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どこにだって日常はあるし、非日常もある  作者: しーも
1:かわいい手紙

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 日々世界は動く。同じ場所でも、昨日と今日では何かが違う。それが何度も積み重なれば、大きな違いを生み出し、全く違う世界へと生まれ変っていくのである。もちろん場所だけでなく、人もそうだ。兄弟、両親、先生、クラスメイト、同僚、幼馴染、想い人........それぞれ時間の流れの中で変化し、出会い、別れを繰り返す。


それを美しいと言うか、非情と呼ぶのか、それはすべてあなた次第である。


人が生きてる場所なら、地球以外でも出会いと別れが繰り返させる。例え街がレンガ造りでも、王様が存在したとしても、新聞をまだみんな読んでいたとしても、魔物がいたとしても、勇者がいたとしても、魔法が存在したとしても。



そんな時代の、みんなのお話し。

最近、よく冒険者ギルドに来ている気がする。




別に掲示板に出ている仕事を探しに来ているわけじゃない。

いや、むしろ、仕事の依頼に関する手紙を届けているのなら、仕事を与えに来ている、と言えるかもしれない。



ただ、郵便を運ぶ者は、その中身を封を開けて見てはいけない。鉄則である。

だからその内容までは分からないのだが。





……もちろん、()()()()()()()()のはいいから、全く見ないこともないけど。


ただ、明らかな恋文みたいな、面白そうなものほど、厳重に対策されているものだ。


昔は必死に覗こうなんてこともしたけど、何年も仕事をしていれば、興味も薄れてくる。

それより、最近は職を失う怖さのほうが強い。



これまで、大きめの封筒を冒険者ギルドに届けてきたことは何度もある。むしろ、普段最もよく届けている場所だから、別にいつもと変わらないといえば変わらない。



ただ、なんとなく、最近多い気がするのだ。


今までは2日に一度だったのが、3日に2度になった、くらいに。体感だけど。


あと、職員さんの顔が最近ぎこちない。いつもの笑顔を、無理やり作っている感じだ。ちょっとした雑談の中にも、溜息が多い気がする。


どれも些細なことでどうでもいいことだが、一度気になればずっと気になってしまうのだ。



そんな、ちょっとしたモヤモヤを今日も感じながら、冒険者ギルドに向かう。


少し重い扉を開けた。郵便は他の人たちと別の窓口へ向かう。そこには、いつもの顔見知りがいる。




「いつもありがとうございます」


いえ、どうってことないです


「サインしておきましたので、こちら」


ありがと。

…最近なにかありました?


「え?」


いや、なんか皆さん忙しそうだなって


「……わかります?」


まぁ、ほぼ毎日通ってれば、なんとなく


「それもそうですよね……」

「ここだけの話なんですけど、最近このあたりの魔力濃度が上がってるらしくて」


魔力濃度?


「簡単にいうと、このあたりに魔物がいる可能性が高いみたいで」


そんな事分かるんだ。この季節だと……


「熊の変異かな、と」


厄介だね


「それで、対策を練れと中央から色々言われてて」


そうなんだ…

でも、見つかってない物を対処しろって大変だね


「そこなんですよ、対策しろって言われても、ほとんど何もできないというか。城の反応が大げさすぎるんですよね……」


お疲れ様だな。君も仕事たまってるのかい?


「まぁ、そこそこに。先輩に比べればですけど」


それはお邪魔したね。教えてくれてありがと。


「ここ以外ではなるべくヒミツでお願いしますね。」


オーケー





思ったより重い話じゃなくて良かったな。

確かに熊の魔物は危険だって言うけど、城壁の中にいれば問題はない。


でも、魔物がいる可能性なんて分かるようになったんだな。魔物が出てきたなんて、

誰かとばったり会ってはじめて分かったのに、今まで。



……確かに考えてみれば、戦とかだったら、冒険者ギルドより商工会系のギルドたちのほうがバタバタするか。

ちょっと杞憂だったかな。



そんなこんなで、軽くなった扉を開けて次の場所に向かおうとしたとき、




「お兄さん!郵便屋のお兄さん!」







かわいい声が聞こえてきた。







「お兄さんだよ!」



ちょこんと服の端を引っ張ってくる。

お兄さんって言われても分かんないよ。もうおじさんなんだから。



「あのね、これを届けてほしいの!」



無理やり押し付けられた手紙。思わず受け

取ってしまった。



「よろしくね!」



おい、ちょっと待ってくれ!色々すっ飛ばしてるぞお嬢ちゃん!!!



ただ、人混みの中駆けていく少女は、すっと雑踏の中に消えていった。


おいおいどうするんだよ……


はじめましての人は、はじめまして。

お久しぶりの人は、お久しぶりです。


短編集のようなものを、きままに書いていく予定です。

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