第26話 離れ離れ
「おかあさま、大丈夫??」
リリア様が、よしよしとお母様をなでている。
「……大丈夫よ、リリア。お母さん、とっても嬉しいの。悲しくて泣いているんじゃないわ」
リリア様は、理解したのか、なでるのをやめた。
そして、
「……これも、あげる」
リリア様は、花束を差し出した。
私の知らない花束だ。
そんな花束、用意した覚えはない。
ーーリリア様のお母様の顔が強張った。
「リリア、このお花、どこにあったの?」
「おにわ」
そばに控えていた執事が、サッと花束を払った。
気づけば、周囲がざわめいていた。
………あの花は。
誰かが青ざめた顔で呟いた。
「毒の花、よ」
「この庭の管理人は誰だ!!」
ビニールハウスで会った、管理人がつれてこられた。
「この花が、庭にあるのは、どういうことだ??」
執事が管理人に尋ねる。
「い、いえ……、あのぅ……」
しどろもどろになっている管理人は、辺りをきょろきょろ見渡し、ふと私と目が合った。
「あ、あの女です!あの女が、姫様の為とかいって、この花を植えさせたのです!!」
「そんな、誤解です!!!」
私は叫んだ。
「カーネーションを選ぶふりをして、私に近づいたのです!!」
「そうなの、アンナ!?」
ジーナが悲痛な声をあげた。
ーー連れていけ!!
いつの間にか現れた、兵士に両腕を捕まれる。
「ち、ちが……! あ、アン……ナ!」
リリア様が、必死に言葉を紡ごうとしていた。
リリア様っ!!!
ーー私は、リリア様と離れ離れになってしまったんだ。




