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9/18

金曜日前編 楽しみな事って、その準備も楽しいよね!

「う~~ん、はぁ~」


 朝起きたら、体調の方はもうすっかりよくなっていた。


「あぁ~、なんか無性にふたりに会いた~い」


 昨日は、突然ふたりと離れ離れになってしまう夢をみてしまって、だからいつにもましてふたりのことが恋しい。まぁ、その分昨日はお姉ちゃんにいっぱい甘えちゃった。


 準備をしていると、インターホンがなった。


「ん? 誰だろう、は~い」

「おはよう柚、調子はどう?」

「元気になったですか? ユズキ」


 ドアをあけると、ふたりがいた。


「うわ~里香、シャルちゃん、どうしたの~、なんでなんで~」

「元気そうなら、いっしょに登校しようと思ってね」

「Oh~ユズキ、いっしょに行きましょう」

「迎えにきてくれたんだ~、すっごいうれしい! すぐ準備するからまってて~」


 というわけで、急いで準備をすませて家をでた。


「おまたせ」

「じゃあ、いきますか~」

「Let's go~」


 一緒に登校、まず話題に上がったのは当然一昨日のこと。


「柚、一昨日は帰ってすぐに開封の義とやらをやったんだって~?」

「あっ、いや、それは~」

「まったく~」

「だ、だって~、楽しみにしてたやつが届いてたんだもん」

「だって~、じゃないの」

「い、いひゃい、いひゃい~」


 両方のほっぺを引っ張られた。


「どれだけ心配したことか~」

「ごめんなひゃい~、ゆるひて~里~香~」

「リカ、そろそろゆるしてあげてください」

「まぁ、シャルちゃんがそう言うなら……って柚!?」

「えっ?」


 気がつくと、ほんの少しだけ涙が。


「ご、ごめん柚。ちょっとやりすぎちゃったかな」


 ここまでするつもりはなかったと、あせっているようだ。


「あっ、ちがうの里香、これはその……。なんか嬉しくて、里香とシャルちゃんが一緒にいてくれるのが」

「柚どうしたの?」

「ユズキ、なにかあったですか?」

「実は、昨日すっごく怖い夢をみたんだよ。ふたりが急に遠くに行っちゃう夢」


 昨日の悪夢のことを話した。


「ふたりとも、どこにもいかないよね? ずっと一緒にいてくれるよね?」


 思わずそう尋ねると、シャルちゃんはギュッっと抱きしめてくれながら、里香は頭をなでてくれながら。


「ユズキ、シャルたちはこれからもず~っと一緒です!」

「あたしが柚を独りになんて、できるわけないじゃん」

「よかった~」


 そのふたりの言葉が、心の底から嬉しかった。


「ほら、あんまりのんびりしすぎると遅刻するよ」

「Oh~それはたいへんです」


 そういうとふたりは、左右からそれぞれ私の手を握った。


「えっ? えっ?」

「ちょっと駆け足でいくよ!」

「ユズキ、いきましょう~」

「うん!」


 ちょっとてれくさかったけど……。まっ、いいか。


「そういえば、いよいよ明日は~」

「ハイ、ふたりがシャルの家に遊びに来てくれるですね!」

「うん、すっごい楽しみだよ~」

「きっかけは柚が、GODIVAのチョコっていったことだったよね」

「あの時はおどろいたよ~、ほんの冗談のつもりだったから~」

「ふたりがあそびにくるってマムに話したら、『せっかくだから泊まってもらえば』っていってました~」

「ありがたいだけど、迷惑じゃない?」

「ふたりなら大歓迎で~す」

「じゃあ、折角だから、そうさせてもらおうかな」

「あっ、じゃあさ、ちょうどふたりに似合いそうなパジャマあるんだけど~」

「却下!」

「ちょっ、大丈夫だよ~、かわいいパジャマだから、おそろにしたら楽しいかな~と思ってさ」

「シャルはいいと思うですよリカ、楽しそうです~」

