24 寮長が来た
さて、美味しい人脈にヒドゥーキは入ってくれるかな?
名前的にヒジキだよね?どんな味がするかな?まさか生のヒジキじゃないよね?
匂いはしない。魔法使うときとかは別だろうけど、魔力の匂いがしない人や制御してる人というのは結構いる。匂いが混ざり合うと異臭としか感じられないからね。マナーである。
ちなみに自国ウィーツでは基本させっぱなしである。ウィーツは甘族のみで、甘族同士の匂いは混ざっても甘いだけなので気にしないのだ。前の世界のケーキ屋さんみたいな匂いがする。
ちなみにわたしはすれ違ったときにふわっと感じるくらいに匂いを抑えている。
「まだ来ないね。」
他の寮長が自寮の生徒を引率して行ったのを見送り、わたしたちブラック寮の生徒はなかなか来ない寮長をダラダラしながら待っていた。
といっても、わたしとヒドゥーキ以外は赤い髪の少年しかいない。彼はずっと寝ている。多分。
本当に寝ているのなら図太い神経の持ち主だし、寝ているフリならシャイなコミュ障である。いや、前者もコミュ障か……
「ヒドゥーキって呼びにくいよ。ヒジキでもいい?」
「……ああ。知ってるのか?」
「ヒジキのこと?初対面だよ?」
「いや、そうじゃなくて……」
「ふふっ!冗談!黒い食べ物だよね?」
はい、ナルちゃんお得意の小悪魔の微笑が出ました〜!おっと、ヒドゥーキ選手にダメージが入っているようだ〜!
ここは詳しく味を聞いてみるかな。
「食べたことはないんだけど。どんな味?」
「俺のは醤油と砂糖で煮付けたような味なんだが。そうか、醤油の味も知らないんだったな……」
割と早く立ち直ったな。まあ、ダメージといっても少し頬が赤くなるくらいだったけど。
押しまくったら食べさせてくれるかな?でも、初対面で魔石をくれるなんてないよね。交換するにしたってもう少し仲よくなってからかな。
「ブラック寮の皆さん、寮長のマッシュです。今から寮に向かいますので付いて来て下さい。」
タイミングよく寮長が来た。全体的に白い。そして暗い。なんか頼りなさそう。不安だ。
まあ、とにかく付いて行くか。赤い少年も起きたようだし。
教室を出ると他クラスの子たちが待っていた。わたしたちも合わせて丁度20人だ。新入生は40人のクラスが5つで200人、半分は女子だから割合的には普通だ。
マッシュ寮長の後をゾロゾロと付いて行くわたしたち。特に会話もなく、列にもならず、協調性のない奴らである。でも、このくらいの方が楽かも。
うるさいレッドや、隊列組まされるブルーや、やっぱりうるさいイエローや、チラチラチラチラお互いを見合っては俯くホワイトとはやっていける気がしない。学園生活はできるけど、寝食を共にするのはストレスが溜まりそうだ。
寮長に不安はあるけれど、寮生とは上手くやっていけそう。っていうか、やっていきたいな!イケメン率たっかいしね!




