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戦闘奴隷⑤

貴族が絡むと外聞がめんどくさい。

しっかりと手順を踏んで批判を浴びないようにする必要がある。借金の肩代わりは権利や書類の関係上できない。また、手続きが終わる頃には屋敷は売られているそうだ。

3人の姉妹、男爵夫人、3人の娘を非公式の妾にする。

お母さんはごめんなさい。さすがに対外的にも無理がある。

公式、非公式とかも面倒だが、権利や義務など色々絡むらしい。全員が公式な妾を望んだが却下した。

公式にした方がお金的には多く渡せるんだけど。

まぁ、妾にしますよと宣言するわけだ。


妾にすると支度金を渡す事になる。

女性の身分や年齢などで支度金の目安がある。

目安の中で最も高い金額を渡す。

これでも金貨500枚に届かない。


次に妾の家への贈答。これは現在はしない事が多いそうだ。これも送り主や妾の家、年齢などで目安がある。送り主は平民のオルファンであるため高額な品や金は贈れない。

ここまでしてようやく金貨600枚を超えた。


そして裏技。

有翼人の戦闘奴隷。購入金額は金貨260枚。数多くの問題行動により減額。そこから値引き交渉。体裁を整えて金貨100枚で譲渡した。そしてそれを複数の奴隷商人に見積もりを取って高値で売却。金貨230枚で売れた。

これで男爵の手元には金貨750枚。

男爵の顔が緩んでいる。

その全てを利息の不足分と借金返済に当てさせ差押えを解除させる。

借金残高が金貨4500枚ほどになった。

「金貨が。」

男爵が泣いている。


問題はここからだ。借金残高が金貨4000枚をきれば税収の全てを利息に当てなくてもよくなる。

今のままでは税収の全てを失う。

金貨500枚が必要になる。


狼の獣人を買い戻すなら金貨は800枚は必要だろう。

経過を無視して安売りすれば、タカナ男爵家が貴族として終わる。周りの貴族から除外されるのだ。


だが、思い付く対策はもうない。

いや、妾を送り届けた褒美として金貨30枚を渡す。

さらにいくつかの武器を渡す。これで新たに借金をする事なく数年は生活できるだろう。その間に稼いでくれ。


もう何もない。

だが、男爵の3姉妹から「爆弾」が投下された。

「私達7人が妊娠すれば祝賀金、出産準備金、出産祝い金はいくら貰えるのかしら。男爵家への祝賀金もあるのよね。」

・・・。不味い。女性陣が恐い。


今まで何もしなかった男爵が有り得ない有能さを示す。全員が妊娠すれば獣人を買い戻せる。


急いで逃げた。

「妊娠するまで何日、何週間、何ヵ月かかると思うんですか。無理です!」

「頑張ればなんとかなるわよ!」

話し合いの末、新たな契約書を役場で作る事になった。世界初の『妊娠契約書』。将来の妊娠を前提とした契約書。魔法による拘束力まである。

3年以内に必ず1度は妊娠するという内容で契約金は全員で金貨1000枚。妊娠を契約するエグい内容だが、利息内容がもっとエグい。

1年につき1回、誰も妊娠しなかった場合は大地母神の繁殖の間で励む事になっている。

契約履行努力というヤツらしい。

妊娠という予測不可能な内容を約束する契約だけに役人もゲッソリしている。どちらかに不利益にならないように、今も女性陣と内容について話し合っている。

取り合えずサインだ。


女性陣が最後に付け加えた罰則事項には1月に1度は何らかの努力をする事となっていた。これだけなら何でもない内容だ。

彼女らは支度のために2月いない。

契約事態をすぐに不履行にし、金貨1000枚の返済義務を無くす。そして7人は罰としてオルファンの側で一生を「女」として仕える内容である。

家名と金とおいしい食事のため、女はしたたかであった。


国を仲立ちにしたこの契約と改善したタカナ男爵家の経済状況はすぐに広まった。

これ以降、オルファンの元には各貴族家から妾の申し出が絶える事なく届く事になりオルファンを悩ませるのは別の話。

公式な妾になるとオルファンの死別以外で、誰かの嫁になる事はできなくなります。産まれた子供は認知する必要はありませんが、養育の義務が発生します。

オルファンとしては嫁入りの可能性を潰したくありませんでした。


さらに男爵の妻である男爵夫人には「男爵との同居や性交」が禁止されます。そのうえ、夫人側にオルファンの子供を産む妊娠努力が求められます。

そして産まれた子供は男爵家の人間とされます。

非公式な妾ならオルファンが望んだ時でいいわけです。


貴族夫人が公式な妾になるのは、公認で託卵をするという事になるわけです。勿論、王の血を取り入れるためにこの世界では幾つもの事例があります。


他にも貴族の娘が平民の公式な妾になるのは風聞的にも不味いです。

そんな事を防ぎたかったため、オルファンは非公式な妾としました。


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