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コマリ捜索。変態再び


転鏡から出ると、そこは、大学であった。


『おっと、久しぶりだなー。ほんの少し来ないだけで,、懐かしく感じるものだな。』

ヤバタは、物思いに更けていた。

『それで、どうする?コマリ先輩を探すのにも、手掛かりが少ないけれど。もう、一度、家を捜索してみる?』

『どうだろうな。あれだけ探しても、手掛かりはなかったからな。』

『それにゃら、私を連れていくのにゃ。』

『真冬ちゃんは、そうゆうのが得意なの?』

『にゃははは、火輪さん。猫の嗅覚をにゃめてにゃいかい?』

真冬は、自慢げに言うのであった。


『犬なら分かるけど....。猫も凄いのかな?』

『にゃら、コマリさんの家に連れていって欲しいのにゃ。』

そして、コマリの家に向かうのであった。

前に、火輪も来たこ事があったので、転鏡ですぐに着くことが出来たのであった。


『それじゃ、みにゃさん。少し待つのにゃ。』

クンクンクンと辺りを嗅いでは、確認していくのであった。


『やっぱり、コマリさんは、連れ去られたみたいにゃの。コマリさんの匂いのほかに、数人の男の匂いがするのにゃ。』

『へぇー、そんな事も分かるもんなのか?凄いな。他には何か分かるか?』

『他は、今の所にゃにも分からにゃい。

でも、その男たちも相当ヤバい奴にゃの。わざわざ、こんだけ荒らしたのに。

下着をにゃらべるにゃんて。相当の変態にゃの。』

『確かに、何でこんな無駄な事をしたんだ?それにしても、コマリの奴。なかなかエロいの履いてんだな。』


『ヤバタさん、そんにゃに見たらダメにゃの。』

ヤバタは、軽く真冬に叱られていた。


それを横目に、火輪は、俺の方を呆れた顔で見ているのであった。

並べたのが俺だとは、バレないように、平静を装って真冬に話しかけるのであった。


『そうか。そしたら、その匂いを辿れるか?』

『任せてにゃの。』

そして、俺らはコマリの家を出ていくのであった。


外に出てしばらく歩くと、真冬が止まり話しかけて来るのであった。

辺りは、人通りが少ない路地であった。


『ごめんにゃの。おそらく、ここから車に乗って移動しているようにゃの。』

『いや、そんな事はないよ。コマリは、自分で逃げているのではなく、連れ去られている事が分かっただけでも、探す手間が省けたよ。』

『ありがとうにゃの。』

『探す手間?クズには、他にも心当たりがあるのか?』

『いや、一つだけあると思う。ただ、罠の危険があるが...。

アジトへ直接行くしかない。前に、真冬と一緒に言ったことがあるから、場所は分かっているんだ。』

『それなら、向かうか。それしか、ないんだろ。』

ヤバタがそういうと、しばらく沈黙が流れた。


あの組織が、用意周到に、策を仕掛けるのは知っているからだった。


『危険にゃの。相手は、頭が凄くキレるのにゃ。』

真冬が、沈黙を破るのであった。


『方法がないなら、行くしかない。悪いけど、俺は一人でもいくぜ。』

ヤバタは、冷静を装っているが、内心は、それ所ではないのだろう。


『確かに、ここで話合っても、しょうがない。皆、覚悟を決めよう。』

『まっ、そうなるよね。』

『わかったにゃ。』

『そしたら、乗り込むしかないな。火輪、またお願いして良いか?』

『おっけー。それなら、早くいかないとね。行ったことがないから、だいたいの場所になるけどね。』

そうして、また転鏡を使用し移動するのであった。


雑居ビルの前に着くと、皆の緊張が伝わってくるのであった。そして中へ入ると、前と雰囲気が違っていた。話声も、物音ひとつさえ聞こえなかった。


ただただ、静寂が流れているのであった。


『特に、にゃにも感じにゃいの。でも、にゃにか嗅いだことある匂いがするにゃ。』

『一応、前にも来たからじゃないのか。それにしても、静かすぎるな。』

『とりあえず、2Fへ向かおう。』

ところが、2F登ってきても、何も変わりがなかった。いや、前から何もなかったような雰囲気だった。

そのまま、3Fに登り、以前、ボスらしき声が聞こえた部屋を覗いてみた。


しかし、そこも特に変わりがなかった。


『先輩、ほんとにここなの?ただのビルにしか見えないけど。』

『いや、ここのはずなんだが。』

『何処たったかにゃー、この匂い。思い出せにゃいの。』

『匂いの他に何か見つからないかー?』

真冬に声をかけたが、それから何か考えており、聞こえていないようであった。


その時、ヤバタが声を上げたのであった。


『おい。こっちにきてくれ。』

なんと、まぁ親切にも、机の上に分かりやすく、手紙が置いてあったのだ。


ただ、怪しく見えたのは、この雑居ビルには沿わないほど、埃を被らず、真新しかった事だった。

しかし、ヤバタは、躊躇せずに、その手紙を開き、読み始めるのであった。

ビリビリビリっと。



『えぇーと、なになに。

君達が、ここに来ることは分かっていたよ。まず、安心してくれたまえ。そこには、何も仕掛けてもいない。一先ず、お礼を言っておこう。

特に九頭君。君は、思惑通り行動してくれたので、笑いを堪えるのが必至だったよ。こんなに、愉快な気持ちにさせられたのは、いつ以来かな。

ありがとう。

そのお礼もあって、プレゼントを用意したのさ。そこに3枚のチケットを用意した。

出来れば、受け取って欲しい。そこに、求めるものがあるだろう。

来るも来ないも、君達の自由だがな。好きにするがいいさ。

それと、もう一つ、ここで九頭君が捕まってしまうと、私のゲームが潰されてしまうのは、とても残念だ。

しかし、安心してくれ。この手紙を読んでいる頃には、その心配も終わっているであろう。

私が手を回しておいた。後は、今回の私のゲームに参加するか、しないかは各自の判断に任せる。君達が、どう終わらせるか楽しませてもらうよ。』


ヤバタが読み終わり、チケットを渡してくるのであった。


『このボスって、かなりの影響力があるな。仏霊会も安心はできないな。』

『そんな事は、今はどうでもいい。俺は、一人でも参加するぞ。』

『何言ってんの。ここまで来たら、皆で参加するでしょ。』

『あぁ、そこに、コマリがいるはずだからな。』

『はいにゃの。』

そうして、ヤバタの持っているチケットを見るのであった。


チケットは、豪華客船のクルーズであった。

クルーズの日までは、あと5日。

俺たちは、それまでやれる事を考えるのであった。


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