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細やかなプレゼント パートⅡ(2)
おっ、すごいな、中では劇の練習をしていた。衣装も身に纏っていて、雰囲気がとても出ていた。ここに本村先輩がいるってことは、先輩は演劇部ってことなのだろうか? とにかく先輩がいるのかを確認しなければ。俺はちょうどいいタイミングを見計らって近場にいた人に声をかけた。
「すいません」
「あら、どうしました?」
「あの、ここに本村先輩っていらっしゃいますか?」
「ええ、いるわよ。あなた、名前は?」
「はい、成松雄慈郎です」
「成松くん? そう、あなたが。ちょっと待ってて、呼んでくるから」
そう言うと、女の人は向こうのほうへと走っていった。
そして、三分ほど待っていると……本村先輩がやってきた。




