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無敵のフルフェイス  作者: みけな
第二章 無敵のコンビ〜始動編〜
75/150

75話 勘違い無双①

前回より回復!文字数が倍くらいに……目がチカチカするー(*゜∀゜*)


ブックマーク、感想、評価、誤字報告、読んでくれた皆様!

いつもありがとうございます(*'ω'*)

 剣と剣が擦れ合う音が響く。そんな中、魔法が飛び交いたまに衝突して爆発する。


 ―キンキン!

 ―ドォーン!


 僕の目の前には馬に乗り槍を構えている兵士が数十人。その前に盾を持った兵士が相手の進行を食い止めている。僕の背後にはローブ着た魔導師や弓兵の人達。

 それが王都の外で戦っている。僕はその1番後方の指揮官らしき人の横にいる。


「我々には黒騎士様がいる!

「「「おぉぉ!」」」

「ははは……。」


 どうしてこうなったか、さっきまで僕は皆んなとご飯を食べていたのに。


 ♦︎


 第1堀からここに来て、やっとありつけた食事。食べ終わったので、横に置いていたフルフェイスを被る。


「しかし変わった兜だよな。色味で言えば黒でいて、余計な装飾等がない。でも食事後すぐつけるくらいだし、大事なもんなんだな。」

「これはフルフェイスって言う頭を守るヘルメットですよ。僕にとっては相棒との繋がりですから、大切な事には変わりないですけど。」

「そうか……ぶるっ。ちょっとトイレに行ってくる。」


 少し震えた黒騎士さんが、トイレと言って席を立つ。


 すると示し合わせたかのように、お店の扉が開く。


「ここにいましたか!敵軍が進行を開始したと合図をしたはずですが。ほら行きますよ。」

「え?どう言う事?あ、もしかして人間違いでは?」

「こんな全身黒一色で固める方が、他にいる訳ありません。いいから来て下さい。」


 数人の兵士に囲まれ引っ張られる。


「わわ。レブル!さっきの人連れてきて!何か分からないけど、僕は先に行って話を聞いておくから。」

「了解よ。セローとエストついてきて。アマン達は宿をお願い。」

「おう。気をつけてな。」


 そうして、レブルに全て任せて僕は担がれていった。


 ♦︎


 そんな考え事をしていると状況が大きく動いた。


「障壁を!黒騎士様を守れ!」


 後ろにいた魔導師が前面に障壁を張る。飛んでくる火の玉が障壁に当たり弾けていく。自分でもなんとか出来るけど、僕の前にわざわざ出て護ってくれるんだし任せよう。


「くっ。黒騎士様。すいません、もう持ちません。」

「あ、そうなの。それなら僕があれを止めてくれば良いのかな?」」

「で、出来ますか?」

「問題ない。アイさん敵の位置と人数は。」

『既に補足しています。』


 たった一度の魔法を受けて、もう持たないなんて見た目以上に凄い魔法だったのか。

 さてと、ここからかなりの距離がある。魔法が飛んでくるから、僕だけが前に行ってもこの人達は守れない。


「まずは背後の魔導師の殲滅をしよう。火は皆んなに許可が必要だから……水玉。」

「黒騎士様が魔法を!?」

「それ。」


 ―ヒュン!


 空に一つの水玉を投げる。敵が固まっているなら、この魔法でいいよね。


「水玉流星。」


 ―ズダァァン!ズダァァン!ズダァァン!


