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無敵のフルフェイス  作者: みけな
第二章 無敵のコンビ〜始動編〜
69/150

69話 いざ王都へ!

一気に寒くなった気がしますね。周りで風邪を引く人の話を聞くけど、自分は何もない。油断せず気をつけたいものです(*'ω'*)


ブックマーク、感想、評価、誤字報告、読んでくれた皆様!

いつもありがとうございます(*'ω'*)

 雲一つない晴天。見渡すと荒野に、たまに大きな岩が立ち並ぶ。


「ふぅ……こんなもんかな。」

『……少しは戻りましたね。』


 少し?これでもだいぶ均したんだけど。僕は勇者様と別れて、本気で走ったら大地が砕けた。その言い方も違う気がするけど。アイさんが言うに僕の全力に大地が耐えられなかったとか。


「師匠〜!」

「シノブさん!」


 駆け寄ってくるセローとレブル。別れたのは1時間くらい前なのに、久し振りな感じがする。


「師匠速いですね!もう見えなかったです。」

「私は見えたけど、追いつく事は出来なかったわ。」

「皆んな元気そうで何より。」

「それはシノブさんでしょう?勇者はきっちり倒したの?」

「皆んなが来たら説明するよ。」


 きっちり倒したのって物騒だな。後ろから皆んなの馬車が見えるから、到着を待って説明をする。馬車が行った後の話も聞いていなかったみたいだから、レブル達の戦いと僕と勇者様の一騎討ちを話した。


「それがどうしてこの状況になるのかしら?」

「この状況とは?」


 辺りを見渡して、真っ先にツッコミを入れるエスト。


「だからさっき説明したけど。」

「本気で走ったらってやつ?どうやったら人が走るだけで、平地にこんな岩壁が出来るの?」

「ん〜止まろうとして、踏み止まっただけだけど。」

『これでも元の地形に近づけたんですよ?』

「アイさんがいて、元どおりに出来なてないって。」

「そこはほら……」

「……シノブさんだから?」


 皆んなが頷く。なんと便利な言葉だ。それを言ったらエストも頭を抑えて話は終わった。


「なんにせよだ。無事でいいじゃねーか。」

「アマンの言う通り。何事もなく……は無いけど。」

「まぁ勇者様と戦闘して、無傷で生還なんてシノブだからこそだな。」

「ゾンも軽いわね。この土地は……通り過ぎるだけだし。始めからこうだったと思う事にするわ。」


 細かい事を気にしちゃいけない。僕らはそのまま荒野を突き抜けていく。また少し道から外れているけど、そのうち順路に戻れるだろう。


 ♦︎


 しばらく真っ直ぐ道なりに進む。


「これどっち行くんだ?」


 右と左に分かれた道がある。真ん中でどっちに進むかアマンに聞かれる。そもそも僕らはどこへ向かっているんだっけ?


『左は王都へ続く道です。右は別の街になります。』

「あーそう言えば、王都に向かうつもりだったね。左に行こうか。」

「おう。」


 馬車を左へと進める。コトコト馬車の走る音と馬の足音だけが聞こえてくる。


「いよいよ王都か……。」

「なんか緊張するね……。」


 馬車の前の席にいるアマンとラストラから緊張感が伝わってくる。


「何で2人はあんなに緊張してるんだろう。」

「なんだか難しそうな顔してますね。」

「それはあれよ。ラストラの両親に会うからじゃないかしら?」


 ラストラの両親に会う……あ、そう言えばそれが目的で王都に行くんだっけ。


「シノブさん忘れていたでしょう?」

「今思い出した。」

「私も、今思い出しました!」

「師弟揃って……まぁ〜そういう訳だから緊張してるんじゃないかしら。」


 娘を放っておく人みたいな事を言っていたような。ラストラの両親か、どんな人なんだろう。


「それより王都ですよ。楽しみですね師匠!」

「そうだね。お城とか見てるだけでテンション上がるよね。」

「です!ピカピカで綺麗な場所だと本には書いてありました。」

「セローは行った事ないの?」

「小さい頃に行ったとパパには聞いてるけど。よく覚えてないです。」

「そっか。」


 ピカピカで綺麗なお城ね。何故か頭に勇者様が思い浮かんだけど、頭を振って意識を飛ばす。


「シノブさんどうしたの?」

「いや、ピカピカで勇者様を思い出して。」

「あー無駄に白いアイツか。」


 レブルは勇者様をアイツ呼ばわりなのか。勇者様って言ったら誰しも憧れる存在じゃないんだ。


「確かに白かったですね。それはもう目がチカチカする程。」

「もう会いたくないわね。」

「でも師匠が鎧は砕いたって言ってましたよ〜?」

「存在が気に入らないわ。今度シノブさんに剣を向けたら、問答無用で斬り伏せてやるわ。」

「はは、レブルさんは怖……何でもありません。」

「ふん。」


 何とも酷い嫌われようだ。ただ真っ直ぐで真面目と言うか、馬鹿なだけなのに。


「その時は私が魔法で吹き飛ばします!」

「お2人共、相手は勇者ですよ?」

「「だから?」」

「はは。怪我をしないように気をつけて下さいね。」

「分かっているわ。腐っても勇者だし、初めから全力で叩くわ。」

「私も全力です!」

「よろしいのですかシノブさん?」

「ん〜」


 勇者様は確かに強い。でもそれはあの頑丈な防御力が問題なだけだ。ここにいる3人……いや、エストだって、攻撃を当てるだけなら容易に出来てしまうだろう。多少の無茶な攻撃くらいだったら勇者様も無傷だろうし。


