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突然のオファー(8)
行くと、そこには何故か演劇部が全員集まっていた。まあ単純に考えて当たり前か。ステージって言ったらそこで活動している演劇部の人たちの呼び出ししかないだろう。ごくまれに違うかも分からんが。にしても、どうして俺は呼び出されたのだろう? とりあえず、あいさつはしておこう。
「こんにちは」
「あ、成松くん、ひゃ!?」
「あぶなっ!?」
間一髪、いつものように(?)何もない所で転びそうになった先輩の手をぐっと引っ張り、前のめりに倒れそうになることを防いだ。
「だ、大丈夫ですか?」
「うん、えへへ。また助けられちゃったね」
「気にしないでください」
「あらあら、見せつけてくれちゃって~」
ふと、今の状況を見れば、俺は演劇部の人たち全員の前で、先輩を胸に預けるようなポーズをしていた。
「いいわね~綾音」
「お似合い……」
俺たちは互いにぱっと離れ、ゆでダコみたいに顔を真っ赤にした。その様子を見て、部員たちはけらけらと笑った。




