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最強ゲーマーの《多世界攻略録(マルチバースアーカイブ)》  作者: 紅柳
第二編 パーティーレイド編 
14/182

第14話:初見殺しの強襲

「——作戦開始。これより『第六師団拠点』の強制シャットダウンを行う」


夜の帳が降りた雑居ビル。そこは黒死蝶の下位組織、第六師団のたまり場だった。

俺の合図と同時に、メグがビル全体の電源をハッキングで強制的に落とす。一瞬にして闇に包まれるフロア。だが、前回の暗闇とはわけが違う。


「なんだァ!? 停電か!?」

「慌てるな、明かりを——」


「無駄ですよ。そこ、もう僕の『間合い』です」


闇風の声が響いた瞬間、第六師団の男たちが次々と悲鳴を上げて崩れ落ちた。

敵が闇雲に振り回す鉄パイプやナイフの射線を、闇風は新スキル『絶対回避(無敵フレーム)』によって紙一重ですべて透過させていく。どんなに攻撃が密集していようが関係ない。あいつのステップの前では、敵の攻撃判定そのものが「存在しない」も同然だった。


「化け物め、死ねぇッ!」


生き残った幹部が色めき立ち、一条さんへ向かって一斉に突撃する。

だが、一条さんは不敵に微笑むと、木刀を凄まじい速度で一閃させた。


パァン!! と乾いた音が響く。

男たちの武器が弾き飛ばされた。驚くべきはその後だ。通常なら大振りした後に生じるはずのわずかな隙(フレーム硬直)を、一条さんは『神速のモーションコネクト』によって完全に踏み倒した。


「終わりではありませんよ」


一撃目の終わりが、即座に二撃目の始まりへと繋がる。物理法則を無視したかのような超高速の連撃。男たちは自分がなぜ斬られたのかすら理解できず、一瞬で床に転がされた。


「ひっ、な、なんだよこいつら……!」


奥のオフィスに立てこもろうとする残党に向け、メグがスマホを操作する。

「逃がさないわよ? AIドローン『ファントム』、索敵サーチ妨害デバフ!」


実験室で魔改造された小型ドローンがビルの窓を突き破って侵入し、天井から特殊なフラッシュ弾と音響兵器をぶち撒けた。

「うわあああッ! 目が、耳がっ!?」


完璧な初見殺しのハメコンボ。

俺は一歩も動くことなく、脳内に展開された『予測演算タクティカル・フォーサイト』の通りに戦況が片付いていくのを静かに見つめていた。


「よし、フロア制圧完了。——メグ、この拠点の通信回線をジャックして、黒死蝶の『本部』へメッセージを叩き込んでやれ」


了解オッケー。なんて送る?」


俺はホワイトボードに描いた第四師団長の顔を思い浮かべながら、ニヤリと笑った。


「『まずは一つ。次はお前だ、第四師団長』……ってな」


第六師団の拠点を、傷一つ負わずにわずか数分で完全制圧。

新生「百華繚乱」の圧倒的な無双劇に、黒死蝶の幹部たちは大いに焦ることになる。

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