表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/132

第21話 斜陽の炎、眠れる焔の門



「ここが……“ラズフェルノの斜陽”……」


ユイたちは、富世 武雄の導きにより、炎と夢の残響が交差する地に降り立った。

空は燃えるような橙、地は夢の残滓が染み込んだ灰。かつて“夢を封じた神々”が、

最後に姿を消したと伝えられる場所――それが“ラズフェルノ”。


「気をつけて。この地は、“夢”そのものを焼き尽くす“斜陽の焔”が吹き荒れている」


武雄の警告と共に、三姉妹――まゆ、みく、かなが周囲を見渡す。


「なんだか、胸の奥が熱くなるような……いや、痛い……」


みくが胸を押さえる。すると、その場に火の竜巻が現れ、渦の中から“焔獣”が咆哮した。


「出たな……“焔の番獣”!この地を守る“夢を焼くもの”!」


ユイはすぐさま風命環を構え、炎に向けて風の防壁を張る。


「ここでは、“風”も“水”も、不完全……。“火の鍵”がなければ、門は開かない」


そのとき、ユイのポーチの中で赤く光るものがあった。

“忘却界層ミラージュ・ノクス”で得た、もう一つの“火の鍵”。


「この鍵……反応してる!この地に、呼ばれてる……!」


ユイが火の鍵を掲げた瞬間、空間が開き、深紅の門が現れる。

門には封印の文字が浮かび上がる――《焔の門》。その下に、うずくまる影のようなものがいた。


「……誰か、倒れてる?」


ユイが近づくと、黒衣に包まれた青年が焔の中で眠っていた。

その額には、“火焔の紋章”が刻まれていた。


「彼は……“焔の継承者”? それとも……?」


その時、空から声が降る。


「お前たちが、“火の意志”を継ぐというのか……?」


――現れたのは、炎に包まれた二つの影。


「久しいな、“鍵の巫女”。我らが夢を焼き尽くす時が来た――」


それは、かつて闇に消えたはずの存在――

**蛇ノじゃのめ 文牙ぶんが** と **蛇ノじゃのめ 文獄ぶんごく**。


「この門の先には、“眠れる焔神”が封じられている。

お前たちが進むには、“焔との契約”が必要だ」


焔を揺らめかせながら、二人の悪の兄弟が姿を現す。

その瞳には、狂気にも似た焔の光が宿っていた。


「さあ、“火の鍵”を差し出せ。もしくは、ここで焼き尽くされろ」


ユイの背中に風命環が震える。


「違う……私は、“焼かれる”ために来たんじゃない。“火を繋ぐ”ために来た!」


ユイが叫ぶと、焔の門がゆっくりと開く。

中から聞こえる、深く眠る声――


(……わたしの名は、“アーク・フラム”。焔の記憶を継ぐ者)


――つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