表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

コミュ障は任務がもらえない

はじめまして、天沢こぐまです。

読書が好きで、自分も書く側として読者を楽しませてみたい!と思い、連載を始めました。

プロットを考えて、大筋はそれに合わせて書くのが相場だと思うのですが、一作目ということもあってその時の私のノリで気楽に書いていこうかなと思っています。

隔週投稿を目標に頑張ります。どれだけ忙しくても、月一は絶対…多分…おそらく…投稿するはず。

それでは、『コミュ障は世界を救う!?』、お楽しみください。

 









 青い空、白い雲。

 春の暖かい風が吹き、桜の木も満開の、今日このごろ。

 私ことリーリアと、友である鏡花は…、

「なんで私たちが任務停止なんですかっ!?」

「すみません、そう言われても…」

「理由聞いてないんですか!?」

「はい…。ギルド嬢はギルドの中でも最下層なので重要なことは全く伝えられていなくて…」

「任務停止も充分重要だよ!!誰だこんなか弱いギルド嬢にこんな重要なこと言わせた奴はー!!!」

 罪のないギルド嬢に向かって、大勢の仲間たちの生暖かい目に見守られながら、絶叫していたのだった。

 16歳の、午後。

 私たちは、任務を一つも遂行することなく、ギルドから任務を停止された。


 私と鏡花は『護衛』を主な仕事とするレイピア使いだ。

 この世には私たちが属する民族イミグランツと、敵対している民族インディゲノスが存在する。敵対した経緯は、今ここで説明できるような単純なものではないため、割愛する。

 そして、《インディゲノス》から善良な市民を守るために活動しているのが私や鏡花のような『戦士』だ。『戦士』にはレイピア使いだけでなく、大剣や弓、中にはブーメランなどなんとも扱いにくそうな武器を用いる者もいる。

 《インディゲノス》側は、あちら側の主張する意見を《イミグランツ》が有利なこのパズ王国に通すため、戦争として武力を行使している、と言っているが、実際には無差別殺人と判定されており、戦争と違って犯罪者扱いをされている。そのため、お互い引くに引けない状況ができあがり、ついにギルドも450周年を迎えた。450年、この膠着状態は解けないままなのだ。その450年の間、何十人も英雄と呼ばれる者は現れたが、結局戦果を挙げられた者は一人もいない。

 そんな先が見えない職業に、私はなぜなったのか。それは、兄の影響である。

 兄は、今現在でも活躍している、いわゆる現代の英雄の一人だ。私とは5歳しか離れていないが、兄は13歳のころに高度任務の成功率100%という異例の成績を残し、私の年齢の時にはすでにギルドで有名になっていた。実は0.001%の人しか使えない魔法の使い手でもあり、火を自在に扱っているところを見たことがある。なにはともあれ、自慢の兄である。

 しかし、現在の兄はどこで何をしているのか、わからない。

 別に失踪したとか、殉職したとかそういうんじゃない。ギルドが隠しているのだ、彼の居場所を。

 現代最強と謳われている英雄の行き先が分からないなど、大問題になりかねないが、そこはギルドがうまくやっていて、『超高度特別任務遂行中』とだけ大衆に伝えられている。

 超高度特別任務、という響きだけで、なんかすごいことやってんだなー、てか情報盛りすぎー、具体的にどういうことしてんのー、と思うが、ギルドは定期的に兄をマスメディアへ登場させて安否を伝えることで、マスコミや大衆がそこまで深掘りできないようにしている。アメとムチ、みたいな感じだ。

 閑話休題。

 ともかく、優しい兄にすっかり懐いていた私は、いつしか兄のようになりたいと思うようになり、養成学校へと入学。留年しないギリギリの成績で通り抜け、この春、というかつい昨日、卒業式を迎えたのだ。だのに。

 …一つも任務を課されずに任務停止とは。

 任務でやらかしたわけでもないのに。あれれ…。

 私、素行だけは良かったはずなんだけれど…ギルド上層部とつながっていた教官にでも、なにかしてしまったのだろうか。

 それはともかく、任務がもらえないということは、すなわちマネーも入らないということである。

 親とは色々あって援助も期待できないし、誇り高き護衛はアルバイトをしてはいけない(そういう謎の暗黙の了解がある)というし、このままではそこら辺で野垂れ死んでしまう。護衛中なら死ぬ覚悟はあるが、そんなしょうもないことで死にたくはない。

