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リシリュー戦線

オルファンは準備を追えて平原でリシリュー王国軍を待ち構えていた。

「ヤマト王国国王、オルファンだ!貴殿らは我が国の国境を侵した!今すぐ帰るなら許そう。だが!進むなら滅ぼす!!」

オルファンの宣戦はリシリュー王国軍に笑われる。この世界において、非常に生温いのだ。

「引き潰せ。それで終わりだ。」

伏兵すら疑わず、リシリュー王国装甲戦車隊が突撃を開始する。

だが、その装甲戦車隊が土煙をあげて見えなくなる。ドワーフ達が掘った落とし穴に落ちたのだ。

戦車は急には止まれない。次々に落ちていく。

アホだ。アホがいる。

ドワーフ達は今ごろ幻影の館で酒を呑んで寝てるだろう。


何重にも書かれた魔方陣に入る。

ハイエルフやダークエルフ達が喧嘩をしながら書き上げてくれた。

「うふふふ。威力は抜群ですぅ~。」

前髪で顔を隠したダークエルフが嬉しそうに呟やいた。

魔方陣の中央で魔力を込めていく。繊細な調整が求められるため魔石は使用しない。魔力により陣が輝き出す。落とし穴から立ち上る土煙により、こちらは見えていないのだろう。

見えていたら矢でも騎馬でも使って阻止に動くはずだ。エルフ達はこう言っていた。

「『広域殲滅魔法「深き森の怒り」』」と。

魔法が発動する。


土煙によりオルファンからは見えていない。

突如土の中から木の根や蔦が兵達に襲いかかる。

木の根に貫かれる者、蔦に首を締められる者。

そして、生きていようが死んでいようが大地に引きづり込まれていく。悲鳴が響きわたる。

目撃者は1人。事前にリシリュー王国へ現状報告をするために軍を離れた若い兵士のみ。


土煙が晴れるとそこには何もいなかった。

残っているのは剣などの武具や装甲戦車のみ。

生き物は何もいなかった。

魔力はゴッソリ持っていかれている。

何が起こったかかも、魔方陣に何が書かれていたかもサッパリわからない。


リシリュー王国の生存者

兵士1人。未帰還者2199人。


オルファンに感慨にひたる暇はない。

コスタ連邦の対策を立てなければならない。

そのまま北上していく。

移動中だが、魔方陣で呼び出す魔物と召喚符で呼び出す魔物の違いを確認しておく。大きな違いは召喚者に従うようになっているか、なっていないかの違いである。細かい違いは省く。

召喚符はとても貴重な物だが「ケルベロス」「グリフォン」は数を揃えてある。

対して召喚用の魔方陣はあまり買っていない。

コントロールできない魔物は危険だからだ。

ウッドソルジャー等は訓練用として買っていた。


到着したのはコスタ連邦との国境。湿原、草原となっている場所だ。コスタ連邦側にだいぶ侵入してから魔方陣を設置する。持っている召喚用の魔方陣の中では最強の魔物だ。

ドラゴンゾンビ?あんな強い魔物ではない。

それでも大型の魔石を必要とする。

発動させてから召還まで3~4時間は掛かっただろうか。


「這竜蛇」

退化したドラゴンとも言われるがドラゴンではないとも言われる。空も飛べず、手足が退化している。

見た目は羽根と手足がある蛇だ。ブレスを吐く事もないが、その牙や鱗はドラゴンと比べても遜色ない。遜色ないがドラゴンほどではない。

倒しても素材として使えるのは牙と鱗のみ。

それもドラゴンと同様の使い方はできない。


そんな魔物を5体召喚した。

オルファンはヤマト王国側で魔物の侵入に備える。

這竜蛇がこちらに侵入したらオルファン自身で倒すつもりでいる。1対1なら倒せる。1対2ならなんとか倒せるか?1対3なら倒せたら良いなぁになる。


さらに今回は武器も特別仕様だ。

星降剣(せいこうけん)

隕石から造られた伝説の剣だ。

「星降剣よ、力を貸して欲しい。」

「断る!」

そう意思ある剣である。

数々の伝説と逸話に彩られた剣。剣の切れ味は凄まじく、ドラゴンや悪魔を斬っている。また、星降剣自身も魔法が使える。使う魔法も「重圧魔法」という星降剣だけの魔法である。

「敵が

「断る!」

未だに力を貸して貰えない。

「貴様ではレベル、力量、魔力、その全てが足らぬ。その全てを満たした時に力を貸すかを改めて考えてやるわ。」


そう、強い武器は大量に買った。だが、使用できない物が多いのだ。ドワーフ、エルフ、ハイエルフ達総出でオルファン用の武器を造ってもらっているのもそのためだ。


「はぁ、魔剣マブイの方が使えるか。」

星降剣はマブイに対抗意識を持っている。敵対する相手が持っていたからと言われるが。

「何だと、貴様!!マブイは魂を喰わねば何も出来ぬのだぞ!!」

「魂を喰わせれば何でも出来る。しかも重圧魔法しか使えない剣の持ち主には勝ち越している。

剣の性能が違うからね。」

星降剣は言葉にならない言葉を吐いている。

「うん。今回は魔剣マブイを使おう。無能剣はもういいや。」

「良かろう!今回は特別に力を貸してやろう!あの剣との違いを思い知るがいいわ!!」

上手くいった。

星降剣を使用するためのレベルなどは実はない。

後に勇者と呼ばれた幼い少女にも力を貸しているのだから。使用条件は星降剣を説得する事。

オルファンが使用できない武器の中では1番使用しやすい武器だろう。

そして魔剣マブイで何かをするなら斬った相手の魂を使う。だが、星降剣を使うのにリスクはない。

さぁ、来るがいい。

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