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アラームが鳴り、ベッドからはい起きる。
「夢だったの?」
それにしても、ヤケにリアルだった。智の浮気から始まり殺そうなんて……結婚について考えていたから超スピードのマリッジブルーに足を入れてしまっていたのかもしれない。
「そんな訳無いでしょ」
だって、服が昨日のままだ。乱れているけれど髪だって昨日のままだ。靴を履いたまま寝るなんて事だって普通ならありえない。
それに、目に入れたくないけれどベッド脇にあるランプスタンドに挟まっている大きな紙には昨日のレストランの名前といつでも見守ってますとの事。
「……最悪」
昨日と同じくらいかも知れない。そのくらいの大きな最悪がまた私を襲っている。
忘れなきゃ、何も存在を消す事で上手くいく何て保証はないのである。仕事だって、穴が開くだろう……本当に?
「大丈夫、大丈夫よ何時もどうりにって仕事!」
遅刻したくないから、駅を降りた後人気のない近道を通ったせいか見たくないものを見てしまうハメになった。
件の智と咲ちゃんだ。会社は違うけど、同じ区内にあるから、途中まで一緒に行こうと思えばいけるのだ。普段の私なら、時間に間に合うように出てるしこの道を使わなかっただろう。だからだろうか、私よりも前を歩いてる2人は幸せそうに楽しそうに話していて距離があっても声が聞こえてきた。
「私、先輩の事今一番好きですよ」
ヤメテ
「それは、嬉しいな」
そんな、笑顔を向けないで
「瞳先輩と私どっちが好きですか?」
お願いだから、そんな事聞かないで
「うーん」
悩まないで
「どっちも」
智のその言葉を聞いた瞬間押さえ込んでいた何かが弾けた。……そして、意識を失った。最後に、智と咲ちゃんの悲鳴を聞いた気がした。