第14話 変われるチャンス
ーーなんてことだろう。
リリア様の話を聞いて、胸がギュッとなった。
今まで、お母様のお手紙通りに、私達がお世話をしてきた。
今のリリア様が、自分で服を決められるはずがない。
どうしたらーー。
私は、泣いているリリア様を撫でながら考える。
ーーでも、これは、変われるチャンスかもしれないわーー
「リリア様、アンナと練習しませんか?」
「れんしゅう?」
涙にぬれた顔のまま、リリア様が首をかしげた。
「そうです、れんしゅうです。」
「アンナと一緒に、お人形さんの服を選んでみましょう。」
「……わかった……」
早速、リリア様がお友達と遊んでいたお人形を用意する。
「では、リリア様。この子に、この中から服を選んであげましょう。」
ズラリとお人形の服を床に並べる。
フリルのたくさんついたドレス、シンプルなドレス、花柄のドレス…。色とりどりの服が並んでいる。
「……わからないわ。」
リリア様は、本当に困った様子でつぶやいた。
ーー「ママ、今日はこのワンピース!」
小さな咲香が胸を張っていた。
あの頃の私は、忙しさを理由に
「こっちにしなさい」と取り上げたっけ。
咲香は、なんでも自分で決める子だった。
頼もしいと思うより、私は生意気だと思ってしまっていた。
でも、自分で決められることは、当たり前じゃなかったんだ。
ーー咲香、ごめんね。
心の中で、小さな咲香に謝った。




