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どこにだって日常はあるし、非日常もある  作者: しーも
1:かわいい手紙

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次の日、いつもにはない鼓動の音を聞きながら、仕事場へと向かう。手につかない仕事を早々に切り上げた時には、もう空は陰り始めていた。


あの広場へ向かうと、背の高い男が一人、さみしげに立っていた。



…アランさん、ですか?


「はい、そうですが。すいません。今人を待ってまして、用事なら手短に…」


ルーシーさん、という方からあなた宛に手紙を受け取っているのですが。


「ルーシー……?」



…彼は恐る恐る私が持つ手紙を受け取った。

手紙を読む男。少しすると、クスッと笑った。


「そっか。遠いところだもんね、そうだよね。」


「手紙、ありがとうございました。間違いなく私宛です。彼女、元気でした?」


……っ、私は、郵便を仲介しているだけ、なので…


「そうですよね。すいません。」

「この手紙は、家でゆっくり読ませてもらいますね。ありがとうございました。」


彼はゆっくりと家路につく。

その背中からは、温かさが伝わってくる。



見送ったあと、私も帰るために振り返る。太陽は見えないが、まだ明るい。


ふと前を向くと、一人の少女が立っていた。


あの少女だ。


満面の笑顔で大きく手を振ってる。

そして、何か言ってる。声にはならない。ただ、何を言っているかはわかる。


あ り が と う


言い終わると、彼女は振り返って走り出す。私は、決して追いかけることはしない。


そして彼女は、消えていった。




私は天を仰ぐ。






郵便を運ぶ者は、その中身を封を開けて見てはいけない。


その意味を、今回知った気がした。




とある郵便屋さんのお話は、これでおしまい

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