悠々自適
ライ王国の国家構成は簡単である。
王族がいる。貴族は3つのみ。その3つから将軍と大臣を出す。それだけである。
軍は将軍は1人のみ。兵士は30人。騎兵なんて存在しない。
そんな状態だから熊が現れたのは大問題であった。10人の兵も逃げ帰ってきた。
その熊が村人達に倒されたと言う。
「それは良かった。」
それで終わるのがライ王国クオリティ。
どうやって倒したなんて関係ない。
だが、国内では「森の賢者」の声望は日に日に大きくなっていく。「危険だ。何とかしましょう。」ではなく「凄いですね。」になるのがライ王国クオリティである。
のんびりとしていて、人々は善良である。
国や権力に関わらずに、好きな事をする。
オルファンとしては非常に満足な日々である。
迷い人である事を隠すために「具現化」は出来ないが今後戦わないなら必要ない、とも考えていた。
善良なるライ王国は友好国パーラ王国の救援依頼を受け入れ、将軍と20人の兵士を派遣していた。
戦争等ではない。
パーラ王国内で森や田畑を荒らすグラトニーボア討伐の手助けのためであった。パーラ王国としても友好国の将兵を危険にさらすつもりはない。
仕事内容としては罠や柵の設置や、物見櫓での監視などである。
ライ王国が頭を悩ましているのは、パーラ王国兵士だけが負傷している事であった。どこまでも善良である。国からの相談を受けたオルファンの回答は、「ライ王国兵が前線に立てばパーラ王国が困るでしょう。しかし、前線で戦うだけが手助けではありません。負傷した兵士を助けるための薬草をパーラ王国に贈ってはどうでしょうか?」
ライ王国は喜んで薬草を贈くる事になる。
そんな中で1つの問題が発生した。
ライ王国内でのダンジョン発見である。
場所は山村の近く。ただの洞窟だと思われていた穴は、たまたま穴に入った村人により魔物の存在が確認された。ライ王国は10人の兵士を派遣して確認。複数の魔物を視認してダンジョンだと認定した。
問題はどうするか?である。
今までダンジョンが無かったライ王国にとって、ダンジョンは未知の存在なのだ。困った王国は森の賢者に相談する事にした。
「ダンジョンはダンジョンモンスターと呼ばれる魔物と、宝物を産み出します。ダンジョンモンスターと魔物の違いは、倒した後にアイテムだけを残して消失する事です。」
まずはダンジョンの説明から。
「最深部にはダンジョンコアがあるとされ、このコアを持ち出すか、壊すかすればダンジョンはゆっくりと崩壊していくと言われています。
ダンジョンの深さによってダンジョンコアが持つ力は変わっていくようです。」
概要説明だけでもどよめいている。
場所は農村の芋畑の前。相談者は国王様夫婦、王子夫婦、その子供と大臣である。
護衛すら連れずにやってきたのには驚いた。
この国は暢気すぎる。
「多くの国はダンジョンを国の管理下に置いています。入場料を取るのが一般的ですが、国がダンジョンを攻略している所もあります。どちらにせよ、国に富をもたらしてくれるでしょう。」
メリットとデメリットも話さなければならない。
「メリットとして、ダンジョンの富を求めて多くの人がライ王国を訪れるでしょう。さらにはその訪問者を相手にする商売が発展していきます。」
「お客様がたくさん来るんですね。」
小さな小さな子供が嬉しそうにする。
「しかし、人が集まれば混乱もします。犯罪もおこるでしょう。それにダンジョンは安全な場所ではありません。負傷者や死者が毎日のように出ます。」
子供が怯えている。
「これは聞いた話ですが、未発見だったダンジョンを巡って戦争が起こった事もあるそうです。」
情報はこんな処か。




