4-5.ミレナ来たる
4-5.ミレナ来たる
手紙を渡して数日。魔界からの音沙汰はない。今日も魔物が湧いており、駆除隊が駆り出されていた。
ゴブリンを一通り殲滅する。非戦闘員の片付け班らが、ゴブリンの死体達を大八車に載せていく。余力のある者らや俊太郎ら若手は回収班の手伝いもしていた。
「シュン、あれ?」
ルイスが顎で指した。
ミレナがこっちを見ていた。襲ってこない。
「どうする?」
何度も襲われているので三人とも剣の柄を握る。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
しばしの沈黙。
「今日は襲ってこないのか?」
俊太郎から声を掛けた。
「何度狙っても勝てなかったからな。今日は武器は持っていない。」
「手紙・・・、読んでくれた?」
「・・・・・・。うん。」
「話がしたいんだ。」
「・・・うん。私も。」
三人は顔を見合わせ、柄から手を離した。
ミレナは単騎で来たとは言え、俊太郎を執拗に狙っていることは隊長以下に知れ渡っている上、実は面も割れている。有名なのだ。
「ふくろう亭・・・、には連れて行きづらいな・・・。」
「うーん。どうしようか?」
「俺、詰所に行ってくるわ。」
気を利かせてティエリが離脱した。上に相談するのだろう。
――詰所。
シャワーを終えたロビーに、ティエリが相談していた。
「・・・何?例の令嬢が?」
ロビーは眉間に皺を寄せた。
「ちょっと、隊長に相談してくる。」
ロビーは療養中のロナウドを訪ねた。
「何か問題でもあったか?」
ロナウドがロビーを迎えた。
「それが、シュンを付け狙っていた伯爵令嬢、来てますぜ?」
「何だと?」
「武器は持ってなくて、手紙は読んだと言っていました。話し合いになりそうです。ですが、場所が・・・。」
「一旦詰め所の隊長室にせざるを得ないかもしれないな。だが、子供一人に大人で取り囲むのも物々しい。女手がいた方が良いが・・・いきなりソニアと会わせるのも考え物だなぁ・・・。」
「詰所で、シュンと隊長、そしてテレサさんに居てもらうって言うのはいかがです?」
「・・・よし。それで行こう。」
そして、対話の場は詰所へと移されたーー。




