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055話 【前の世界線】トモリン、暴れるドラゴンを鎮める

 帝国歴301年5月。

 大陸西部にある巨峰ドラゴン連山のうちの一つ、南ドラゴン山が、突然大きな噴煙を上げて噴火した。


 止むことのない火砕流が東南方向へと流れ続け、山の斜面を崩し、時折北へと流れを分岐させながら、近隣の森を焼き尽くす。

 南ドラゴン山の東部は火の海となり、周辺では大小さまざまな噴石が飛び交い、灰が降る。


 ドラゴン連山に近いモンバートの町の領主、ブルクハルト・ダスティは、噴火による爆音と、何度も地面を大きく揺らす地震とで気が動転していた。

 幸い、風向きと、今回新たに発生した噴火口の位置との関係により、この町にまで噴石は飛んではこなかった。


「ブルクハルト様! ふもとにある町からの報告です!」


 ささやき鳥を抱え、急いで執務室へと駆け込む執事。


「あれ? ブルクハルト様!? どちらへ?」


「ここだ、ここ!」


 ブルクハルトは執務机の下に潜り込んで頭を抱えていた。


「そこにおられましたか。それでは、再生しますので」


 執務机の陰から上げられた手を見て、執事はささやき鳥の再生を開始する。

 このような事態なのだ。緊急報告しかないとわかっているから、体裁など気にしてはいられない。


『ワルトーだ。南ドラゴン山が噴火した。ごほっ! 周りは一面火の海だ。私が代官を務める村々は、もう、手遅れだ。げほっ! すまぬ煙がひどくてな……。バキッ! おおう! 石が降ってきたぞ! ああ、屋根に穴が……。この町にも火の手が回り始めている! 至急救援を! ワルトー様! お逃げください! お屋敷が燃えております!』


 ワルトーはブルクハルトの叔父で、モンバートよりも西の小さな町で代官をしている。そこは大きな被害を受けているようで、最後の方はワルトーに避難を呼びかける声が混ざっていた。


「ワルトーからの救援要請か。ワシはどうすればいいのだ?」


 ゴソゴソと執務机の下から出てきたブルクハルト。


「ここモンバートは、被害を受けておりませぬ。こちらに避難して頂くのはいかがでしょう?」


「もちろん、ワルトーはそうする。領民はどうしたものか」


 この世界線において、ブルクハルトの息子ダミアンはトモリンによる改心はなされておらず、その結果、ダミアンには他人を改心させる説法の能力は身についていない。だから、ブルクハルトも改心はしていない。


「モンバートで受け入れるのがよろしいかと。数に限りはありますが、今の報告では、生き残った者もそれほど多くはない感じがします」


「ええい! 町の民はモンバートで受け入れる。村の民については、北に未開拓の土地があっただろう? 生き残りはそこに集めろ。そしてそこを開拓させるのだ。そうすれば租税の足しにもなろう」


 ブルクハルトは下々の村人の存在など、なんとも思っていない。

 しかし、そこから上がってくる租税は気にしていた。

 村人が減れば、ランキング(序列)に直接影響する。それでも、下賤な村人を領都に入れるなど、貴族の矜持が許さない。


「ブルクハルト様、それでは雨露をしのげません。それに食料も……」


 不気味な笑みを浮かべ、ずいぶん先のことを言うブルクハルトに対し、執事はもう少し目先のことを進言した。


「未開拓地だ。木があれば雨ぐらいしのげる。食い物になる動物や草も、どれだけでも手に入るだろう?」


 村人は租税さえ納めればよい。最低限の安全は衛兵の見回りで確保する。それ以外は関わらない。

 それがブルクハルトのこれまでの方針だった。


「そうですか……。では、そのように手配致します」


「町は、ワルトーの町は全力で修復するのだ。リゴウ要塞に駐屯している軍を呼び戻して当たらせろ。わかったな?」


「リゴウ要塞の駐屯軍は、帝国からの要請です。めいもなく動かしても良いのですか?」


「我が軍だ。我が領地のために使わずして、なんとする? それに、南のビノラ王国は長期にわたる日照りの被害に遭っていると聞く。だから向こうから攻めてくることなどなかろう? 来もせぬ敵に備えて部隊を置いておく必要など、ないだろうが」


