初デス-12
ちょっと短いかもです...
ちょっと今日は忙しくて...スミマセン!
「隆也もっと速く!」
「既に全力なんだわ!」
今現在、俺達は狼たちから必死に逃げ回っている。
クエストをクリアしてウキウキだったのに、突如現れた4匹の狼に追われ、自分たちがどこにいるのかが分からないから街に戻ることもできないという地獄。
「グルルぅるぅぅ!」
後ろを見れば、殺意に満ちた目でこちらを睨みながら迫って来る顔の怖い狼が4匹...
「喰らえ!」
だが勿論、ただ追われているだけじゃない。
隆也は既に刀をインベントリに仕舞い、俺の足となっている。
だから俺は弓を使って攻撃ができる!
「ガウ!?」
今正に噛みつこうと大口を開けて飛びかかってきた狼の口の中に矢を放つ。
矢が刺さった狼は、頭から弾かれ地面をゴロゴロと転がっていき、すぐに見えなくなる。
「一匹やった!」
「ナイス!残りも頼む!」
正直俺が攻撃できるなら倒すのは簡単...そう思っていたのだが。
この狼たち、めちゃくちゃ硬い!
「クッソ!全然効いてねぇぞ!?」
「頭狙え頭!」
「頭に当たってんのにピンピンしてんだよ!」
体のどこに矢を当てても、大したダメージにはなっていないようだ。
狼の分厚い毛皮のせいだろう。
「オラ!口開けろや!」
「ひぃ!?爪掠った!ヤバいー!」
この狼たちは、そこそこ頭も回るようで、先程倒した狼のように口を開けて迫ってくるなんてことはない。
きっと分かってるのだ、俺には大した攻撃力がないから体内を攻撃されなきゃ死なないって。
「もうそろキツイ!死ぬ!」
「まだ1分も走ってないだろうが!気合で走れ!」
この逃走劇、全ては隆也頼みだ。
隆也のスタミナが切れれば即終了、隆也が追いつかれても即終了。
そして隆也のスタミナは残り僅か。
「てか、隆也ポイント残ってたろ!今すぐAGIに振れ!」
「嫌だよ!お前がなんとかすりゃポイント振らなくて済むんだから!」
「どうにもなんねぇんだよ!」
俺って、敵に攻撃が通じない場合どうしようもないんだよな...火力は増やしようがないし。
「そうだ!目狙え!目ならダメージ入るだろ!?」
「だから!俺に狙うって概念はないんだよッ!」
当たりはするけど狙えねぇ!てか狙えるんだったらやってるわ!
「あ...やばいガチでもう無理」
「おい!?諦めんな!」
「ガァルルる!」
「あ、終わった」
とうとう隆也のスタミナが切れたようで、少しだけ速度が落ちた。
落ちたのはほんの少し、だけどこの逃走劇ではその少しが命取りだ。
眼の前に迫るのは狼の鋭い爪、もう避けようが無いほどの距離まで迫っている。
「ぐわぁー」
眼の前まで迫った狼の爪は、そのまま俺の体を貫きHPを削りきった。
痛みはないけどなんだか体が軽くなっていくような変な感じがする...
「夕陽ー!?」
隆也の声が響く、視界が一気に暗くなっていく。
次の瞬間、気づけば俺は森への入口、街の門の前に立っていた。
「あー、死んだー」
まぁゲームなので死んだとしても感じるのはその程度だ。
今はそれよりデスペナってなんだったかの方が重要だ。
「うーわ...経験値減ってら...」
さっきまでは経験値バーに半分ほどあったはずなのに、今は4/1程しか無い。
「えーと、ステータスはHPが半減してて...」
HPの半減は俺からすると全く持ってペナルティにならないな、どっちみち即死だし。
それに半減してる時間もたったの30分だし。
「後はインベントリの確認して......え?」
こういうゲームでは、死んだときにインベントリのアイテムを落とすのが定番なので、アイテムを確認してみた。
すると、そこにあるべきものがかなり減っていた。
「嘘だろ!?」
本来なら、さっき使った分を含めても俺のインベントリに鉄の矢が66本あるはずだった。
だが今、俺のインベントリに鉄の矢が48本しかない。
つまり18本も無くなっている、エジュ換算だと9000エジュだ。
「デスペナ重すぎだろ!」
これ、弓使いの場合は常に矢を持ち歩かないといけないんだから、弓使いにとってデスペナってかなり重くないか?
「くっそぉ...」
一気に矢を失った悲しみから俺が地面に倒れ伏していると、俺の隣に突然光の柱が現れる。
光が収まると、そこには隆也がいた。
「お、街戻ってこれたぁ」
「やっぱ死んだか」
「そりゃぁな、流石に一人で3匹相手にすんのはキツイわ」
その後は、二人でデスペナの確認をした。
その結果、このゲームにおいてデスペナルティがクソほど重いということが分かった。
まず30分間のHP半減、そして溜まっていた経験値の半減、インベントリからのアイテムロスト、そして最後にエジュの全ロスト。
「金全部落とすのエグすぎる...」
「残って他の全部消えてるな」
これで俺等は完璧な一文無し、だがしかし!俺達にはクエストがあるのだよ!
「まぁ、レベルは上がったし悪いことだけじゃないだろ」
「まぁレベルは上がったけどさ...」
今の俺達のレベルは6と5。俺が6で隆也が5だ。
そして、分かったことがいくつかある。
「弓使い弱ぇぇぇ!」
まずはこれ。
普通に弓使いが弱すぎる。
弓で火力出したいならSTRにステ振ればいいだけだが、俺は宗教上の理由で振れないし、弓の基礎攻撃力が通じないやつ相手だとガチで無力。
しかもDEXが無いから部位狙いができない。
正真正銘運頼みのお祈りゲーミングだ。
「いや...極振りだからじゃね?」
「違う、弓使いが弱いんだ、俺は弱くない」
「そうか?」
「あと、敵が速ぇぇぇ!」
「夕陽が遅いだけ定期...」
まじで、初心者エリアにあんな凶悪なモンスター置くなよ!
俺が隆也に乗ってると、どっちかは手が塞がる。
つまりほぼソロみたいなもんだ。
「やっぱスキルだな」
結論、スキルが欲しい!
なにかこの状況がマシになるような、そんなスキルが欲しい!
「スキルショップ、行ってみるか?何も買えないと思うけど」
「いや、一回行って目標金額決めようぜ」
「あぁ、たしかにそれはありかも」
これはMMOだからな、ステータスとスキルどっちも重要だ。
そしてスキルがあればきっと状況は好転するはずだ!
「まずはギルド行って報酬貰おう」
「そうだなー」
てことで俺達は、スキルショップに行って見る前に、報酬を受け取るためギルドに向かうのだった。




