15・花さん、ウッカリやらかす? その2
【同時に2話投稿してます。こちらは2話目】
サブタイトルの『ウッカリやらかす?』ですが、よく考えたらアヤシイ関係の時は、毎回何かしらやらかしてるのを何とかしてた過去の自分に、今更ながらビックリしてます。
なにやってんの!私っ!!
(年単位の時間差セルフツッコミ)
―― 貝包みに使う貝殻と布は持参すること。
貝殻を洗って干す手間があるので、最低でも3~4日の猶予はあるはず! と考えていた花さんの目論見は、思いっきり外れる ――
◆ ◇ ◇ ◇ ◇
―― 翌朝。
「黒木さーーん! シジミ持ってきたーー!」
「なんでやーー!!」
「みんなのぶんもあるよーー!」
「なんでやーー!!」
「遠慮して50個だけ持ってきた!」
「50個!? 遠慮さんがダッシュで逃げるわ!!」
「昨日の帰りにイヲンの百均で布も買ってきた!」
「紐も買った!」
「鈴も買った!」
「「「「貝もある!」」」」
「「「「あとは黒木さんが必要 (ニッコリ)」」」」
「禁忌の錬金術実験の最後の素材みたいで怖いわっ!」
朝からお疲れぎみな花さんであった ―――
◇ ◆ ◇ ◇ ◇
クラスメイトの三木さんが持参したシジミの貝殻50個を前に、しばし途方に暮れてた花さんだったが、淡々と貝殻の汚れや欠けなどのチェックを始める。
「あ、やっぱりチェックするよね? なるだけ綺麗な形のだけ選んできたけど、ダメなのは外していいよ~、まだあるから」
「……選んできて50個?……まだあるの?」
「うん♪」
「……三木さん家って、魚屋さんじゃないよね?」
「え、違うよ? シジミはバイト先でゲットしました! タダで!」
「タダか~、そりゃあ50個持って来くるわ~」
「三木ちゃん、ガタロウ寿司でバイトしてるもんねぇ」
「うん。シジミ汁が出ない日もあるけど、店長が『頼まれてるから捨てないで』って言うからさ~、ちゃんとお願いして分けてもらっちゃった♪」
「なんで置いてたの?」
「なんか、近くの保育園の図工かなんかで貝殻たくさん使いたいから、って頼まれたんだって~」
「「「へ~」」」
「それで黒木さんが『ちゃんと洗って乾かさないと生臭いよ』って言ってたのを店長に教えたら、食洗機で洗浄して乾燥っと、やったワケよ」
「翌日50個は、文明の利器のせいかーー!!」
花さん、貝包み製作デスマーチ、決定 ―――
◇ ◇ ◆ ◇ ◇
―― 三日後の昼休み。
「やっと、予約ぶん、20個、終了、渡し終わったぜ……」
「お疲れ~、黒木」
「お疲れ。なんかゴメン、ウチのオカンの追加ぶんとユキのぶんまで増えたから、忙しくなって……」
「あ~~、いいのいいの。イマちゃん家の追加は予想してたから大丈夫~。姉と母親が持ってたら、妹も欲しくなるってもんよ。ユキちゃんの好きな和風の蝶々柄が手持ちにあって良かったわ~」
「ねぇねぇ、ユキちゃんの踊り、出た?」
「出た出た、ピョンピョンしてた」
「うわ~~! 絶対可愛いやつだ! 見たかった~~! イマちゃんズルい~~!」
「イマちゃんはズルい」
「なんでナナコがズルい言うのよ……」
イマちゃんの妹・ユキちゃん(中1)は、色白で小柄な美少女。
何故か、花さんへの好感度が高めである(謎)
◇ ◇ ◇ ◆ ◇
―― 四日後の朝。
「イマちゃん、おはよ~」
「おはよう、黒木~って、まだオヤツ袋持ってるの? どんだけ貢がれてんのよ?」
「貢ぐって、人聞きの悪い! 労働に対する等価交換だよ! そりゃあ、1個百円とかにしてもいいんだけどさ~、『金払えばゴリ押しできる!』って勘違いするバカが出るから、食べたら無くなる『飲食物』を対価にしてんのよ」
「なるほどね~」
「まぁ、私1人で『独り占め』ってのも悪く見られるし、ちょっとずつ お裾分けして減らしてんのよ」
「なるほどね~。って、いつの間にかポケットにお菓子が!?」
「とりあえずカ○トリーマアムと飴ちゃん入れといた」
「おは~」
「あ! ナナコのポケットにも入れとこ」
『オヤツ袋』と呼ばれている巾着袋から取り出したお菓子を、イマちゃんのブレザーのポケットにコッソリ突っ込んでいた花さんは、いい笑顔でサムズアップをしていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
教室の自分の席に座り、授業の用意をしていた花さんは、「黒木さ~~~ん!!」と呼ばれ、顔を上げる。
呼ばれた先には三木さんが……と、思う間に、涙目でダッシュしてきた三木さんから、体当たりするように抱き付かれる花さん。
「おうっふっ」
「うわ~~~ん!! 黒木さんのお陰で助かったの~~~!! ありがと~~~!!」
「ちょっ、三木さん、落ち着け」
(何故に、私は『男子が血涙流して羨ましがる』シチュエーションの1つ、ぷにるん♪な女子に抱き付かれてるのか……これで何度目やねん……)
ちょっと遠い目になってた花さんは、悪くない。
クラスの男子たちよ……花さんの顔面に むぎゅっ と当たってる、三木さんの胸部装甲をガン見するんじゃありません。
椅子に座ってるので、不可抗力です。
なんとか落ち着かせた三木さんに何があったのかを聞くと……
昨日の放課後、イヲンのフードコートでお茶をした三木さんたちは、イヲン前の横断歩道で信号待ちをしていた。
歩行者信号が青になり、三木さんたちが渡ろうと一歩踏み出した瞬間、
ちりーーーん
「「「「えっ?」」」」
三木さんたちが音がしたほうを振り返った先の地面に、花さんに作ってもらってカバンに付けていた貝包みが1つ、落ちている。
「あれ? 取れた?」
―― ギキィッッ!!!