「そうですか……。では、そのように手配致します」


 この対応を不満に思い、わざと先ほどと同じ返事をして出て行った執事。

 そんなことにも気づかず、ブルクハルトは、租税の減少の計算をしだした。


「ワルトーの町よりも西の村が全滅だとすると……、ああ、どうしたものか! これでは来年の上級貴族への昇格がなくなってしまう!」


 本来であれば、あと一年、例年通りの税金を帝国に納めれば、上級貴族に昇格することが決まっていた。


「領内の税率を、どれだけ上げれば、元の水準に……」


「ブルクハルト様、緊急報告です」


 皮算用に没頭していると、新たな報告が上がってきた。

 再び、執事がささやき鳥を抱えて入ってきたのだ。


「またワルトーか?」


 南ドラゴン山に最も近いのがワルトーの町で、そこが全壊したわけではないので、他の町ではそれほど被害は出ていないだろうと高をくくっている。だから、ワルトーからの続報だと考えた。


「いいえ。今度は違う町からの報告です」


「いいから再生しろ!」


『ブルクハルト兄さん! 助けてくれ! ドラゴンが! ドラゴンが暴れている! 奴らは狂っている! 言葉など通じない。それに南は火の海、ここはドラゴンの踏み台だ! とにかく、今すぐ助けてくれ! ぎゃー!』


 ブルクハルトの弟が代官を務める町からの緊急連絡だった。ワルトーの町よりも北にあり、火災の影響はまだないようだが、町の中で理性を失ったドラゴンが暴れているとのことだった。


「ドラゴンが暴れておるだと? 一体、どういうことだ?」


「おそらくですが、ドラゴンも突然の噴火に驚いたのではないでしょうか? 山の斜面にはドラゴンの棲み処も多く、そこを焼かれて正気を失うほどに怒っているのではないでしょうか?」


 興奮して動揺しているブルクハルトに対し、執事は落ち着いており、頭が回っている。


「そ、そうか。弟が、弟が危ない! リゴウ要塞の軍隊の残りを、すべてそちらに回せ! お前のことだ。どうせ、まだ残しておいたのだろう?」


「ブルクハルト様、たしかに一部隊、要塞に残しておりますが、それを動かしては、完全撤退になります。よろしいのですか?」


 いやらしい笑みを浮かべて言うブルクハルトに対し、執事はたじろぎもしないで問い返した。


「回せと言ったら、回せ! 弟の緊急事態なのだ。でも、ドラゴンと戦うのではないぞ。弟を救出したら、ドラゴンが沈静化するまで軍を潜ませるのだ。正気に戻ったドラゴンが山に戻るまで待って、町の復興に当たらせろ!」