「え?この魔法って……」

「なんだこりゃ!大地が弾けていく!?」

「よし。1分で止むように調整したから、止まり次第突撃するよ。」

「え?あ、はい!黒騎士様が道を切り開いてくれるぞ!」

「「「おぉぉぉ!!!」」」


 皆んなやる気になったようで良かった。勘違いから始まったやつだけど、これであの人の面目も守れたかな。


 そして1分経過すると、雨はピタリと止む。空からはオレンジ色の陽の光が、相手軍を照らす。


「さぁ皆んな行こうか。」

「「「おぉぉぉ!!!」」」


 剣を掲げて、それっぽい事を言ってみた…………気持ちいい。


 僕を置いて、皆んなが突撃していく。おっと僕も行かないと。馬に乗っているから剣を納め、馬から降りる。


「黒騎士様?どうして剣を納めて、馬から降りるのですか?」

「馬を傷つけたら危ないし。戦いに行くなら、馬より自分で走る方が早い。」

「前衛部隊は騎兵ですよ?」

「問題ない。」


 馬を任せて僕は前に出る。道を切り開いてくれるって言われた手前、先頭に立たないとだよね。


「アイさん。前に追いつくよ。」

『はい。マッスルレインフォース、ポスチャーコントロール!』


 筋肉を活性化させ、それを補う姿勢制御の魔法で走る準備はバッチリ。


 ―ビキビキ……タン!


 おっと!一歩目の力を入れすぎた。これじゃ先頭集団とぶつかるから、早めに2歩目を踏み込む。


 ―ズダン!


 その目測も誤って、僕は先頭集団を飛び越え……


「あれー飛び過ぎた。」


 ―ズダァァン!


 着地したのは相手軍の後方。さっきの魔法で起きている魔導師達の視線が刺さる。


「何事だ!?漆黒の鎧を纏った騎士……貴様が噂の。」

「あれ?魔族?」

「飛んで火に入る夏の虫!挟み討ちだ!」

「しかし前から人族の軍勢が!」

「相手は1人だ!とっとと片付ければいいだけの事だ!」


 訳も分からず連れて来られたけど。まさか相手が魔族だったとは驚きだ。王都に着いて第1堀で人間と戦い、外では魔族と戦うってどんだけ忙しい国なんだ。


 とにかく都合もいいし、このまま少しでも敵を減らしておこう。魔法を撃って味方に流れ弾が行く可能性を考えると、ここはやっぱり剣での接近戦が理想かな。こうしている間にも敵に囲まれつつあるんだけど。


「あまり悠長に構えてられないか。風の魔法剣でいこうか。」


 後ろはとりあえず放置して、前から来るであろう騎兵と挟み討ちする。


 ―ビュンビュン!スパスパ!


「っぐは!」

「ギャ!?」


 魔族と分かれば遠慮はしない。すぐ目の前の2人を斬り伏せると、数で押すつもりなのかワラワラと寄ってくる。


 ―ビュゥゥン!


 風の魔法剣で刃を伸ばして、思い切り振り抜く。自分を囲む魔族達が一斉に倒れる。


「この強さ……貴様、本当に人間か?」

「失礼な。ほら、ちゃんと人間でしょう?」


 フルフェイスを取り、確認させる。


「私はそういう意味で言ってるんじゃない。」

「この見た目の話じゃないの?

「え?あの顔は誰だ?」

「あれ?黒騎士様の顔が変わった?」


 近くに来た兵士達が慌て始める。最初からこうしていれば良かったのか。


「よく見れば鎧の形状も兜も違うな……。」


 そこもっと早く気づいて〜もはや色でしか認識してないのかと、ツッコミたい。


「だから魔法を使ったのか。」

「あーそれは驚いた。」


 あの人魔法使わないの?魔力は感じてたから、てっきり使えるとばかり……。


 気がつけば両軍が止まっている。


「我々を無視して……人族は余裕だな。」

「あ、戦いの最中だっけ。」

「っく。この余裕……何か秘策が?ここは引くしかないか。」

「引くなら止めないよ。どうする?」


 相変わらず囲まれてはいるが、さっきのを見てあまり近づかない魔族達。風だから範囲はもっと広いんだけど、それだと味方ごと斬りそうで怖い。そうなると手数で勝負になるよね……。


「……アースオペレーション。」


 ―ズズ……ズシン!


