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コミュ障の相棒は螺旋階段と戦う

どうも天沢こぐまです!

遅くなりました!第2話です!

よろしくお願いします!









「はあっ…はあっ…はあっ…」

 足の感覚がなくなる。息継ぎもつらい。


 私も、ついにここまでか______。

 


 目の前が、暗くなる______、













「おおおお、大げさだ、リーリア。ここここ、このくらいの、階段ででででで」

 鏡花にジト目をむけられる。

 セルガド団長からも、呆れたように肩をすくめられた。

 

 そう、私たちは今、ギルドの百階を目指して螺旋階段を登っている途中だ。

 あのあと、ギルド嬢の反対側からセルガド団長が現れたのだ。しかし、セルガド団長に挨拶をしてもう一度ギルド嬢のほうを向けば、忽然といなくなっていた。美人だけど、不思議な人だった。

 そして、セルガド団長からさらにお達しが来たのだった。『ギルド百階にて待つ ギルド長』と。

 先程はギルド上層部のセルガド団長からの呼び出しに顔面蒼白だった私たちだが、ギルドの最上位であるギルド長からのお呼び出しを受けた身では、セルガド団長などビビってられなくなったのだった。

 

 

 となりの鏡花やセルガド団長は余裕そうに登っているが、今階数にして50階。ようやく折り返し地点へと突入したところだが、タワマンの人でも階段なんぞ使わずにエレベーターを使う階数である。

 …生まれが平民である私が、タワマンに住む人々のことなど、知っているわけもないが。おそらく、そうだろう。そもそも50階なんかに住んでる人はいるのだろうか。ベランダに出るたびに気絶しそうな高さだ。

 汗を拭いながら、棒のようになった足を進める。

 三半規管は強いほうだが、螺旋階段を何十分も登るのと車に乗るのとはわけが違う。その場でぐるぐると回ったら真っすぐ走ることが難しいように、私も今蛇行しながら(壁に何回ぶつかったかわからない)、のぼっているのだった。



「セルガド団長…これ、なんでエレベーター作らないんです…?」

 75階に到達したあたりで、そろそろ限界な私が休憩を申し込み、階段に3人で座っていた。もちろん横に3人座るような幅はないので、上からセルガド団長、鏡花、私の順に、1段ずつズレて座った。

 セルガド団長は汗一つ流さずに、窓の外を眺めている。

「知らん。だが、上の方々はこの形式に慣れているし、優等魔法使いでもあるからな。固有魔法だけでなく、習得魔法で瞬間移動を手に入れていらっしゃる。そんな方々には必要ないし、来客もヘリなとで来るから、金をかける必要はないと踏んだのかもしれない。」

 その言葉に、一瞬ビクッとしてしまった。

 優等魔法使い…、



「ふふふふふーんんんん」

「……………………………。」

「……………………………。」

 

 なんだかしらけてしまった。「ふーん」と言いたかったのだろうが、震えすぎて鼻歌みたいになっている。

 2人の沈黙に、鏡花は顔を真っ赤にしてうずくまってしまった。



 気を取り直して。

 優等魔法使い。

 魔法使いについては前も言ったとおり、希少な存在であるのだが、基本は生まれついて使用できる固有魔法しか生涯使用することができない。

 しかし、その希少な存在の中のさらに希少な存在が習得魔法が使用できる魔法使いだ。これのことを、優等魔法使いと呼ぶ。

 習得魔法はその名の通り、素質さえあれば誰でも習得できる魔法だ。ただし、その素質はある者のほうが少ない。

 

 ______私の兄も、優等魔法使いだ。固有魔法だけでも十分強いのに、欲張りなことに習得魔法をいくつも習得している。覚えている限りでは、先ほどの瞬間移動に、温度調節、透明化などがあったか。

 そういえば、兄に素質があるなら私も、なんて昔は夢見たが、私にはいつまで経ってもできなかった。

 


 魔法使いは、基本的に遺伝である。魔法使いの家系というものもあり、そこの一族はほとんどギルドの上層部になる。

 しかし、親にも、祖父母にも、知っている限りの親戚にも、魔法使いはいない。もちろん、魔法使いの家系の分家とかでもない。だから、兄の魔法の発現には、両親共に腰を抜かした。前例のない、突然変異だった。


 とにかく、ギルドの上層部は魔法使いで占められていて、さらに優等魔法使いが上階に住んでいることから、エレベーターが作られないのだろうというのがセルガド団長の見解らしい。

 ……だとしても、客がヘリでない場合_私たちとか_のことを考えていないあたり、頭の硬い感じがする。家系で就任しているから、中世のエンペラーたちのことと重ねると、当然といえば当然かもしれないが。

 


 セルガド団長がたちあがる。

「そろそろ行くぞ。」

「えええ、まだ十分も経ってないですよお…」

 まだ疲れがとれきっていない私はごねるが、

「お前も護衛だろ。新人だからといってこの体力のなさはどうかと思うぞ」

 ぐうの音も出なかった。

「せせせせ、セルガド団長。りりりり、リーリアは、体力の代わりに、技の習得能力を買われてたかららららら。ちちちち、ちょっと、ほかの人より、体力がないだけなんだだだだ」

 鏡花はフォロー(といえるのかどうか分からないが)をしてくれるが、

「いーや、結局体力がなけりゃどれだけ他が優れていても意味がない。…リーリア、おまえにこの任…いや、なんでもない」

「気になりますよそのわざとらしい中途半端さ」

 匂わせにしても、もうちょっとうまく匂わせる方法あっただろう。


 ともかく、最上階にたどり着くまでに、私がゾンビのようになってしまったのは言うまでもない。


 セルガド団長が、ドアをコンコンッとノックする。

「ギルド長、リーリアと鏡花をつれてきました」

 私はゴクリとつばを飲む。

 少しの沈黙のあと、ドア越しに

「入れ」

と声が聞こえた。

 ついに、ギルド長とのご対面。

 私たちは、どうなってしまうのか______


 ドアが開く。

 そこには______

 












 












 誰もいない、玉座だけがあった。

























毎回これでいいのかな…とか思いながら書いてるので、なんかこうしたほうがいいとかあればコメントオネシャス。

次話もお楽しみにー!

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