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ソラノつぶやき Colors  作者: 空野 翔


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13/13

白

白は何もない色だと思っていた


でも白い紙を前にすると、なぜか緊張する

何もないのに何かがそこにある


白は始まりの色だ


真っ白なノートの、最初のページを開くとき

ペンを持つ手が少し迷う


汚したくない気持ちと

早く書き始めたい気持ちがぶつかる


白衣を着た人は信頼できる気がする

理由は分からないけれど

白がそう思わせる


雪が白いのは、光をぜんぶ

跳ね返しているからだと知ったとき

白が少し強い色に見えた


受け取るんじゃなくて全部返している


白旗は降伏の印だというのに

白いウェディングドレスは始まりの印だ


同じ白なのにずいぶん違う


白は何色でも受け入れる

混ぜた色が白を染めていく


それでもまた白に戻れる気がして

白はいつでも

また始められる色だ


冬の朝

一面の雪を見てきれいと思うのは

世界がいちど、白紙に戻ったような

そういう感覚があるからかもしれない


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