 ブルクハルトの頭の中での優先順位は、親族の命が一番で、次は税収の確保だ。町民の避難など、基本的に考えてはいない。


「被災した町の民は、モンバートで受け入れます。よろしいですか?」


「好きにしろ!」


「出来る限り、善処意致します」


 執事は執務室を出る。

 あえて近隣の村人のことについては尋ねなかった。

 先ほどと同じ答えが予想されたからだ。


「さて、モンバートの町の中央広場を埋め尽くしても、入り切るか、わかりませんな……」


 どれだけの住民が生き残っているのかはわからない。

 もしもドラゴンがすぐに鎮静化すれば、ここまで避難させなくても済むかもしれない。そう前向きに考えて、与えられた仕事をこなすことにした。



 噴火発生から五日後。

 モンバートの町の中央広場や大通りは、避難してきた町の民であふれていた。


「ブルクハルト様。戦時用の備蓄を被災した町の民に回しておりますが、十日程度しかもたない見込みです」


 備蓄は腐る物があるので定期的に入れ替えている。

 しかし、最近この町近郊では物価が高く、なかなか思うように物資を買い込むことができないでいた。


「我が家の備蓄を下賤な町の民にくれてやっておるのか! ダメだダメだ! パンの一欠けらも渡してはならぬ!」


「そうですか……。では、そのように致します」


 説明もなく、突然配給を停止された避難民。

 すぐに飢えを訴え始め、ついには略奪行為を始めるようになった。


「ブルクハルト様。町の中で避難民が暴れており、大混乱でございます」


「なに!? 暴れておるだと? 捕まえて死刑だ! ……いや、殺すと税収が減るな。暴れる者は町の外へ追放し、二度と入れるな!」


 ブルクハルトの命令によって、多くの避難民はモンバートの町から追放された。

 追い出された避難民たちは、行く当てもなく彷徨さまよい、草を食べ、ネズミを食べ……。

 とうとう帝国に愛想をつかして国外への亡命を目指すようになった。


挿絵(By みてみん)


 南の国境沿いにあるリゴウ要塞。そこを越えれば隣国ビノラ王国だ。

 大挙して押し寄せた民衆に、リゴウ要塞の司令官は事情徴収を行った。


 本来であれば通行税も払わずにここを通すことはないのだが、先日のブルクハルトによる無断の全部隊撤退を目の当たりにしていた司令官は、ブルクハルトの領地の民が逃亡するのであれば、自業自得であろうと思い、通行税を取らず、そのまま通過させた。


