18話 冒険者ギルドで登録~後編~
本日2話目の投稿です。前編と後編に分けて書いてます。
まだ見てない人は前編の方から見てください。
冒険者登録用の用紙には、名前、前衛職か後衛職か、あと何かあれば書いて下さい、といった簡単なものだった。
俺は受けつけのミレイユさんの所まで行き、少し質問をする。
「すみません。
これに何かあれば書くように書いてあるんですけど、どういったことを書いたらいいんでしょう?」
「何でもいいですよ。
自分は何ができますとか、こういう仕事は受けませんとか……。
冒険者登録すると、ギルドから依頼をする場合もあるので……。
もちろん何も書かなくても問題ありません」
「そうですか、ありがとうございます」
ミレイユさんにお礼を言って戻る。
「さて、一応俺達の今後についてだけど、どうしようか?
俺はせっかく異世界に来たんだから旅をしつつ、この世界を見て回りたい。
冒険者なら別にこの国に留まらず旅をしても普通だと思うし、どうかな?」
「わたしはコウキ(様)のなされることには反対はしません」
「そうですわね、わたくしもセイと同じでコウキのやる事には反対しませんわ」
「シロもおんなじだよ!」
「……クロも……」
「わっちも反対する理由がないからのう。
それにおぬしとおると退屈せずにすみそうな予感するしのう」
みんな俺の意見に賛成みたいだ。
レムが最後に行ったセリフには少しいやな予感がするが……。
そう、いわゆるフラグが立つ的な。
「じゃあ、さっさと登録するか」
そう言って登録用紙に必要事項を書き込んでいく。
ちなみに前衛は俺とセイとシロ、後衛はシュイ、クロ、レムという事にした。
みんなからは俺は後衛にいてほしいと言われたが、女子を前にして後ろで守ってもらうなんて恥ずかしいじゃないか。
せめて書類では前衛という事にしてもらった。
何でも書いていいところには魔物討伐は積極的に受ける事を書いておいた。
「すみません。 書けたので登録お願いします」
「はい、では確認しますね。
お名前はコウキ・タツノミヤ様ですか?
他の方もタツノミヤ姓ですね。 書いてある通り、家族ということですか…。
出身地は二ホンという事ですが?」
予想通りやっぱりそこが指摘されたが、
「ここから遠い小さな国なんですが聞いたことありませんか?
俺達そこの出身なんですよ」
一応、おれは誤魔化してみたのだがミレイユさんは、
「いえ、二ホンという国はあるのは知っていますが、ここミレイユからだと物凄い離れているので確認しただけです。
では次に身分ですが、平民なのでしょうか?
姓持ちだと貴族の方なのかと思いますが?」
それを聞いた俺は、
(おいおい、二ホンって国あるのかよ。
まぁ確かに俺が持っている『桜吹雪』はどう見ても日本刀だし、もしかした俺みたいに日本から来た人が作った国かもしれない。
これはその国に行ってみる必要があるな……)
そんな事を考えながら俺はミレイユさんの質問に答える。
「二ホンでは名前と姓があるのは普通なんですが普通は違うんですか?」
「はい、そうですね。
基本的にここら辺の国では姓を持っているのは貴族以上になります。
わたくしもミレイユという名前だけで姓の方は持っていません。
ですが、別に平民でも姓持ちでも出身地が出身地ですから問題ないと思われます」
「それならよかったです。なにぶんここら辺の知識には疎いので……」
「そうですか……。 あとは、特に問題ありませんね……。
では続いて冒険者登録に移ります。
用紙の方は特に問題ありませんね?
こちらに魔物討伐は積極的に受けると書いてありますが、どのくらい戦えるのでしょうか?
確か魔物に襲われて身分証を紛失したと伺いましたが?」
「ふふん、よく聞け。 コウキ様はミレハイム大草原にいたヌシを倒したくらい強いのだぞ」
「馬鹿、セイ! すみません、ミレイユさん。
今セイが言ったのは嘘です。
ちょっとセイは俺に対して、過剰評価しすぎてるんですよ!
様付けなんかしちゃって……」
そんなやり取りを見て、ミレイユさんは今までの凛々しい真面目そうな表情からポカーンとした表情になっている。
「シュイ、ちょっとセイを黙らしといて。
それとミレイユさん、倒したっていうのは嘘ですから、逃げてきただけですから」
「そ、そうですよね。 あの大草原のヌシを倒すなんて……。
ですが逃げる事すら不可能で出会ったら死を覚悟せよと言われてるくらいの存在でその実態は謎に包まれているのですが、本当に逃げてきたと?」
「逆にこやつは逃げるわっちを追いかけてきたがのう」
レムまで余計なことを言い出す。
ミレイユさんはさらに困惑の表情になる。
「すみませんミレイユさん。 こいつらの言ったことは気にしないで下さい。
で、登録には問題はないんでしょうか?」
俺が早く話を終わらせようと話を戻す。
「……あ、はい。 登録には問題ありませんが、先ほどからお聞きしたところ、かなりの実力者みたいに聞こえるのですが?
ちなみに冒険者にはランクがあり、最初はFランクからなのですが、そこまでの実力があるのでしたら考えないといけませんね……」
ミレイユさんはそう言って考える仕草をして、しばらくして、
「すみません、少々お待ちください」
そう言って受付の向こうに消えてしまった。
そして、数分たったくらいでミレイユさんは戻ってきて、
「お待たせしました。 すみませんが、ギルドマスターがコウキ様にお会いしたいそうですのでこちらにどうぞ」
そんな事を言ってくる。
(マジかよ。 あんまり目立ちたくないんだけどな……)
そんな事をコウキは考えるが、そもそもこのメンバー的にすでに目立ちすぎているので、無理というものだろう。
「いった通りじゃろ。 退屈せずに済みそうじゃ」
レムが俺にそう囁くのだった。
感想・評価・ブクマいただけると作者のやる気に繋がります。
よろしくお願いします。




