60話 予想を覆す存在達。
久し振りに戦闘な気がした。めちゃくちゃなのは相変わらずです。
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謎の穴を進むと.また魔族に出会った。この頃よく会うよなぁ〜何かあるのかな?
「こんなとこまで来るとは愚かな。」
「別にただ興味があったから進んで来ただけだけど。」
「人族は慎重で、興味本位で得体も知れない場所に突撃してくるとは思えんのだが。」
「そう言われても。現にこうしている訳だし。それ以上の説明はないよ。」
「ふん。その余裕がいつまで続くかな。我もしばし休息を得て、魔力も万全とはいかんが貴様らを倒すくらい造作も無い。」
ふむ。大量の魔物がいたのは1週間くらい前だから、もう居ないと思っていたけど。休憩していたから、穴から少し進んだ所にいた訳だね。
「ところで貴方方は、あの大量にいた魔物の軍勢で間違い無いですか?」
「そうだとも。驚いたかね?」
「少しだけ。まだこの辺りに残っている事にだけど。なんでここに居たの?」
「将軍との連絡が途絶えて、連絡を待っていたに過ぎん。」
随分と素直に答えてくれるな。これも余裕からくる何かかな?一応警戒はしておこう。
「それで貴方はここで待機して、次の進軍でも機会を伺っていた?」
「そんなところだ。」
「素直過ぎて怖いな。アイさん周辺で何か動きはないかな?主に地中とか。」
「!?」
『はい。お任せ下さい……地中にて魔物の反応を感知致しました。後方500メートルの地下100メートルにいます。』
「へーそんな後ろに。」
「!?」
正直この周辺にいるもんだと思った。この余裕も時間を稼いでいるとしか思えないし。
「レブル!後方500メートル先の地下に何かいるからー」
「分かったわー」
「これでよし。」
「貴様……地下の魔物を知っていたのか?」
「ん?探知で見つけただけだよ。正直かなり後方にいるから、何をしたいか分かんないけど。」
「ふっふっふ。そうか……。」
意味深な笑い方をする魔族。もしかして僕をここに誘って、街を襲ったりするのか?
「気づいても何も出来なければ一緒の事!やれ!」
―ズズズ……ガラガラ……ドシャーン!
何かが落ちたような音が響く。
「この音……土砂崩れでもあったのかな?」
「ふははは!これで貴様らの退路は絶ったぞ!どうだ!」
「どうだと言われても。それが?」
「……は?帰る道が無いんだぞ?しかも目の前には我が居て、戦うしかなくなったんだぞ?」
「別に初めから戦うつもりだけど。攻撃してこないから何かあるんだと。」
「……この期に及んでまだそんな余裕を。」
魔族の秘策はこの退路を塞ぐ事なのか?塞がれたら別にまた掘れば良いだけでは……。
「ちょっと何この音!」
「後ろで何かが崩れた様な音がしたわね。」
「崩れたって大変じゃ無い!ここから出られないのよ!?」
「そうだろう、そうだろう。普通はそういう反応をするもんだ。」
「エスト、入口が崩れたくらいで慌てないの。ほらセローとラストラを見なさいよ。」
皆んなが僕に追い付いた。慌てるエストに冷静に言葉を交わすレブル。
「崩れたって入口が?それは……大変です?」
「僕には分からないけど。シノブさんが冷静なんだから問題ないのでは?」
「どうなのシノブさん!」
分かっていない様な2人に、必死なエスト。
「そんな慌てる様な問題じゃないと思うけど。」
「いやいやいや。大問題であろう!」
「シノブさんが問題ないなら良いわ。」
「な!?貴様らの頭は正気か?」
「失礼ね。私は正気よ。シノブさんが問題ないって言うんだから、問題ないのよ。」
「訳が分からん。」
エストの答えに頭を抱える魔族。
「まーまーそう難しく考えないで。」
「っくそ。なんなんだお前達は……。」
「何って普通の冒険者?」
「もうなんでもいいか……。」
何かを諦めたような魔族。大きく深呼吸をする。そうそう、慌てず一息つきましょう。
「……想像とは違ったが、状況はこちらに有利!ここで貴様らを始末すれば同じ結果よ!」
「お?戦うの?仲間には手を出させないよ。」
「小僧が意気がりおって。これでもくらえ!いでよ、シャドーウルフ!」
―ブゥォーン。
魔族の足元が光りだし、そこから黒い狼が出て来る。
「召喚魔法?そんなのあるんだ。」
「これは魔族のみが扱う闇魔法。貴様ら人族が拝む機会もなかろう。」
「へ〜闇魔法なんだ。」
確か僕は闇魔法は使えたから、もしかしたら使えるかも知れない。使う事が出来たら何かと便利そうだな。
―グルゥゥゥ!