 民衆はその先にあるビノラ王国側の関所も通過でき、晴れて国外逃亡が成立した。


 難民となった民衆。しかし、そこで待っていたのは、厳しい現実だった。


 道端に生える草さえも枯れる、日照りの毎日。

 ビノラ王国における日照りの被害の情報は、ブルクハルトなど、上層部には行き渡っていたが、領都から離れた町の民衆にまでは伝わっていなかった。

 せめて、モンバートの町でうまくいっていれば、そこで行商人などから噂話ぐらいは聞くことができたかもしれなかったのだが。


 民衆は絶望した。「女神様は、我々を見捨てるのか」と。

 そして女神に直談判すべく、進路を東の聖ファサラン国へと向けた。もちろん、そこに女神はいない。それでも、聖地に行けば願いが女神に届くと信じて……。


  ★  ★  ★


 時は二か月ほど遡り、帝国歴301年3月。

 冬休みも終わり、トモリン、ミーサ、エマの三人は晴れて二年生へと進級していた。


「留年はなんとか免れたな!」


 貴族のメンツに関わる事なので、学園の方針としては通常は留年などさせないのだが、留年という制度がある以上、可能性がないわけではない。

 留年しないように苦労したのは、この三人よりも、むしろ先生たちのほうだったということは、三人の知り得ぬことだ。


 二年生の授業は、魔法の伝授から始まる。

 三人は既に伝授が済んでいるので、禁断の間でココナに挨拶する程度で終了した。

 その後の魔法の授業で。


「今日の授業では、お前らの魔法の実力を調べる。得意な属性の魔法で、あの的を破壊しろ! 手を抜くなよ! 全力でやれ!」


「愚民どもよ。このダミアンが、見本を見せてやろうではないか!」


 先生の出したぶっきらぼうな指示に、一番乗りでダミアンが的に向かった。


「チャラ男、はりきってるね!」


 今、ミーサとエマは、ここにはいない。魔法を使えない二人は選択制の剣術の授業を選んだからだ。


「強大な力を秘める大地よ。固く尖りて彼の者を突き刺したまえ。ソイルピアス!」


 ダミアンが魔法を唱えると、的の前の地面が盛り上がり、腕の太さぐらいの土の塊が尖って伸びるように飛び出し、的の左下を貫通した。


「おお! 第二階級の魔法!」


 取り巻きたちが囃し立てる。


「どうだ! これが俺の実力。超えられる者などおるまい」


 髪を弾くようにしてキメポーズをするダミアン。


 その後、何人もの生徒が魔法を発動したが、第一階級か、発動失敗かのどちらかだった。


「私の番だね? 全力でいけばいいんだよね?」


 トモリンの番がやってきた。木の杖をミニチュアにしたようなスティックを手に握り、


「いっくよー! そこの根っこさん、ばびゅっと伸びて、的の真ん中を、ずばばっと突き刺して!」


 全力で魔法を発動した。


 どばーんと土が盛り上がり、その中から極太の根が立ち上がる。そして後ろにしなって溜めを作ってから一気に伸びて、的を粉々にした。


「的の中心に当たったのかなあ?」


 粉々になったため、それはよくわからなかった。

 中心に当てれば高得点に違いない、そうトモリンは思っていた。

 実際は魔法の規模も測定されているのだが、そのことについては考えもしていなかった。


「が、あ、あ、あれ、あれは、なんだ……」


 腰を抜かして地面に座り込むダミアン。少しお漏らしをしている。

 鼻水を垂らし、震えるようにトモリンのほうを指差す。


「大きな魔法だが、先生の知らない魔法だな。採点対象外だ。次!」


 見なかったことにする先生。


 この日以降、ダミアンはトモリンたちに関わるどころか、むしろ避けるようになった。



 帝国歴301年5月。


「噂では、今頃、上級貴族クラスは野外演習に行っているらしいぞ」


 野外演習では互いに顔を合わさないように、上級貴族クラスと下級貴族クラスとで日程をずらしてある。

 もちろん、魔法伝授の日程もずらしてあった。

 何事も先行するのは上級貴族クラスだ。


「野外演習は、いろいろ素材が拾えて有意義」


「エマちゃん、靴を変えてから、アウトドア派にイメチェンだね!」


「あー! 私も早く行きたいぞ!」


 算数の授業中のおしゃべりであった。


 ドーン!

