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侍の戦い

中牧花は戦場の死体を見て嘔吐してダウンしている。妙林尼と島津忠良、武田信廉、仙石秀範、高橋興光は女性達の護衛と見張りのために残してきた。


忍者である木戸弥左衛門、百田藤兵衛の2人は城門を開けた後は城内に忍び込み、隠し部屋や隠し通路等を探してもらっている。


平井信正、長沼三徳、湯浅新六の3人は、王城へ戻ってくるバラン公爵軍への対処のために1000の竜牙兵を率いて城門前に布陣している。


磯野員昌、団忠正はカクサンに備え、上泉泰綱、岩間小熊はスケサンに備える。

上杉景虎はオルファンの側でオルファンの護衛名目で暴走を監視している。


王城内に詰めるバラン公爵軍は想定よりも少なかった。これは王都から去った軍勢の動向や王都攻防戦で連絡が取れなかった貴族の動向を調べるために軍勢を派遣していたからである。

そんな中で敵兵の声でカクサン、スケサンの居場所がわかる。カクサンが中庭、スケサンは大階段。

磯野、団、上泉、岩間が走り出す。

絶対女王ヨハンナが参戦したとの声は聞こえてこない。バラン公爵の護衛に就いているのか。竜牙兵は声を出せない。遭遇しても他者に連絡できない以上、敵兵の声に頼るしかないのがもどかしい。



対峙が早かったのは剣鬼スケサンと上泉泰綱、岩間小熊であった。奥にある中庭より大階段が近かったためである。

スケサンは大剣で竜牙兵を切り刻んでいた。

「さて、岩間殿。戦場ならば2人でかかるが定石だが。」

「上泉様、ワダスは剣士だっぺ。それに『日本無双』の看板を掲げた事もあるっぺ。相手が多数で掛かっでぐるのを1人で迎える方だっぺ。」

「やはり、ですね。解ってしまうから何も言えないですね。」

「感謝すっぺ。」

岩間小熊が進み出る。

「諸岡一羽が弟子、岩間小熊。いぐっぺ!!」

スラリと刀を抜き、近付いていく。


「ええい!面倒だ!!」

大剣を振り回しながら悪態をつき、イライラを隠そうともしていない。広い大階段、階段の上から高さを活かした攻撃を続けるがキリがない。

兵達の槍では竜牙兵を倒せないし、剣では竜牙兵に技量で及んでいない。

スケサンの後ろに兵達がいるが、実質1人で戦っているようなものだった。

竜牙兵達の中から1人の男が出てくる。奥にはもう1人いる。立ち居降るまいでわかる。2人とも強い。血が沸く。口角が自然と上がっていた。


フラフラとさせていた刀を両手で構える。

相手は獣の如き剣。オルファンには

「敵は剣に優れています。レベル等で相手の方が身体能力は上でしょう。しかし!技量においては2人が上だと思います。御武運を。」

と言われていた。

つばぜり合いをすれば押しきられるだろう。

だが、つばぜり合いになどならない。


スケサンの振るう大剣が何度となく襲う。

それを摺り足で体の軸を移し、最小限の動きで避けていく。

「お見事。」

上泉泰綱がボソリと呟く。

それはまるで事前に打ち合わせをしていた演舞のようであった。永遠に続くかと思われた演舞にも終わりがくる。スケサンが一息つくために後退したのだ。だが、岩間小熊はそれを見逃さずに刀を振るう。

スケサンの首筋から鮮血が舞う。

勝負はついた。


大階段には竜牙兵が流れ込み、城内を制圧していく事になる。


対して中庭。

竜牙兵にとってカクサンは天敵となっていた。

拳による一撃で粉砕されていく。

「・・・・。」

もはや作業と化していた。

「ヒャッハー!!」

雄叫びと共に突撃してくる者がいた。

剣などは鍛えあげた拳で砕いてきた。だが、あの剣は危険だと直感が告げる。

柱を間に挟む。

ヴィィーーン。

大理石造りであろう柱が奇妙な音と一緒に切断された。

なんだ、なんだあの武器は。

背筋が凍ると同時に不思議な高揚感が溢れる。

一撃。一撃だ。

一撃で倒せなければ死ぬのは自分だ。


「ヒャッハー!ヒャハハ!」

高いテンションのまま、チェンソー刀を振り回す。

柱の陰から武人が出てきたが関係ない。

振り回すチェンソー刀と拳が交錯する。

団忠正が吹き飛んだ。

「及ばずか・・・。」

袈裟斬りにチェンソー刀が掠めていた。

掠めていただけであるが、その刃は皮膚を斬り、肉を斬り、内蔵を傷つけている。

出血が止まらない。

「介錯いたそう。」

髭の武者が刀を頚に添えた。

「武の頂点を見たかった。」

拳鬼カクサン、討ち死に。


カクサンの一撃を受けた団忠正は吐血をしていた。

磯野員昌に担がれた団忠正はオルファンにハイポーションを飲まされるまで、生死の淵をさ迷う事となった。

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