002
くだらない話をしている間に(無論世間話などは無理)町へ到着。
「さ、着きましたよ」
そう言って彼女は町を見せびらかす様に手を広げる。
胸の部分が強調されている事とか気にしない。
「へー、ここが……」
着いたのはいかにも田舎と、言った感じの町だった。
ここ、本当に地球じゃないのかな……
あのビルが無きゃ信じられないと思う。
「家はすぐそこです。せっかくのお客人です。家でゆっくり休んでいってください。」
「あ、ありがとうごじゃ!!」
思い切り噛んだ。
そして、シェーナさんの家の前まで到着した。
……のだが、
「え、ここ……ですか?」
目の前にあるのはボロボロの傷んだ一軒家だった。
今にも崩れてしまいそうだ。
……妙だな
こんなにボロボロなら、彼女のジャージも、もっと汚れていてもいいだろうに……
しかし、家の中は違った。
木製の家具は傷んでいながらも、しっかりと手入れされており、壁も傷んではいても、汚れてはいない。
キッチンや食器等はピカピカだ。
「今、お茶を入れますねー♡」
そう言ってピカピカの器具で(上手く言えないが、かなり古い)お茶の用意を始める。
何でこんな、ボロボロな家に住んでいるんだろ……
やがて、お茶と茶菓子を運んだシェーナさんがやって来た。
美味い。
シンプルに美味い。
普通なら疑って断る(?)ところだろうが、何故だろう。何となくだが大丈夫な気がした。
やがて一段落した所でツキシダは聞きたい事を聞こうとして……どれから聞けばいいのか、迷っていると、
「あのビルの事を考えているんですか?」
ご名答。
もう正直に話そう。
あらいざらい。
ツキシダの話をシェーナさんは真剣に、そして、どこか興味深そうに聞いていた。
全てを話終わった所で、彼女は言った。
「事情は分かりました。ですが……」
ごく自然に
「ツキシダさん、貴方はその、日本という世界に戻りたいんですか?」
どうだろう、
そんな事自分でも分からないけど、
でも……
ツキミに会えなくなるのも、目の前の彼女、シェーナさんに、会えなくなるのも、僕は怖かったんだと思う。
ツキシダは何も、答えられなかった。
続く




