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引っ越し

俺と真冬は、麻生家の戸建てである住まいへ、先に入居するのであった。

なぜなら、まとめる荷物がないためであった。全て灰になってしまったが、逆に身軽となっていた。

一応、両親にも引っ越した事を伝えておいたが、離島のため、会いに来ることはないであろう。

いや、そう思いたいのであった。豪邸で、霊との共同生活は、刺激が強すぎるからだ。


引っ越しを終え、日用品を買いに行くつもりだったが、その心配もなくなっていた。薫子さんの圧力により、定期的に食材や日用品は補充されるのであった。

至れり尽くせりとは、この事だった。


部屋の割り振りは、薫子さんが決めてくれたのであった。

元々の主寝室は、薫子さんが使用し、ゲストルームを除く3部屋は、ヤバタ・俺・真冬で分割するのであった。薫子さんの一番近い部屋は、真冬が入ることになった。そこから、離れた2部屋が俺とヤバタであった。

薫子さんは、育ちが良いのもあって、貞操観念が強いのだ。女性が男性の近くで寝る事は許さないのであった。


そのため、夜遅くに、真冬と話すときは、念話で話すことが多くなっていた。


『クズさん。最近、バタバタしてて話せなかったけど、前に私が、雑居ビルで嗅いだことある匂いって、言っていたのを覚えてる?』

『あぁ、そんな事いっていたな。』

『あの匂いって、穂乃果先生と同じなの。』

『でも、別人だろ。あの人があそこに行く理由がないじゃないか。まぁー、同じ柔軟剤とか使っていたら、似た匂いになるんじゃないのか?』

『あの匂いは、穂乃果先生だと思う。いくら香水や柔軟剤とかで匂いが一緒だとしても、その人から出ている匂いと混じると、他の人と全く違う匂いになるの。指紋と同じ感じだよ。』

『そしたら、穂乃果先生は、あの雑居ビルに??もしかして、仏霊会に忍び込んだスパイなのか?』

『分からない。あの人は、操られていたのを助けられて、今の仕事をしているから。ただ、アビスっていう組織が恐ろしいのは、この間、学んだから。油断はしないで欲しいの。』

『そう言われるとそうだな。知らないうちに巻き込まれるのは、もう御免だな。』

『分かってくれたなら、いいんだけど...。私はもう寝るね。おやすみなさい。』

『おやすみ。』

俺は、真冬の話を聞き終え、穂乃果先生の事を考えるのであった。


(以前に、何をやってたかも分からないもんな。そういえば、ステータスをみた事があったな。

あの時は、連絡先を手に入れる事が出来ると思って、あまり内容を確認していなかったな。

そうだ。AIを使えば思い出すかもしれない。)


そう、思いAIを発動するのであった。

(前の名が、マリア=ダルク (25)で....ん?ダルク?

これって、ユリアも同じじゃなかったか?確か、ユリア=ダルク (25)....。

名前も似ているし、そういえば、穂乃果先生も前は金髪だった。背格好もスタイルも似ている。

ユリアは拘束されているから、同一人物の可能性は低い。

これって、双子とか?能力?かもしれない。)

他に、怪しい事がないか詮索しようとしたが、情報が足りないので結論がでないのであった。

そうこうしている内に、少し頭痛がしてきたので、すぐに能力を解除するのであった。


AIの結果はこうであった。

マリア=ダルク (25)は、ユリア=ダルク (25)とは、同一人物の可能性は低い。それは、能力でも分かる事であった。穂乃果先生には、治癒の能力しかなく、考えられないのであった。

もちろん、ユリアの能力でも。

そのため、姉妹や双子の可能性が高い。年齢も同じことから双子であろう。

穂乃果先生が、スパイであるのは、現状、可能性が低いと見ていいのであった。


俺は、真冬の忠告を肝に銘じ、早々に寝に入ろうとするのであった。

何かを忘れている気がしていたが。


『忘れてるよね!?ね!?だいぶ経ってるよ。流石に、自分から現れたよねーーー。』

茉莉花は、口調は飄々として話していたが、少し不機嫌なようであった。

俺は、茉莉花の事をすっかり忘れていたのであった。

まー、覚えていても、火事と共に鈴もなくしてしまっていたのであったが。


『ま、大変だったのは、知ってたのさ。僕は。』

ポイっと、無くした鈴を投げるのであった。


『あれ。これって。ありがとうな。茉莉花には色々聞きたいことがあったんだよ。』

『フン、忘れてたくせに、白々しいねー。』

『茉莉花でも怒る事があるんだな。』

『まぁね。ただ、今日は忠告をしに来たんだよ。組織には、近づかない方がいい。今回は、駒にされたようだけど、奴に関わると碌な事がないから。』

『確かに、碌な事がなかったな。知り合いなのか?』

『知り合いってほどでもないのさー。この業界は狭いからね。嫌でも耳に入ってしまうんだよ。忠告をしたからねーーー。』

そして、茉莉花は去っていくのであった。


俺は、聞きたい事がいくつかあったのだが、あの様子だと話してくれない気がしたので、諦めるのであった。

普段なら、美女2人から心配されるのは、嬉しいが。今回は、真剣なようなので、きちんと受け止めたのであった。


余談であるが、次の日にヤバタが引っ越してきた。あいつも、荷物が少なかったので、片付けはすぐに終えるのであった。

そして、薫子さんが引っ越しパーティーを開いてくれたのであった。

庭でBBQで過ごすのは、今までの事を思うと、心が休まるのであった

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