80話 完全無欠だった警護システム
久々に登場のあの方。忘れてた訳じゃないですよ〜d(゜ω゜)
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大きな門の前に到着した。ようやく声が聞こえたので応対する事にする。
「すいません。ラストラ・シャフトさんのご両親にお会いしたく参りました。」
「お嬢様の……本日ご予約はありますか?」
「予約?してません。」
「そうですか。それでは予約をしに来たで宜しいでしょうか?」
「すぐに会えないのでしたら。」
「そうなりますと…………再来月の15日後でありましたら、空きがございますよ。いかがいたしますか?」
どこからか聞こえてくる声を皆んな聞いていた。
「長いわね。」
「長いですね。」
「長いっすね。」
「帰りましょう。」
「あ、すぐに会う方法もありますよ?」
「「「「あるのか!」」」」
女性陣が揃って突っ込む。そもそもに娘が会いに来ているのに、2ヶ月以上も先ってありえるのか?この世界は変わっているな。
「それはどんな方法なんですか?」
「ほほ。簡単です。その門を通って屋敷にたどり着く事です。」
「そんだけ?」
「はい。それだけでございます。無事にたどり着く事が出来れば、お会いするのが旦那様の条件です。」
なんだ簡単な方法があるじゃないか。そして門が開き、中へ入れるようになった。
「それじゃ、皆んなで行こ……」
―チュゥゥン!ジュゥ……
「……ん?」
よそ見をしていたけど、何かが飛んできたので反射的に足を戻した。
「何もしないとは言ってませんよ?」
「あ、思い出したっす。」
「何を思い出したのラストラ?」
「結構前に屋敷に無理矢理侵入しようとする人がいて、困ってるから何とかならないか言われたっす。」
「ふむ。それで?」
「撃退システムを作って両親にプレゼントしたっす。」
撃退システムって物騒な名前だな、おい。
「なんだ攻撃を避けるだけか。簡単そうで良かったよ。」
「ふっふっふ。シノブさんは舐めすぎっす。」
「突然変な笑い方してどうしたの?」
馬から降りて仁王立ちのラストラ。どこからか眼鏡を取り出してかける。そしてこれまたどこから出したのか、白衣を羽織る。いつもの研究スタイルである。
「ここの撃退システムは僕が作ったのよ。」
「それで舐めすぎって言ったのか。」
「そう。両親から貰った手紙には、未だに破られていない。連勝記録を更新中と……。」
「連勝ってそんなに物騒なのここ?」
「王都の貴族は何かと大変だと聞いています。だから私は離れた街で暮らしていたんですから。」
まぁそれは大変だけど。でもラストラなら他に方法があっただろうに。
「それなら転移の魔法陣作れば良いじゃないか。あれがあればそんな物騒なこと無いでしょう?」
「分かってませんね。王都と言う防衛が信用出来ないからに決まってます。それに転移魔法は古代魔法の一つ、おいそれと使っていては国王に目をつけられます。」
え?そうなの?戦闘の時なんか、ちょいちょい使ってるな……王都に入ったら僕も気をつけよう。
「それに家族にシステム甘くすると僕の部屋に入ってくるし、掃除といって母様は荒らしていくから。」
「そっちが目的だった?」
「……とにかくです!私の自信作とシノブさんどっちが凄いか勝負です!」
「なんか話が微妙にずれている気がするんだけど。」
妙に自信満々なラストラに、やってみようとしたら止められた。
「シノブさん。これ私が先にやってもいいわよね?」
「え?僕は別にいつでもいいけど。ラストラはどう思う?」
「別に挑戦するのは構いませんが。怪我したら、僕のところに戻って来てくれるなら。」
「ラストラがここまで自信満々に言うじゃない?それなら是非挑んでみたくなるわ。」
「念のための防御結界かけた方がいい?」
「必要ないわ!だって……」
―ボゥ!
