ正直なことを言えば、会えないわけではない。
ティトレイット家は辺境伯なので、身分は高い。挨拶をしたいと告げれば、簡単に許可だって下りるだろう。
しかし、それはアカリの淑女教育がまず完璧であることが必要だ。
「えーっと……」
言葉に詰まっているモーグリスを見て、アカリは「ちぇ」と呟く。そういうところが駄目なのだが、きっと半分口癖のようになっているのだろう。
「やっぱり難しいですよね。ハルトナイツ様は王子様だし……」
「そ、うだね……」
アカリは意外にもすんなりと会うことをあきらめてくれたようで、モーグリスはほっと胸を撫でおろす。が、次の台詞でそれをぶち壊される。
「やっぱり、ハルトナイツ様とは運命的な出会いをしなきゃですもんね! 王城に行って、会って……なんて、そんなのちょっと物足りないというか……そう考えると、やっぱり街で偶然会って互いに惹かれ合う……なんて! きゃー! どうしよう、私ハルトナイツ様を前にして平常心でいられるかな?」
わくわくソワソワしているアカリを見て、モーグリスはひとまず考えることをやめた。どうせ、学園が始まるまではハルトナイルに会えはしないのだから。
本日もアニメ!
よろしくお願いします~!