 突然の、床を突き上げるような揺れ。それから少し遅れてガタガタガタと建物が振動する。


「地震か!?」


「地震。大きめ」


 この世界では机の下に隠れるとか、そういう訓練はないので、皆、普通にしている。トモリンだけ、前世の知識で机の下に隠れていた。


「トモリンは臆病だなあ」


「あれ? 地震が来たら机の下に隠れるんじゃないの?」


 幸い、学園に被害はなく、その日の授業は通常通り行われた。


 翌日になって、ドラゴン連山が噴火したとの情報が入ってきた。昨日の地震は、それが原因らしい。


「ドラゴン連山って、この間観光した場所だよな?」


「ドラゴンさん、大丈夫だったかなあ?」


「まだ噴火は収まっていない。見に行くのは危険」


 ドラゴン連山に行こうと思えば、ココナの魔法で行くことができる。でも、今はまだ噴煙が上がっていて、近づくのは危険だ。


「噴火が落ち着いたら見に行こうか」


 そんな結論に至った。


 さらに四日経つと。


「おい、モンバートの北西の町で、ドラゴンが暴れて町を破壊しているって話だ。噂では理性を失っているらしい」


「ドラゴンさん、暴れるような感じじゃなかったのにね」


「それよりも、暴れているドラゴンを止められるのは、トモリンしかいない」


 エマがトモリンを強い視線で見る。


「そうだよな! 暴れているなら止めに行かないといけないよな! なんだっけ? 滑る者だっけ?」


「滑ったのはミーサ」


 ドラゴン族を統べる者トモリン。決して滑るわけではない。


「町の人が危ないよね? 今すぐ行かなきゃ!」


 事の次第をようやく理解できたトモリン。

 三人は講義室を抜け出してココナを呼び、モンバートの町へと転移した。


「着替える暇がなかったな!」


 急いでいたので学園の制服のまま来てしまったが、そんなことはどうでもいい。靴だけを履き替え、街道を頼りに北西へと向かう。


「山からは噴煙が凄い勢いで上がっているな」


「ここから西は、火事になっている」


「噴火したのは、南ドラゴン山だね? 長老さんの棲み処のある所だよ? 怪我してないかな?」


 長老の棲み処は南ドラゴン山にあった。今、その周辺には火砕流が流れたような跡がついている。

 そして、麓の森は広範囲に渡って燃えていることがわかる。


「そんなことより、町の救援が先だ! 急ごう!」


 そのまま北西に進む三人。


「あれだ! あそこにドラゴンがいるぞ!」


 噂になっていた町に到着すると、その中では三体のドラゴンが火炎を吐いたり、尻尾を振るったり。時には建物に噛みついたりして町を破壊していた。


「どうして、あんな酷いことをするの?」


「トモリン、早く止めて!」


「そこで暴れるドラゴンさん! 今すぐおとなしくなって!」


 トモリンは聖杯を取り出し、高く掲げて命令した。

 すると、三体のドラゴンの動きがピタっと止まった。

 そして、トモリンのほうを見る。


「わわわっ! 捕捉されたぞ!?」


 恐れてトモリンの背中に隠れるミーサとエマ。


 ドラゴンたちは、ふわりと浮かんでトモリンの近くに舞い降りる。


『我は、今まで一体何を……』


「正気に戻ったんだね? 良かった。町のみんなに謝って!」


『町の人族よ。混乱して我を見失っていたとはいえ、悪いことをした』


 ドラゴン三体は、それぞれ別の方向を向き、謝罪した。


「謝って済むことじゃあ、ないけどな……」


 これはツッコミというより、切実な事実だ。


「謝ったら、棲み処に戻って!」


『それはできない。もう、棲み処がなくなったのだ。だから家を壊した人族に財宝を分け与えることもできない』


 ドラゴンには財宝を集める趣味があり、棲み処には大なり小なり財宝を持っているものだ。それが、今回の噴火で失われた。


「ああ、貧乏生活は共感できるぞ!」


 ずれた所にシンパシーを感じるミーサ。


「棲み処がなくなったのなら、別の山に行けばいいよ」


『別の山……。統べる者の命とあらば、従うしかあるまい……』


 三体のドラゴンは、新しい棲み処を求めて、北の空へと飛び立った。


 トモリンは考えが浅かった。

 わざわざドラゴンの領域として不可侵領域を設けている現実を鑑みれば、これからドラゴンが占領する山で、先住民との熾烈な戦いが始まることは明白だった……。


 そんなことは露とも知らず、


「一件落着だな!」


「授業抜け出しちゃってるし、早く帰ろう!」


 ドラゴンの長老の心配はどこへやら。

 三人は学園へと転移したのだった。


 これでこの町周辺における、ドラゴンの騒動は収まった。


 その一部始終を遠巻きで見ている者がいた。

 まず一人目は、たまたまこの町に修行に来ていたファサラン教会の神官だ。


「ドラゴンを統べる者……。もしやあれは、伝説の聖杯!? これは歴史に残る大事件だ! 本部に報告に戻らねば!」


 ここで言う本部とは、聖ファサラン国にあるファサラン教総本部のことだ。

 この者により、トモリンたちの情報が聖ファサラン国へともたらされることになる。


 また、ドラゴンが正気に戻るまでじっと隠れて様子を見ていたダスティ家の私軍も、ことの一部始終を目撃していた。


「ド、ドラゴンを鎮静化したどころか、退去するよう命令までしていたではないか! これは、えらいことですぞ!」


 ドラゴンに命令できる人間がいる。部隊を率いていた隊長は、前代未聞の出来事に、取り急ぎ領都へと連絡を送るのであった。

 なお、この部隊は、予定通りそのままこの町の修復作業に取りかかった。


 一連の噴火災害でダミアンのダスティ家は資金が底をつき、帝国に対し、再三の救援要請を行った。

 しかし、それはすべて却下され、一族総出で修復作業にあたることとなる。


 国境のリゴウ要塞の守軍すべてをダスティ家の領内の修復作業にあてており、リゴウ要塞の守備は手薄なまま時が過ぎて行く……。

なっしんぐ☆です。

今話で遂に、物語の中心となっている世界線の時間を追い越しました。

以降もこのまま【前の世界線】において、帝国滅亡に向かって話を進めていきます。

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