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第12話 幸せな毎日


「よう、アンちゃん!」


「アンちゃんじゃなくて、アンナです! ア・ン・ナ!」


「こわいねえ、リリア様〜」


クスクス、とリリア様が笑った。



「リリア様〜、アンちゃんに言っておくれよ〜。もっと優しくしてーってな」


あの出来事の後、料理長とよく話すようになっていた。最初はおっかない人だと思っていたけど、実は、気さくな人だったのだ。


そして、孫娘を見るかのように、料理長はリリア様に甘々になった。


「リリア様〜、食べたい物があったら、遠慮なく言ってくれよな!」


「う、うん……」


少し迷ってから、リリア様が私の袖をつかんだ。


「……アンナ」

「おともだちが来るの。クッキー……あったら、うれしい」


「任せておきな!!」



リクエストが嬉しかったのか、料理長は、満面の笑みで厨房に帰っていった。



最近のリリア様は、目に見えて、表情が変わってきた。


偏食も克服し、痩せすぎだった身体つきも、少しずつ健康的になっていた。



嬉しいことに、私にすっかり懐いてくれて、私の後をよくついてくるのだ。


小さな手で私の袖をつかみ、リリア様は当然のようについてくる。


ーーああ、かわいい。


私は、その幸せに浮かれていた。



ーーーでも、そんな時に、事件は起きた。

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