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淑女として頑張ります  作者: tsuki_☆
1/6

ゼロ

初投稿です。誤字脱字、文が変になってるかもしれませんが、温かい目で読んでください、、、


 白く染まった世界の中を、ゆっくりと歩く。

 冬の領地は静かだ。

 雪に覆われた道も、木々も、すべてが音を吸い込んでいる。


(やっぱり、外はまだ厳しいわね)


 吐く息が白く滲む。

 屋敷の中は整えたけれど、領地はまだ手付かずだ。


(少しずつでも、見て回らないと)


 そう思いながら歩いていた、その時。


「……あれ?」


 ふと、足を止める。


 本来なら雪で覆われているはずの地面が――そこだけ、不自然に途切れていた。

 引き寄せられるように近づく。


 一歩、また一歩。


 やがて雪が消え、地面が露わになる。

 しゃがみ込み、そっと手をかざす。


「……あったかい」


 空気が、ほんのりと温かい。

 けれど、それだけじゃない。

 土の下から、確かに“熱”がある。


「……これ」


 前世の記憶が、静かに繋がる。


「……あれ、かもしれない」


 確信には届かない。

 でも――十分すぎる可能性。

 ゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡す。


(…いける)


 地形も、水も、条件は揃っている。

 胸の奥が、どくん、と大きく鳴り、身体の奥がそわそわしていて落ち着かない。


「……掘れば、出る」


 さっきよりも、はっきりと。

 言葉が、確信に変わる。


(もし本当に出たら――)


 頭の中で、一気に未来が広がる。

 湯気の立つ温泉。

 人が集まる場所。

 笑い声。

 行き交う足音。


(領地が、動く)


 止まっていたものが、流れ出す。

 そして。


「……お父様にも、きっといい」


 ぎゅっと、手を握る。

 それだけじゃない。


(全部、変えられる)


 家も。

 領地も。

 これから先も。


 雪の中にぽっかりと空いたその場所を、まっすぐ見つめる。

 まだ何もない。


 けれど――


「……当たり、引いたかも」


 思わず、笑みがこぼれる。

 静かな雪景色の中で、その場所だけが違って見えた。


「よし」


 小さく、けれど力強く。


「ここを掘ろう」


 その一言で、世界が少しだけ動き出した気がした。

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