「土の方が重いから右で持って、風は軽いから左でいいか。」

「な!?魔法剣を2本だと……そうか。貴様に出会った時点で、我々は……者共!こいつを倒せば我らの勝利ぞ!かかれぇ!!!」

「「「うおぉぉぉぉ!!!」」」


 やっぱり止まらないか。それじゃ、僕も殺される訳にはいかないから。


「逃る者は追わない!だけど僕に向かってくるなら覚悟を決めろ!」

「戦いこそが我らの……ぐは!」

「貰っ……たぁ……がふ。」


 次々と向かってくる魔族の軍勢を僕は斬り伏せていく。全員がこっちの兵士を無視して、僕に群がってくる。いやいや、見てるならこの状況に加勢しなよ。何で僕一人を戦わせてるの?戦っつこんなもんだっけ?


「何故だ。何故たった一人が落ちない?我々は魔族でこの軍勢をしても、傷一つつけられないだと。」

「さっきから色々考えているみたいだけど。100人いようが1,000人いようが、統率が取れてなければただの個。それに戦いの中で傷を増やせば動きも悪くなるし、場合によってはその一撃が致命傷になりかねない。だから僕は避けるんだけど。」

「そういう問題ではないだろ!我々は始め500人はいたんだぞだぞ?人一人が対応出来てたまるか。」

「現にここで出来ているんだから。」


 なかなか諦めてくれない。どうしたもんか。


『忍様。例の男が来たようです。』

「やっとか、一体あの人は何してたんだ。」


 ―ビキビキ……タン!


 魔族に囲まれた状況を飛び越え回避する。王都から来る人を迎えに行くため。


「ごめんなさい。こいつを見つけるのに手間取ったわ。」


 そう言うと、掴んでいたそれをレブルは地面に放り投げる。


 ―ガシャ。


「乱暴だな……。自分で走れるし、馬を使えば……。」

「それじゃ遅いから担いで来たんじゃない。」

「俺フルアーマーなんだけど。女の子が担いで俺より早いってどうなの?」

「これくらいで来て当然よ。」

「いや、後ろで手を振っているけど。」


 セローとエストが後ろで手を振っている。


「セローは魔導師だからいいけど。戦士のエストはこれくらい出来なきゃ。」

「それを担いだレブルにも追いつけない私が?無理だって。それに私は戦士じゃなくて、鍛治を……」

「特訓しかないわね。」

「王都は少しゆっくりしたいんだけど。」

「それはいいとして。師匠お手伝いしますか?」


 後ろを振り返ると、僕がいなくなった事で戦いが再度始まっていた。


「どうしようかな。どうしたらいい?」

「状況も分からん俺に聞くのか?」

「え?黒騎士様が2人?」

「おお、お前はまだ生きていたか。戦況は?」


 何やら話し込む黒騎士さんと声を出していたおじさん。きっと指揮官なんだろう。


「状況は分かったが……」


 そして2人で僕を見てくる。よく分からないから、手を振っておいた。


「すまねーが、乗りかかった船って事で、力を貸してはくれないか?」

「いいですよ。皆んなもいけるよね?」

「任せて。弱い奴を相手して、消化不良なところがあるの。」

「戦いですね。師匠のお助けです!」

「食後の運動にしては重いわね。でも後で食べたいデザートあったから……。」


 今回は皆んなが戦う気である。それぞれが武器を構えて、黒騎士さんの話に答える。


「助かる!」


 こうして魔族のとの第2幕が始まる。

レブル「とっとと連れ戻して行くわよ。」

エストレア「とは言っても、トイレでしょ?待つしかないわね。」

セロー「私が見てきましょうか〜?」

エストレア「ダメよセロー。女の子がそんな所に、堂々と入ってはいけません。」

セロー「はーい。」



レブル「少し遅くない?アマン、ちょっと見てきて。」

アマン「しょうがねーな…………いないぞ?」

レブル「まさか……」

エストレア「……さっきの聞こえて逃げた?」

セロー「どうしよう。師匠が待ってます!」

レブル「探すわよ……引きずってでも連れて行くわ。」


アマン「ほ、程々ににな。」

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