 そして、この状況に置かれているのは、私だけではない。鏡花もだ。

 隣の鏡花にどうする?という視線を送ると、

「…………………………………………………………………………………………………………………………」

 ものすごい顔で沈黙していた。

「…鏡花?」

 もう一度呼びかけると、鏡花はギギギギギ…と、ロボットのような音を鳴らしながらこちらを向いた。

「うううう、うるさいリーリア。わわわわ、私、別にこれから一発芸とかで生きていかなきゃいけないのかとかそんなへんぴなこと考えてないししししし」

 ……。

 ……………………。

 どこから突っ込むべきか。

 心の中で、さっきの首の音はどうやって出したんだろう、と思いつつ、

「一発芸でお金を稼ごうという発想はすごいけど、もうちょっと現実的な発想しようよ…」

若干呆れながら言った。

 布団がふっとんだー、と言えばお金がはいる世界は嫌だ。大喜利してるんじゃないんだから。

 そして、鏡花がコミュ障である、というのは少し片鱗を見せたかと思うが、最初だけでなく語尾も震えてしまうのが鏡花の特徴だ。

 ちなみに、このレベルでコミュ障っていうのは…って思う人もいると思うので、参考程度にとあるエピソードを。

 鏡花とは養成学校で出会ったのだが、その時の鏡花はいろいろとすごかった。

 まず、成績は常に上位。剣技に至ってはレイピアだけでなく大剣も得意で、男女混合の成績でもTOP5には入るほどだった。

 次いで凄かったのが、日中訓練が終わったあとの寮へ帰るスピードだった。

 訓練生みんなで終礼をしたあとすぐ、鏡花のいた机を見れば、すでにいないのだ。ちなむと、隣の席の人でも、その姿を見れた人はいないそうで。鏡花は限りなく能力の無駄遣いをしていた。

 最後には、やはりコミュ障であること。私も最初話しかけたときは、石のように硬直されてどうすればいいのかわからないものだった。

 それから一年くらいは石と対話しているかのような気分だったが、ある時。

 合宿のBBQの時間で、私がいつものように一人である鏡花に、サーロインをてんこ盛りにした皿を持っていってやった。

 それまで鏡花はBBQ肉争奪戦の前線に入り込む事が出来ず、ピカピカに磨かれたお皿とにらめっこをしている状態だった。

 それはそれで面白い絵面ではあったのだけれど、さすがに無視するわけにはいかず。実は鏡花が大食いであることを知っていた私がてんこ盛り肉を押し付けたのだ。

 そうすると、鏡花は急に変な踊りを踊りだし、肉を食べては踊る、を繰り返した。私が引いた目で見ていたことには気付かずに。周りの生徒が気づいた瞬間、縮こまって私の陰に隠れたが。

 それからというもの、二文字くらいなら喋ってくれるようになった。まあ、あれだ。「はい」だけだ。

 返事をくれるだけでもありがたかったが、さらに1年後、同じ事をすると、急にめちゃくちゃ喋り始めたのだった。さっきのセリフくらい。

 その時のセリフが、こちら。

「ササササササッササササーロインうままままま」

 ……喜ぶよりも、複雑な気持ちが勝った。

 とりあえず、私が鏡花と話せているのはサーロインの力であって、それでも2、3年はかかるということ。

 ものにつられてコミュ障がとける鏡花もなかなか変人だが、そんなコミュ障の鉄壁を壊そうとしていた私もなかなかの物好きだ。

 そんな変人同士がタッグを組めば、確かに警戒されるのも当然と言われればそうなのだろう。任務停止も、このコンビにはダメだ、という意味かもしれない。

 そう思って、鏡花にコンビ一時解散を提案してみると…、

「リリリリリ、リーリアはははは、わわわわわ私のこと捨てるんだだだだだ?」

 …なんというか、メンヘラ彼女みたいなんになってしまった。というか、だだだだだってよく言えたな。震えても出ないよ、その音。もしかしてわざとか?

「捨てるとかじゃなくてさ」

 事情を説明してみるが、

「かかかか、解散したら逆に問題は深刻になるぞぞぞぞぞ」

 …ふむ。

 確かに、コミュ障と成績最下層のコンビが解散して単独行動は、事態が深刻になりそうだ。2人とも別の場面であれど、ワタワタしている様子が目の裏にありありと浮かぶ。

 じゃあ、どうすれば。

 と、そのとき。

「リーリア様、鏡花様。セルガド団長よりお呼び出しでございます」

 さっきの人とは別のギルド嬢___ここらへんの地方では珍しい金髪碧眼の美人さんだった___がこちらへ歩いてきて言った。

(うわあ、綺麗…)

 背が高くてスタイルもよく、思わず見とれてしまうほど。肌は真っ白、まつ毛まで金で、よく見ると緑と青のオッドアイだった。

 ギルド嬢の指定制服であるフリルのついたブラウスとミニスカートも、この人のために作られたんじゃないか__450年前から変わらないからそんなわけないが__と思うくらいだ。

 同じ女とは思えない…そう思って不躾にもしばらく眺めていたが、遅れて脳内に届いた言葉にハッとする。

 …ギルド上層部に位置するセルガド団長から呼び出しって…、

「やっぱりうちらなんかやらかした…?」

 二人で顔面蒼白になるのだった。

一話書き上げるの大変!

そんな事に気づいた午後でした。

戦闘中とか山場なら筆が進むけど、書き始めって難しい…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