おのおのの修行(火輪編)
火輪は、石板に霊力を注ぎ込み、円陣の真ん中で座禅をするのであった。
座禅し、深く瞑想に入ると、声が聞こえるのであった。
(おや、明松の娘ではないか。もう、継承の時であったか。それでは、我の力を扱うに、相応しいか試してやろう。目をそっと開けなさい。)
そう言い終わると、そこに赤く燃えるような髪をなびかせている女性が現れた。
しかし、人ではないようだ、背中には、羽が生え、手足も鷲のような鋭い爪を持った手足であった。
『ふふ。明松の者はいつも反応が豊かで、面白い。』
『あなたが、朱雀様ですか?』
『いかにも。お前の名は?』
『火輪です。』
『では、火輪。近こうよれ。我に触れ、我の力を取り込んで見せよ。もし、力に飲まれるようであれば、お前の魂を頂くぞ。』
火輪は、生唾をゴクリと飲み込み、ソッと、朱雀の手に触れるのであった。
そこから、急激に火輪の中に、何かが流れ込んでくるのであった。そして、四肢の隅々まで、流れ込むのであった。
(んんんーーーーー。熱い。ぐああああああーーーーーーーーー。熱っ。熱いよーーーーー。)
『あっはっは。まだ、序の口だぞ。頑張れぃ。我の力が必要なのだろ。』
あまりの熱さに声が出なかったが、一先ず熱さは、通り越したようであった。
『はぁはぁはぁ。これで、終わりですか?私は、まだまだ元気ですよ。』
火輪は、耐え忍いで、笑顔で答えるのであった。
『いいぞ。いいぞ。全部の霊気道を解放できたな。どうやら、我を受け入れられる器の持ち主のようだ。しかし、それだけでは、使いこなせないぞ。我の力を使い、高めよ。そして、想像し創造するのだ。』
火輪は、朱雀様の言う通りに、力を高めるのであった。そして、想像するのであった。
自分自身に合う能力の創造を。
『ふふふ。それが、火輪の新しい力か。いいではないか。これからは、お前が我の主だ。力が欲しい時に呼べ。朱雀とな。』
『はい。』
そして、気を失うのであった。
しかし、そこには継承の証ともいう、赤く燃えるような髪となった火輪の姿があった。
『やれやれ、上手く行ったようだね。朱雀様、どうかこの子をお守りください。』
火輪母は、石板に向かい、ただただ願うのであった。
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また、初めて書いたものなので、小説家になろうの使い方が分かっていません。
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