3話 眷属が四神
俺の目の前にあらわれた4匹は何も言わず、俺をじっと見ていた。
俺はとりあえず4匹に声をかけてみることにした。
「えーと、俺の言葉がわかるか?」
それに対して、4匹は頷きこちらにすり寄って来た。
(おいおい、こいつら物凄く可愛いんですけど。それにこの4匹明らかにあれだよな……)
コウキが思ったのは、鳥、猫、いや多分虎か?それに亀に竜ときたら思い浮かぶのは……。
「どう考えても四神だよな……」
そう日本では東西南北を司る神として有名な四神と共通した4匹。
それに世界の声が俺の記憶を検索して何とかって言ってたから、四神で間違えないと俺は考えた。
何しろ俺の家の隣の神社の名前が四神神社だったからだ。
その神社には四神の絵が飾ってあり、俺は子供の頃からよく見せてもらっては感動していた覚えがある。
ただ、その絵を見て、かっこいいと思ってもこの4匹のよう可愛い感じではなかったはずだ。
まぁ、この大きさであの絵のように凛々しい姿だと逆に不自然な気がするからいいのだが、ただ強さが心配だった。
なので、とりあえず、4匹のステータスを【神眼】で調べてみることにした。
まず、赤い羽根の鳥から、
『 』 状態:封印
<神種・ランク1>
<HP> 5000/5000
<MP> 8000/8000
<スキル>
<エクストラスキル>
【眷属】
【完全偽装】
<ユニークスキル>
【朱雀】
次に白い虎、
『 』 状態:封印
<神種・ランク1>
<HP> 8000/8000
<MP> 5000/5000
<スキル>
<エクストラスキル>
【眷属】
【完全偽装】
<ユニークスキル>
【白虎】
次は黒い亀、
『 』 状態:封印
<神種・ランク1>
<HP> 7000/7000
<MP> 6000/6000
<スキル>
<エクストラスキル>
【眷属】
【完全偽装】
<ユニークスキル>
【玄武】
最後に青い鱗を持つ竜、
『 』 状態:封印
<神種・ランク1>
<HP> 10000/10000
<MP> 3000/3000
<スキル>
<エクストラスキル>
【眷属】
【完全偽装】
<ユニークスキル>
【青竜】
と、なっていた。
<ユニークスキル>とは、
<ユニークスキル>エクストラスキルよりも上位で珍しいスキル。
ユニーク個体や変異種が持っている場合のあるスキル。
その個体の特徴を表すスキルで所持するものは極端に少ない。
<エクストラスキル>よりさらに上位の<ユニークスキル>まで持っている。
それぞれのステータスにある<ユニークスキル>の【朱雀】【白虎】【玄武】【青竜】を見て、俺はやっぱり四神だと確信したのだった。
それにしても、名前の欄はたぶん俺がまだつけてないから空欄なのはわかるけど、その隣にある<状態:封印>が気になった。
調べてみると、<状態>がそのものの状態異常などの事で毒状態、麻痺などがあるようだ。
そして、<封印>は強すぎる力を抑えるための状態で主である俺の権利で解除することができるようだ。
【神眼】によると1割程度までHP、MP、スキル以外の力が制限されているらしい。
ステータスを確認し終えた俺は4匹の名前を考えることにした。
確認してみると4匹ともメスだったので、それらしい名前を考える。
すると、いきなり遠くの方からすごい音が聞こえてきた。
音のした方を見ると、何か黒いものがこちらに近づいてくるのが見える。
「な、なんだ、黒い?いや影か?となると上か!」
見えたものがすごい勢いで近づいてきて黒いのが影だとわかった俺は咄嗟に上を見て愕然とする。
そしてやばいと思った時にはすでに遅くそれは俺たちのすぐ近くに凄まじい音をたてて落ちてきた。
衝撃を覚悟して目を瞑った俺だが、よく吹き飛ばされなかったと恐る恐る目を開けてみれば、亀の玄武の身体が光っており、俺たちの周りを囲むように円型の結界の様なものが張っていたので、おそらくそれで衝撃がこなかったのだと判断した。
そして、俺達の目の前にあらわれたのは全長5~6mくらいはあるとても大きな銀色のスライムだった。