34、それぞれの関係性
※R15描写あり、ご注意下さい※
作者はR15相当だと思っていますが、過度な表現と判断された場合は予告なしにこの章はカットします、よろしくお願い致します。
そして深夜、妹だけを残して事前に母から注意されていたディルクとイオは自分の部屋に戻っていった。
ここから先は、女子会となる。とはいえ、二人だけだが。
「ヴィーニルは、母様と同じ十八歳で結婚する予定だったよな?」
既に婚約を済ませている妹は、これから半年間で結婚に向けての準備を済ませ、私達の十九歳の誕生日の直後に結婚式をあげる。
私達の誕生日にあわせて他国からやって来た来賓が、わざわざ二度も足を運ばせないで済むよう、お祝い事をまとめて行うらしい。
城下町では私達の誕生日を皮切りに一週間程お祭り騒ぎが続くらしいが。
「ええ、そのつもりだったのだけど……ぎりぎり間に合わなかったわ」
「相手は五歳年上だったし、よく待ってくれるな」
であれば、二十四歳前後か。男性とはいえ、我が国では晩婚とまではいかなくとも遅い方にあたる。
「そうなの。彼はどうせMだから、問題ないんだけど」
ふふ、と妹は笑う。
「……ん?え?」
私は首を捻る。……M?誰が??
脳裏に、妹の傍に寄り添っていた、屈強な身体付きの騎士の姿が思い浮かぶ。
「試しに一度断ってみたら、涙を流して懇願してきたのよ、可愛いでしょう?」
え?え??
可憐で小さく、可愛い妹がニッコリと微笑む。だがしかし、その唇から紡がれる言葉は明らかに彼女の見た目とは裏腹なものだった。
妹とそっち系の話をしたことがなかったから知らなかったしわからなかったが、どうやらこの子はSだったらしい。
私は今、確実に自分の知らない妹のパンドラの箱を開いた!
「そ、ソウナンダー!!」
ま、まさか妹とあの騎士の関係性がそんなだったとは……!!
目から鱗だ。
二人を見て、大人びた妹をしっかりと支える包容力がありそうとか思っていたのに、真実はドSな妹に翻弄されるドMな五歳年上の騎士の図だったということか。
結婚式でどんな顔して新郎を見ればいいのか……!!
顔を赤くしたり青くしたりする私を見て、妹は笑いながら私に聞いてくる。
「姉様は、調教師の彼に発散して貰っているのよね?」
まさか、妹とこうした話をすることになるなんて。
でも、妹は早熟だったし私の成長を待ってから話してくれたってことなのだろう。
「う、うん」
「あの調教師、姉様に何を言われてもへこたれない精神ですものね、きっと私のパートナーと同じくMですわ」
「なるほど!」
妹による風変わりな発散方法勉強会は、日が変わるまで続いた。
翌朝、狼型で寄り添いながら眠りこけていた私達はメイド達にも起こされず、母様が「ごーはんーだよー!!」と言いながら乱入してくるまで、幸せな夢を貪っていた。
***
夜、私はこっそり部屋を抜け出してエーベルの家にお邪魔していた。毎日しっかり胸を揉まないと、また小さくなってしまうかもしれないからだ!
昨日はパジャマパーティーでエーベルに揉んで貰えなかったから、ちょっと恐怖を感じる。
エーベルは、昨日は調査隊の皆に誘われ、お疲れ会に参加したらしい。
猛獣調教師は、生き物を相手にする為、基本的に休みはない。
一週間は休んで良いとドゥランテから言われたようだが、猛獣大好き仕事人間のエーベルは今日も猛獣達の様子を見に行ったらしい。
「……どぉ?昨日揉んで貰えなかった分、小さくなったかな?」
私が恐る恐る聞くと、「かろうじてまだ大丈夫なようですね。今日からまた、しっかりと丁寧に捏ね捏ね致しましょうね」と言われてホッと安堵する。
「では、服を脱いでお座り下さい」
「疲れているのにごめんね、エーベル」
エーベルの負担になるとわかっていながら、私は上半身裸になってベッドの縁に座った。
「……いえ、むしろ私がすみませんヴァーリア様。しかし本当に、豊胸の為に色々勉強致しましたのでお許し下さい」
「うん、勿論。私の為にありがとう~」
何故かエーベルが謝ってくるので、とりあえずお礼を言っておく。
「では失礼致しますね」
「んっ……」
エーベルが私の真後ろに座り、両手を脇の下から通して胸を育てるマッサージを始めた。
いつもこれをされると、発情期でもないのに胸がドキドキする。きっと、マッサージが本当に効いている証拠だと思う。
「ところでエーベルって……」
「はい」
「猛獣じゃなくて、人間を縛り上げる……為の、縄とかって、持ってたり……する?」
「……はい?」
「妹が、エーベルに、それを……、……すれば、喜ぶかも、って……」
「……ヴァーリア様、ええと……私には縛り上げられて喜ぶ性癖はございません」
「えっ!?そうなの?」
「はい、私はどちらかと言うと、ヴァーリア様を縛り上げてアンアン言わせて啼かせたい方ですね」
「えと、じゃあ、身体を縛り上げられて、元気になった下半身を踏みつけられるのとかはどう思う?」
後ろでエーベルが息を飲む。
想像して、興奮したのか?
「あとは……そうだ、蝋燭の蝋を垂らしてあげてって」
「……」
エーベルが黙った。手も止まったので、ちら、と後ろを見れば、エーベルは私の肩に頭を乗せ、項垂れている。
「どうした?エーベル」
「ヴィーニル殿下は、ヴァーリア様にとんでもないことを吹き込みますね……!!」
「え?とんでもないことなのか?」
エーベル、口調が震えてるけど笑ってる?泣いてる?怒ってる?
「まぁ、人の趣味には口を挟みませんが……残念ながら、私はそれをされても喜びません」
「そっかぁー」
良い情報を仕入れたと思ったのに、役に立たないらしくてがっかりだ。
狼型だったら耳と尻尾が垂れ下がっただろう。
「私は、ヴァーリア様を縛り上げて動けなくして、そのまま後ろからガンガン突っ込んでお尻叩いて首噛んで、ヴァーリア様の身体に私が番の雄であることを教え込む方が私好みですが、ヴァーリア様は如何ですか?」
「……」
私はそれを想像して顔を赤くした。
けれども、想像だけで身体は熱くなり、自分が興奮したことを認識してしまう。
Mなのは、エーベルじゃなくて私だった!




