ゼロ
初投稿です。誤字脱字、文が変になってるかもしれませんが、温かい目で読んでください、、、
白く染まった世界の中を、ゆっくりと歩く。
冬の領地は静かだ。
雪に覆われた道も、木々も、すべてが音を吸い込んでいる。
(やっぱり、外はまだ厳しいわね)
吐く息が白く滲む。
屋敷の中は整えたけれど、領地はまだ手付かずだ。
(少しずつでも、見て回らないと)
そう思いながら歩いていた、その時。
「……あれ?」
ふと、足を止める。
本来なら雪で覆われているはずの地面が――そこだけ、不自然に途切れていた。
引き寄せられるように近づく。
一歩、また一歩。
やがて雪が消え、地面が露わになる。
しゃがみ込み、そっと手をかざす。
「……あったかい」
空気が、ほんのりと温かい。
けれど、それだけじゃない。
土の下から、確かに“熱”がある。
「……これ」
前世の記憶が、静かに繋がる。
「……あれ、かもしれない」
確信には届かない。
でも――十分すぎる可能性。
ゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡す。
(…いける)
地形も、水も、条件は揃っている。
胸の奥が、どくん、と大きく鳴り、身体の奥がそわそわしていて落ち着かない。
「……掘れば、出る」
さっきよりも、はっきりと。
言葉が、確信に変わる。
(もし本当に出たら――)
頭の中で、一気に未来が広がる。
湯気の立つ温泉。
人が集まる場所。
笑い声。
行き交う足音。
(領地が、動く)
止まっていたものが、流れ出す。
そして。
「……お父様にも、きっといい」
ぎゅっと、手を握る。
それだけじゃない。
(全部、変えられる)
家も。
領地も。
これから先も。
雪の中にぽっかりと空いたその場所を、まっすぐ見つめる。
まだ何もない。
けれど――
「……当たり、引いたかも」
思わず、笑みがこぼれる。
静かな雪景色の中で、その場所だけが違って見えた。
「よし」
小さく、けれど力強く。
「ここを掘ろう」
その一言で、世界が少しだけ動き出した気がした。