「躱せばいいのよね!」
そう言ってレブルは剣を抜き、真正面から門を駆け抜ける。
―チュゥゥン!ジュゥ……
レブルに反応したシステムがさっきの攻撃をする。しかし足跡が残るだけでレブルはもうそこにはいない。
「今度はちゃんと見ていたけど、あれは光属性の魔法?」
「そう……って見えるの?」
「見えるけど?速度はそれなりにあるけど、威力はそこまで高くはしてないんだね。」
「それはそうですよ。警護システムであって、それで人を殺すような事はしません。じゃなくて!」
「どうしたのさ。」
「シノブさん!光の速度知ってますか?それを目で追うなんて事は普通できないんですよ?」
光の速度って地球を何周するっていうあれか。しかし僕は学生であって、学者じゃない。
「とにかく速い!それが光速。実際は魔法自体を目で追っているんじゃなくて、魔力の流れを見ている感じだね。どういう仕組みかは知らないけど。攻撃が来る前に魔力が集まる箇所があるから。」
「魔力を感じ取って、軌道を察知して回避するために動く。それならあの攻撃も……」
「言っておくけどラストラ。私はあんなの見えないし感じる事ができても、回避とか不可能よ。」
「やっぱり?そうだよね。」
ラストラとエストが納得したようにウンウン頷いている。
「よそ見していると終わっちゃうよ?もう半分超えているし。」
「え!?」
門から真っ直ぐ走り出したレブルは、もう半分を超えて屋敷前まであと少し。
―チュゥゥン!ジュ。チュゥゥン!ジュ。
「もうレブルを追えていないよね。」
「普通の人から言わせて貰うとですが、人族ってあんな動きできませんから。本来はあの光魔法で十分なはずなんです。」
「何言ってるのラストラ。レブルは人間族だよ?」
「僕は普通の人って言ったんです。」
―ボォゥ……キン。
レブルが屋敷の扉前に到着した。手を振るレブルに、手を振り返して答える。さて次は……
「私の番ですね!先に行っていいでしょうか師匠!」
「あーうん。何か策があるのかな?」
「あります!見ていて下さい!」
門の前に立つセロー。なんかのアトラクションの順番待ちようだ。
―ザザザザブン。
セローの周りに4つの水玉が浮かぶ。
「行きます!」
「あの水玉……そうか。そういう事か。」
「何が分かったの?」
「見た方が早いよ。ほら。」
―チュゥゥン!キラッ、チュゥゥン!
「光が逸れた!?」
「そういう事。あれはセローが弟子になったばかり時かな。円盤で光魔法を使った事があってね。」
「シノブさん……光魔法も使うの?」
「あれで使えるって言うのかな?まぁ時間がかかるからそんなに使わない。それはいいとして。あれは水による屈折を使った円盤、レンぞのような役割をしているって事だよ。」
「まさかこんな簡単に破られるなんて……しかも1日に2回も。」
がっくり膝を地面につけて、落ち込むラストラ。それを励ますアマン。
「気をしっかり持て。まだシノブが残ってるぞ。」
「そうでした…………3人でしたね。」
「僕がもうクリアしている前提?」
「速さでも魔法でも、シノブさんならどちらでもクリアできますよね?」
「2人があれを見せてくれたから、僕はもっと違う方法にしようと思っていたんだけど。」
「もしかしたら、シノブさんでもなんて事が!?」
ラストラの考えに対して、僕以外の人は首を振る仲間達。
「ゴールです!」
「凄いわね。セローならではの攻略方法ね。」
「えへへ。レブルも凄かったです。途中ブレて見えなかったりしました。」
「ふふ。ありがとう。」
さぁ最後は僕だね!速さ、技術できたからにはこれしかない。
「アイさん。防御力を限界まで上げるよ。」
『お任せ下さい。マッスルレインフォース!ダイヤモンドアーマー!』
「うん。いい感じだ。前より魔力も上がって、これならそのまま行っても大丈夫かな。」
「え!?そんなゆっくり歩いていたら!」
―チュゥゥン、ドォォン!
僕に向かって発射された光魔法。僕はそれをあえて動かずダメージを受けて、自分の耐久値を確認する。
「シノブさん!?」
「うん。やっぱりこんなもんだよね。せっかくだからゆっくり門を歩いて検証しよう。」
―チュゥゥン!ドォォン!
―チュゥゥン!ドォォン!
しばらく歩いて何事もなくレブル達と合流。
「うん。耐えられたね。」
「それが出来るのは、シノブさんだけよ。」
「さすが師匠です!」
門の前で佇む仲間が見えたから、手を振って多く。
「皆んなも早くおいでよー」
「「「「出来るか!?」」」」
「はは。シノブさんは相変わらずですね。」
皆んなが出来ないと叫ぶ中、ハイヤーは1人だけ余裕そうだ。
ん?ハイヤーが帰ってきてる。いつのまに……まぁいいか、後で成果を確認するとしよう。
こうしてラストラの全勝記録が止まり、連敗記録が更新されるのであった。
ラストラ「僕の研究の成果が一瞬で……。」
アマン「気にするなラストラ。あの3人が異常なだけだ。」
3人「「「なんかごめん。」」」
ゾン「皆んなどんどんシノブ化していくな。」
エストレア「それでどうして私を見るの?現段階ではラストラの方が異常でしょ?」
ハイヤー「どっちもどっちですな。」
エストレア「ハイヤー、いつからいたの?」
ハイヤー「ずっとここに居ましたよ?」
ヴァイツァー「俺からしたらこのパーティ皆んな異常だがな。」
ハイヤー「はは。言われてますよ皆様。」
ヴァイツァー「いやいや。気配を消して近くに潜んでたあんたもな。てか、本当どこに居たんだよ。」
ハイヤー「秘密です。」




