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窮地

脱法都市グルーンは各貴族からの使者で溢れかえっていた。貴族達は連合軍を組織し、アテナイ軍に対して反攻を企てていたため、戦力となる者を1人でも多く求めにきたのだ。都市の代表であるトーマスとマグリットには斡旋の要請も尽きる事はなかった。


「相変わらず、と言うか賑やかだなぁ。」

飲み屋から聞こえる喧騒、男を呼び込む娼婦の声、値段交渉の駆け引きや、仲間を募る探索者達。

「さっさと滞在先を確保しないとな。」

人数が多いため、宿ではなく貸別荘を確保する。

「武器の見直しと、装備の手入れ。新調する必要もあるか。普段着や下着もだな。あ~、する事が多いな。寄付もしておくか。それから・・・。」

旅での戦闘で武器も傷んでいるし、外套も破れたりしていた。

「暫くは戦闘は無理だな。皆を休ませるか。」

装備品の手入れとアイテムの購入をし、神殿と魔神崇拝の占い師に寄付を済ませる。これで報酬の金は白金貨3000枚、金貨10000枚。所持金は金貨31枚、銀貨1294枚、銅貨2778枚。そして400万Gと200万M。

後はファッシュ、アラル、ソフィアの武器や防具、アイテムを考えて・・・と。うん、俺も休みたいよ。そう考えて油断してしまいました。


「我が軍への参加を要請する!」

「今は国の危機なり。大人しく竜人を献上せよ。」

「さっさと支度をしろ!我が君の元へ馳せ参じるのだ!」

戦力となる者がグルーンに現れたのだ。戦力が欲しい者達が放っておくはずがない。昼夜も関係なく貴族の使者が押し掛けてくる。これでは買い物どころではない。オルファンは借りた別荘から動けない日々を過ごす事となった。


ミカサ王国の貴族達が戦力を求めてグルーンを利用する。それはアテナイ軍も予測していた事である。ゆえに特殊工作部隊を派遣しての妨害を行った。都市内部への潜入を諦めて、都市近郊に魔物を召喚するための陣を多数設置したのだ。それこそアテナイ軍が備できる全てを、秘蔵の品まで投入している。召喚された魔物はコントロールできない。ゆえに戦争では使用が難しかった。だが、今回は近くに自分達の軍はいないのだ。遠慮も配慮もいらない。アテナイがこの場所を手に入れた時に4つのダンジョンさえ無事ならば何も問題はないのだから。


その夜もオルファンは使者の応対に追われていた。

「お帰りください。今は誰かに仕えるつもりはありません。」

使者を必死に追い返す。


ドン!!


地響きが1つ。

悪意は死と共に舞い降りた。


貸別荘から飛び出たオルファンが目にしたものは、城壁より巨大な骸骨。

「が・・しゃ・・どく・・ろ?」

確かそんな奴だ。何が起こっているかは見えない。しかし、良くない事が起こっているのはわかる。敵襲だ。

「皆は戦いに備えろ!!俺は皆の装備品を受け取ってくる。」

そう告げて走り出した。


ガシャドクロが壊した城壁からは無数のスケルトンやゾンビが流れこんでいた。さらにはフラフラとゴーストも中心部へと進む。襲撃を受けた城壁には、戦える者達や要請を受けた神殿関係者が集まり必死の防衛戦が始まっていた。

その城壁と反対側の城門は血に染まっていた。都市の注目がガシャドクロに集まっている隙にオーガが暴れたのだ。

そして別の城門にゆっくり、ゆっくりと近づく集団があった。ゴーレムである。

グルーンは知らぬうちに危機に陥っていた。

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