「隣にいた女剣士には気をつけてね。あの人は結構強いから。」

「「は〜い。」」

「止めないのですか?」

「ん?多分そんな会う人じゃないし、仮に出会ってもいきなり攻撃は2人共しないでしょう。あ、ハイヤーもね。」

「はい。人と争うのは極力避けたいですね。」


 僕も人と争うのは避けたいところ。よくよく考えれば勇者一行以外は戦闘はしていないけど。そう言えばエストと戦ったか、それもだいぶ昔な気もする。魔族と間違わられて、武器は向けられる事は多々あったけど。


 道なりに進むと、王都に近づいているからだろうか。馬車とよくすれ違う。馬車の荷台から後ろを確認すると、皆んな左へと曲がって行く。真っ直ぐ行けば【メロデ・マウント】に行く道だけど、魔族の噂があるからか向かう人は1人もいなかった。


「皆んな左に曲がって行くけど、あっちの道はどこの街に行くのかな?」

『あちらは【ウィングライブラ】と言う街があります。』

「そうなんだ。レブル知ってる?」

「名前は聞いたことあるわ。確か古代図書館があるところね。」

「何その古代図書館って?」


 凄く興味あるけど今は王都に向かう訳だし、アマンとラストラの件もあるし向かいたいとは言えない。


「詳しくは分からないけど。調べ物をするなら、その街へ行けば何でも分かるって聞いているわ。」

「師匠!私も聞いたことありますよ。魔法が盛んな街で、色々と不思議な街らしいです。」

「らしいって事はセローも行った事ないの?」

「ないです。」


 レブルもセローも話を聞いた事あるだけで、実際に行った事はないらしい。分からない事が分かるって、それだけでも行く価値はあると思うんだけどな。


 アイさんが後で説明してくれた事だけど。その魔法大国【ウィングライブラ】は入る事は簡単だけど、古代図書館自体は利用そのものが難しい。国の重鎮かそれなりの権力がないといけないみたい。ふらふら旅をしている僕らは行っても、外から建物を眺めて終わる可能性が高いようだ。


「いつか行きたいな。その為にはそれなりの権力か……誰か偉い人にお願いする方が近道だよな。」

「そうね。それこそエストにお願いすれば行けるんじゃないかしら?」


 あ、そう言えばエストは王都の王女様だったな。序列とかよく分からないけど、11番目でも王女様だし。後でエストに聞いてみよう。王都に行った後は、その魔法大国に向かっても面白そうだ。


 ♦︎


 辺りが暗くなる頃。ちらほらと野営をする馬車が目立ち始める。


「シノブ。俺らもそろそろ野営の場所取りするがいいか?」

「え?王都の間に街とか村はないの?」

「ないな。」


 これだけの距離があるのなら、宿舎の一つや二つあってもいいのに。誰も作ろうとか思わないのかな?


「村くらいあってもいいかとか思ったか?」

「あ、うん。ないのはおかしくない?」

「まぁ作ろうとはしたみたいだが、魔物が多く生息しているらしくてな。人が住むには大変らしい。」

「魔物が多く生息しているなら、尚更必要じゃない?」

「いくつか噂はあるが。兵力を割けないとか、財政を維持出来ず税が払えないとか。」


 何そのしょうもない理由。どっちも王都の力でいくらでもなりそうだけど。


「それは国王が兵力を王都に集中させているのが原因よ。」


 エストが話に入ってくる。国王って事はエストのお父さんだろうか。


「それに理由があるの?」

「幼い頃に聞いた話だけど。魔族との戦が絶えない王都では、兵士の数がいくらいても足りないって言っているらしいわよ。単純な話、怖いのよ。栄える為には必要な事だと言う人も居るけど、結果的に王都優先。」

「将来の繁栄より、目先の安全って事?」

「安全かどうかは答えづらいけど。そう言う事ね。」


 へー僕が知る異世界の情勢とは色々違うのだろうか。空想で書かれた話だけど、実際は世知辛いものなんだろうか。


 とにかく街とか村がないなら、完全に暗くなる前に野営の準備をする方が良さそうだ。そして周りに何組か野営をする中、僕らも今日は休む事にした。

忍「さっきの王都の話だけどさ。」

エストレア「ん?何かしら。」

忍「勇者様達って、今はメロデ・マウントに居るんだよね?」

エストレア「そうでしょうね。私達の後を追って来てなければ……。」


4人「「「「ばっ!!」」」」


レブル「居ないわよね?」

セロー「居ないですね……多分。」

ハイヤー「あれだけ目立つ方達ですから。居れば騒がれるかと。」

忍「まぁ僕らを捜していた訳だし。居てもおかしくないんだけど。ってそこじゃなくて。」


エストレア「そこじゃないって言うと?」

忍「王都優先の国王がよく勇者様一行を旅に出したよねっと思って。」

エストレア「そう言われてみればそうね。考え方が変わったのかしら?」


レブル「居ても居なくても変わらないからじゃない?」

セロー「ピカピカしてるだけの人ですし?」

ハイヤー「弱いから修行の旅か。もしくは戦力アップでシノブさんを勧誘に来たとか?」

忍「2人はストレートだね。ハイヤーの話だとあの時に勧誘とかあったはずだからないと思うけど……多分。」


エストレア「この後、何か起こりそうね……」

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