第三十話〜父の夢と決断〜
前回のリア
「この子は篭もりそうだな…食べ物がニュって出てくる部屋に案内しよう…」
今回もゆっくりしていってね!!!
…どのくらいの月日がたっただろう…誰が来ても扉を開けなかった…トイレやお風呂は部屋に完備されてたからよかった。食事は扉の下からニュって出てくる…正直怖いんだが…誕生日も過ぎてしまったのだろうか…でもどうせ父さんのいない誕生日会なんてきっとつまらないのだろう…『お前ならきっといい魔王になれる』…また聞こえた…いい加減に鬱陶しい…まるでとうさ…
そこまで考えてエールは首を振る…この流れを何回繰り返したのだろう…嫌になってくる…
私は一体どうすればいいのだろう…魔王になる?偽勇者に復讐する?それとも…このままこの部屋に篭る…?いつから忘れてたのだろうか…あの親ばかでも一応は魔王なのだ…いつ勇者やその他に殺されてもおかしくないのだ…『お前なら…』
「あ〜鬱陶しい!」
なんだ!?どうすればいいんだ!?魔王になってどうすればいい?父さんは"いい"魔王と言っていたけど勇者に殺されればいいの!?……もう…わけがわからない…世界を一つにする?無理だ。私ごときができるはずがない。意味もなく魔王を憎む者もいれば名誉のため殺しに来る者だっているだろう…そもそも天界にはどうやって行く?空を飛ぶのか?無理だ。異常なまでもの魔力量でなければ天界にたどり着く前に落ちてしまう。そうすればひとたまりもないだろう…
コンコン…
戸を叩く音が聞こえる
「エール様」
…爺やか…
「何で迷っているのかはわかりませんが、今のままでは可能なものが不可能になりますぞ」
…どういうことだろう
「魔王様は私にいつも言っていました。『エールはいっつも俺以外には優しくてものすごい努力家だからいつか世界をいい方向に変えるかもしれない。少なくとも俺はそれを信じてるんだ…』……と」
私はそうなれると思っているのだろうか…
「エール様は忘れているかも知れませんが、最初の冒険者試験、覚えていますか?急遽A級の伝説種のスライムと戦う時がありましたよね?あの時エール様は自信満々に右手を上げました。私は正直勝てないと思っていました…それどころか死んでしまうかもしれないと思うほどでした。しかしエール様、あなたは皆の予想を覆して見事伝説種のスライムを討伐し、A級になりました。そう、不可能を可能にしたのです。ですが今のエール様は自身も何も無い"ただの抜け殻"なのです。この状態ならできるものもできなくなってしまいます。このままでは死んでしまった魔王様も泣いてしまいます!お願いします!どうかもう一度立ち上がってみてください!そして…魔王様の願いを叶えてあげてください………長々と失礼しました。爺やからはもう何もありません。立ち上がるかこのままかはエール様が決めるべきことです。それでは…」
そう言い終わると足音は遠ざかっていく…
「確かに私は忘れていたかもしれない…」
そうポツリと呟く…
「ただ今回の不可能はとてつもなくでかい」
私は確かに何もせずに諦めていたのかもしれない…
「だけど父さんは自分の命を犠牲にして私に夢を託したんだ…!」
しだいに声は大きくなっていく…
「父さんの最後の願い、私が叶えなければいけない!そのためにも!!!」
私は秘刀「冷撃」を手に取る
「まずは優しい魔王になる!!!」
私は決断した。
〝父さんのためにもこの世界を変える。一つにしてやる〟
…と
さあ決断したエールがまずすべきことは!?
次回は午後5:00〜7:00に更新します
次回もゆっくりのんびり楽しみにしててね!!!