「チッ!! ズレてるミスった!」
―― バンッッ!!
―― ブロォォォーーッ!!!
「「「「…………え?」」」」
「うわっ! あの娘たち狙われてた!?」
「警察! 警察呼ばなきゃ!」
「こんな明るいうちからって、ヤバすぎ……」
「きみたち大丈夫!? 怪我は!?」
騒然とする周囲の声を掻き消すような、数台のパトカーの激しいサイレンが、追いかけるように響いていく。
『半グレ』と呼ばれる集団による、窃盗した大型のワゴン車を使った、女子学生の連続誘拐・監禁事件。
三木さんたちは、赤信号を無視して突撃してきたワゴン車に乗った半グレどもから、擦れ違い様に拐われかけていたのだ。
イヲンの店員さんたちと警備員さんたちから、救護室に案内された三木さんたち。
徐々に状況が頭に染みていくと同時に、立っていられないほどの恐怖が襲いかかってくる。
あのまま歩いてたら ――
拐われたら ――
『今日』と同じ『明日』は ――
進まなかったから ――
立ち止まったから ――
『今』がある ――
―― どうして立ち止まった?
―― なにかあった?
ちりーーーん
―― 鈴の音?
三木さんは握り締めていた貝包みを、そっと見る。
自分の大好きな可愛いキャラクターの布地。
布地に合わせた色の紐。
その紐が、貝包みから2cmくらいの位置で切れている。
カバンで擦れて千切れたのではなく、『切れて』いる。
音に気付いてすぐに拾ったのに、まるで踏み潰したようにペチャンコになった、小さな鈴。
「私ら、この鈴を見た時、『厄から免れた』って感じたのよ。今まで厄とか免れるとか、思い付いたこともないのにね……」
涙ぐむ三木さんから、紐と鈴の付け替えのため、貝包みを預かった花さんは、三木さんたちが自分の席に行くのを見送った後、
「本当に、本当に、無事で良かった…… でもなぁ……え~~、マジか~~。特に何もしないで作ったのに、『お守り』になってるって、マジか~~、またかよ~~、勘弁して~~」
と、窓から見える青空を見ながら、小さく呟いてたのだった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
女子学生ばかりを狙った半グレ集団は、三木さんたちの誘拐未遂後、スピード超過でハンドル操作を誤り、工場の壁に激突。
余罪多数・被害届多数で、即日逮捕。
一般人の死傷者なし。
半グレどもは骨ボッキリとか血まみれなケガだらけですけど、何か?
ギャンスコ騒ぐ元気があるので、取り調べには問題無し!
(地元の警察署からのお知らせ情報より)
毎回、次話をどれにしようか悩む……
下書きだけは10本ありますが(早よ書け)、差し障りがある部分を引いてボヤかして、齟齬が無いよう足すのが、面倒くさ……げふんげふん……そこそこ気を使うので、執筆スピードが超低速なのよ~!
主な下書きラインナップ
・ゴーストバスターな話
・ほのぼのな話(本物)
・愛犬 VS 怪異
・突撃!隣の都市伝説
・まだあるよ!呪物
どれがいいやら……
ダイス(サイコロ)を転がして決めてる作家さんもいてるし、クジ引きで決めてもいいかも。
クジを引くのは愛鳥にやってもらおうかな?
(↑ クジ引きが出来たら可愛いので教えたら、2日ほどで覚えてドヤ顔されてしまい、「ウチのインコ……恐ろしいコ……」とビビった飼い主)




