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日々世界は動く。同じ場所でも、昨日と今日では何かが違う。それが何度も積み重なれば、大きな違いを生み出し、全く違う世界へと生まれ変っていくのである。もちろん場所だけでなく、人もそうだ。兄弟、両親、先生、クラスメイト、同僚、幼馴染、想い人........それぞれ時間の流れの中で変化し、出会い、別れを繰り返す。
それを美しいと言うか、非情と呼ぶのか、それはすべてあなた次第である。
人が生きてる場所なら、地球以外でも出会いと別れが繰り返させる。例え街がレンガ造りでも、王様が存在したとしても、新聞をまだみんな読んでいたとしても、魔物がいたとしても、勇者がいたとしても、魔法が存在したとしても。
そんな時代の、みんなのお話し。
最近、よく冒険者ギルドに来ている気がする。
別に掲示板に出ている仕事を探しに来ているわけじゃない。
いや、むしろ、仕事の依頼に関する手紙を届けているのなら、仕事を与えに来ている、と言えるかもしれない。
ただ、郵便を運ぶ者は、その中身を封を開けて見てはいけない。鉄則である。
だからその内容までは分からないのだが。
……もちろん、封を開けずに見るのはいいから、全く見ないこともないけど。
ただ、明らかな恋文みたいな、面白そうなものほど、厳重に対策されているものだ。
昔は必死に覗こうなんてこともしたけど、何年も仕事をしていれば、興味も薄れてくる。
それより、最近は職を失う怖さのほうが強い。
これまで、大きめの封筒を冒険者ギルドに届けてきたことは何度もある。むしろ、普段最もよく届けている場所だから、別にいつもと変わらないといえば変わらない。
ただ、なんとなく、最近多い気がするのだ。
今までは2日に一度だったのが、3日に2度になった、くらいに。体感だけど。
あと、職員さんの顔が最近ぎこちない。いつもの笑顔を、無理やり作っている感じだ。ちょっとした雑談の中にも、溜息が多い気がする。
どれも些細なことでどうでもいいことだが、一度気になればずっと気になってしまうのだ。
そんな、ちょっとしたモヤモヤを今日も感じながら、冒険者ギルドに向かう。
少し重い扉を開けた。郵便は他の人たちと別の窓口へ向かう。そこには、いつもの顔見知りがいる。
「いつもありがとうございます」
いえ、どうってことないです
「サインしておきましたので、こちら」
ありがと。
…最近なにかありました?
「え?」
いや、なんか皆さん忙しそうだなって
「……わかります?」
まぁ、ほぼ毎日通ってれば、なんとなく
「それもそうですよね……」
「ここだけの話なんですけど、最近このあたりの魔力濃度が上がってるらしくて」
魔力濃度?
「簡単にいうと、このあたりに魔物がいる可能性が高いみたいで」
そんな事分かるんだ。この季節だと……
「熊の変異かな、と」
厄介だね
「それで、対策を練れと中央から色々言われてて」
そうなんだ…
でも、見つかってない物を対処しろって大変だね
「そこなんですよ、対策しろって言われても、ほとんど何もできないというか。城の反応が大げさすぎるんですよね……」
お疲れ様だな。君も仕事たまってるのかい?
「まぁ、そこそこに。先輩に比べればですけど」
それはお邪魔したね。教えてくれてありがと。
「ここ以外ではなるべくヒミツでお願いしますね。」
オーケー
思ったより重い話じゃなくて良かったな。
確かに熊の魔物は危険だって言うけど、城壁の中にいれば問題はない。
でも、魔物がいる可能性なんて分かるようになったんだな。魔物が出てきたなんて、
誰かとばったり会ってはじめて分かったのに、今まで。
……確かに考えてみれば、戦とかだったら、冒険者ギルドより商工会系のギルドたちのほうがバタバタするか。
ちょっと杞憂だったかな。
そんなこんなで、軽くなった扉を開けて次の場所に向かおうとしたとき、
「お兄さん!郵便屋のお兄さん!」
かわいい声が聞こえてきた。
「お兄さんだよ!」
ちょこんと服の端を引っ張ってくる。
お兄さんって言われても分かんないよ。もうおじさんなんだから。
「あのね、これを届けてほしいの!」
無理やり押し付けられた手紙。思わず受け
取ってしまった。
「よろしくね!」
おい、ちょっと待ってくれ!色々すっ飛ばしてるぞお嬢ちゃん!!!
ただ、人混みの中駆けていく少女は、すっと雑踏の中に消えていった。
おいおいどうするんだよ……
はじめましての人は、はじめまして。
お久しぶりの人は、お久しぶりです。
短編集のようなものを、きままに書いていく予定です。




