001 かわいそうな主人公
ソード・ゲートの短編集のはずが何故か出来上がった新作小説。
今回はいつもと違う三人称視点に挑戦してみました。
どんな出来になったのでしょうか?
読んで確かめろぉ、おー!
「まーくん、まーくん。あのね、」
「待て、まずは自己紹介」
どこにでもある普通の家、一軒家。
その家の中のソファーの上で寝そべりながら、まーくん、まーくんと物語の初っぱなから男を赤面させる女、
そして、赤面する男。
彼らはこの物語の主人公だ。
女の名前はツキミ。
男の名前はツキシダ。
二人は幼なじみ。
家が隣同士、そのうえ両親も仲がよかったため、ツキミらが仲良くなるのにも、時間は掛からなかった。
ちなみにここはツキシダの家。
ツキミは遊びに来てくれたらしい。
因みに二人の両親は既に死亡している。
それでも仲良くやっていけるのは、元々二人の気が合うからだろう。
さて、彼らの紹介はこれぐらいにして本編へと移ろう。
「ねーねー、まーくん」
「? なに?」
因みにツキシダほ赤面はもう収まっている。
自己紹介で時間をとってくれたからだろう。
「今日ね、宇宙人が降ってくるよー」
「ふーん」
ツキシダはツキミの言葉を聞き流した。
そんなこと起こる訳がない。
どうせ、毎年恒例のエイプリルフールの嘘だろう。
「そんなこと言ってないで、ほら! 勉強、べん……きょ……」
ツキシダは言葉を止めた。
「? どしたー?まーくん」
ツキシダはツキミの言葉に返事を返すことが出来なかった。
(何の音だ……?)
音を関知すると同時に(ツキミはテレビに夢中で気がついていない。因みに見ているのは例のネコとネズミの言わずと知れた名作である)カーテン越しの窓から光が見えた。
そして、
辺りが光に包まれる。
「ぐあー、何だ、今のは」
ツキミの声はツキシダには届かない。
光っている、
近くの公園が。
そして……彼女、いや、幼なじみの嘘は現実のものになる。
続く