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私の知らない他校の制服 -最終回ー(全7回)
雨が激しく降り出した。
自販機の近くは屋根がついているけど、ラモは念のため濡れないように、先輩の練習ノートを廊下の長机に置いた。
私も手で温めてしまっていたお茶を、そこに置く。
ラモは体育館に向かわず、ストレッチを始めた。
「多分、学祭には出させてもらえないかもなぁ」
雨音に消されないよう大きな声でラモは言った。
私も同じくらいの声で聞いた。
「ラモはどうしてダンス部に入ったの?」
「好きだから。高校入ったら始めたいって、ずっと思ってた」
「そっか、やっぱりラモだね」
「??」
「好きならさ、あんまりサボるなよ」
「うん、よく先輩に言われる」
「…ラモ。ディズニーシー、別に無理して行かなくてもいいかなって」
「は?なんで?行こうよ。亜子が言い出したんじゃん」
「いや、なんかさー」
「えー。私、亜子と行くの、めっちゃ楽しみなんだけど」
ぴんと伸ばしたラモの手は、高く雨雲を差す。
やっぱりラモは美しい。
「私も、ラモと行くの楽しみ」
その高く伸ばした手に届くかもと、私はラモを目指して手を伸ばす。
「多分ね、亜子はコンタクトの度数が合っていないんだと思うよ」
ラモが私の近くで言う。
そういえば最近、眼科で視力を測っていない。
綺麗に重なりはしなかったが、私の右手はラモに触れる。
私の指先は、まだ少し、黒い油の跡が残っていた。




