15話 街に入るために
人のいる方向に向けて走り出して、途中さすがに俺が疲れて休憩をとったが、一時間ちょっとでようやく高い塀に囲まれた街らしきものが見えた。
さらに右方には森が見え、その先には高そうな山も見える。
「やっと違う風景が見れたな。
まったく、見渡す限り永遠と緑が続くこの草原にずっといたら気が狂うんじゃないか?」
「ほんと、そうだよ!
でも広いから思いっきり走り回りたい時にはいいかもね」
シロが俺の意見に同意するが、違う意味でこの草原が気に入ったようだ。
「それでおぬしら、どうやってあの町に入るつもりじゃ?」
レムがそんな事を聞いてくる。
「普通に正面から入ればいいんじゃないのか?」
「たぶんじゃが、身分証の提示が必要になるかもしれん。
確か冒険者はみんな持っていた気がするのじゃが?」
「それでは、ばれないように中に入ればいいんじゃないですか?」
セイがそう言うが、
「いや、ここは正面から堂々と行こう。 いい方法を思いついたから」
そう言って俺は、仲間たちに耳打ちする。
「さすがコウキ様ですわ。 では早速準備しましょう」
シュイがそう言って、俺の言った案の準備をする。
他の四神達も頷き、準備を始める。
(そんなにうまいこといくかのう?)
レムだけは、ひとり不安に感じるのであった。
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俺達は城壁でおそらく出入り口の一つであろう、門の前に来ていた。
そこにはやはり門番が立っていて、俺達に声をかけてくる。
「おいおい、見かけない顔ぶれだがなにがあったんだ?」
そんな事を聞いてくる。
それはそうだろう。
俺達はレムの住処にあった防具を着こんでいるのだが、それはセイが調子に乗ってボロボロにしてしまった防具を身に着けているので、はたから見たらどうしてそうなったのか疑問に思うのもわからなくもない。
「いや、このミレハイム大草原を通ってたら、えらいのに出くわしてな。
命からがら逃げて来たんだよ」
俺がそういうと、門番は驚いた顔になり、
「もしかして、ミレハイム大草原のヌシにあったのか?
よく命があったな。
ヌシに出会って帰ってこれたやつなんてそうそういないぞ。
それに最近じゃ大草原を通る命知らずなんていないと思っていたが、まだそんなバカがいたとは驚いたよ」
そう言ってくる。
「素早く通り過ぎれば出会わないかもと思ったんだが運悪く見つかってな……。仲間は無事だったが、この通りボロボロなんだ。
早く中に入って休みたいんだけど……」
「よし、わかった。 身分証の方の提示はできるか?」
俺は内心で、やっぱり来たか、と思う。
「いえ、実は逃げる途中でほとんどの持ち物を落としてしまいまして……。
身分を証明できるものもないのですが……」
その答えに門番は、
「別に大丈夫だぞ。 身分証がなければ、ギルドの方で発行してもらえるからな。ここで名前の記入と簡単な持ち物検査を受けてくれれば入るのは問題ない。
あと入ってから7日以内に一人小金貨2枚ずつここかギルドの方に払ってもらうことになるけどな」
「それで大丈夫なんでお願いします」
俺がそう答えると、俺達は別室に連れていかれ、持ち物検査を受け、名前を記入した。
この世界の言語の書き方は分からなかったが、普通に書こうと思ったら書けたので問題なかった。
不思議だ……。
そう思っていると、門番が、
「問題ないようだから入場を許可するぜ。 ようこそ『ミレハイム』へ!」
と言ってきた。
どうやら、この街の名前はミレハイムらしい。
ミレハイム大草原に隣接する街だからミレハイムなのか、この街の名前がミレハイムだからミレハイム大草原になったのか。
そんなどうでもいい事を考えながら、俺達は門をくぐり大都市ミレハイムに入ったのだった。
「なっ、レム。 何とかなっただろ。
こういうのは堂々としていればいいんだよ。
別に悪い事しようとしてるわけじゃないんだし」
「そういうもんかのう?」
なにはともあれ、まずはギルドとやらに行ってみるかな。
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