「う~ん、まぁ、それなら~、どんなやつなの柚?」

「それは、当日までのお楽しみ」

「なんかのアニメネタだよね」

「おお~、さすが里香さん、よくおわかりで。あこがれてたんだよ~三人でおそろいのパジャマですごすの」


 そうこうしてるうちに、学校が見えてきた。


「じゃあ、話の続きは学校でするか~」

「そうだね」

「ハイ」


 教室に向かっていたら、職員室の前で優子お姉ちゃんを見かけた。


「あっ、優子お姉ちゃん!」

「あらっ、相原さん、体調の方はすっかり大丈夫みたいね、よかったわ」

「うん、昨日お見舞いに来てくれたおかげだよ~、ほんとありがとう!」

「い~え、元気になってよかったわ、あと学校では優子先生でしょ」

「あっ、そうだった~、ごめ~んお姉ちゃん」

「もう、わざとやってるでしょ~、まぁいいわ。もうすぐホームルームの時間よ、教室に急ぎなさい三人とも」

「「「は~い!」」」


 その後のホームルームで、先生はみんなに週末は楽しく過ごしてほしいけど、くれぐれも体調には気をつけてほしいと言っていた。そう、みんなに。けして私だけに言ったのではない。……たぶん。


 その後一時間目、二時間目と過ぎていき、現在昼休み。いつものように昼食をとりながら、今朝の話の続き。


「ディナーのリクエストはありますか?」

「えっ、リクエストしていいの?」

「ハ~イ、なんなりと~」

「え~っと、う~ん、里香何かある?」

「あたしは、そうだな~、シャルちゃんが好きなものとか?」

「あ~それいいかも、シャルちゃんの大好物って何?」

「シャルの大好物ですか、1番好きなのはマムの焼くパイですね。デザート系だとアップル、チェリー、ラズベリー。料理系のミートパイやポットパイなんかも、どれも最高なんで~す」


 うっとりした顔になるシャルちゃん、その表情がどれだけおいしいかを物語っている。


……ゴクリ


「それはぜひ食べてみたいね!」

「私、出来たてのパイって食べたこと無い」

「どんなのがいいですか?」

「え~なんだろう? 色々あって選べないよ~シャルちゃんのおすすめは?」

「Oh~シャルも選べないです、どれもおいしです!」

「そっか~、どうしよう~」

「シャルは、どうしても決められない時、ミニパイにします」

「なるほど~、大きいのを一つじゃなくて、小さいのを複数、そうすれば色々楽しめるってことか~」

「That's right!」

「いいね~、そうしよう」

「ねぇ、柚。むこうになにもかもお願いするのは悪いし、入れたいフルーツとか具材は、あたしたちで用意しよう」

「そうだね、じゃあショッピングモールに行って、色々調達してからシャルちゃんの家に~」

「No~、それはだめです」

「えっ? シャルちゃん?」

「ショッピング、シャルも一緒にいきたいです」

「ごめん、ごめん、間違えた。まずシャルちゃん家に集合して荷物とかおかせてもらって、その後三人で買い出しにいこう!」

「ハイ!」

 満面の笑顔を見せるシャルちゃん。


「夕飯の後は何する? ゲームとか持っていこうか~」

「お泊りの夜といったら、トランプとかUNOも必要じゃない」

「修学旅行の夜とかだと定番だよね~、罰ゲームとかも考えておこうかな」

「Oh~罰ゲームですか~、ドキドキするです」

「う~ん、シャルちゃんが楽しそうなら反対はできないな~、あんまり過激なのはだめだよ」

「わかってるって! 私もやることになるかもしれないし、どうしてもって時は、拒否権もありにする」


キーンコーンカーンコーン♪


「えっ、昼休みもう終わり? なんか早くない」

「だね~、今日はあたしも早く感じるよ」

「Oh~続きは放課後、ですね!」

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