「いけ!奴らを噛み殺せ!」
―ガルゥゥゥ!
「おっと。今は前の敵に集中しないと。」
「そんな貧弱な剣じゃシャドーウルフにダメージすら……」
「ふん!」
―バフゥゥゥ!
剣で勢いよく斬り裂いたら、黒い雲の様に消えてしまった。
「おや?消えた?どこかに移動でもしたか?アイさん、今のシャドーウルフどこ行ったか分かる?」
『先の個体であれば、忍様が斬り裂きましたが?』
「え?雲みたいになったから、どこかに移動でもしたんじゃ?」
『いえ。倒しました。』
「あれー?攻撃を雲で回避して、死角から噛んだりするんじゃないの?」
「な、な、なんだと!?」
魔族のあの驚き……もしかしてアイさんの言う通り倒したのかな?
―ブゥォーン。
魔族の足元にまた光りだす。今度はさっきとは数が違う。
「何かの間違いだ。シャドーウルフは属性持ちなんだぞ。ただの剣で斬れるはずもない。」
「これただの剣じゃ無いよ。見た目は普通に見えるけど土の剣だよ?」
「ふん。人間が魔法剣を持てる訳があるまい。」
黒い影が集まり光った場所から狼が現れる。
「何度も同じのを出しても変わらないよ?」
「貴様は平気でも、仲間はそうはいかないだろう?どうだ?降参するなら今のうちだぞ。」
後ろを向くとあちこちに光る魔法陣がでてくる。このくらいなら別に何の問題がないんだけど。
「シノブさん。後ろは私とエストに任せてくれていいわ。」
「え!私も?」
「当たり前でしょう。ラストラはセローの近くに、行くわよエスト。」
「しょうがないわね。」
「ふん。仲間も仲間だな。シャドーウルフは普通の剣じゃ……」
―ズバァ!バフゥゥゥ!
―ズバァ!バフゥゥゥ!
「は?斬られた?」
「そりゃ斬れるでしょう。レブルもエストも魔力は乗せられるから。」
「そんな……魔法剣が人族の間で広まっているはずが…………。」
「呆けても状況は変わらないよ。」
―シュン……ザン!バフゥゥゥ!
「馬鹿な!またしてもシャドーウルフが一撃だと!しかも全員に!それならあの2人を……」
「こっちにくるです?」
「セローさん!?そんな呑気に見てないで〜」
「準備はしているので、大丈夫ですよ。水玉。」
―バシャ、ギュルン!!バフゥゥゥ!
空中に浮いていた水玉をシャドーウルフにぶつけるセロー。回避する事を許さない早さの水玉は、当たると同時に渦がシャドーウルフを飲み込む。黒い煙を飲み込んだ水玉はセローの前に戻って来る。
『水の中に回転を加え、触れたものを引き込む渦を作った魔法ですね。お見事です。』
「いつもの水玉に見えるけど、そんな事が出来るんだね。」
『コントロールの上手なセローらしい。あれであれば無駄なく周りの壁など傷つける事もないでしょう。』
「へぇ〜セロー凄いじゃないか。」
「本当ですか師匠!」
「あぁ。アイさんもお見事だって。」
「そうですか!嬉しいです〜」
うんうん。何も教えなくても、自分で考えて改善策を出せちゃうあたり優秀だね。
そしてシャドーウルフを全滅させた僕達の前には魔族が1人だけ。
「どうする?黙って着いて来てくれれば、命までは取らない。」
「っくそ……。」
あ、このセリフなんかカッコいい。それと同時に自分で言って気づいたけど、このセリフって大抵何かあって逃げられるやつだよね。
『忍様。地下に先程の魔物の反応が。』
「そう言えば下のやつ忘れていたね。」
「来い!」
―ズズズ……ズガァァン!!
魔族と僕らの間に地面から現れた魔物。
「「ヒィ!」」
「うねうねです。」
「気持ち悪いわね。」
「デッカい……ミミズ?」
「やれ!ジャイアントワーム!奴らを土に埋葬してやれ!」
―キィィィィ!!!
「「ヒィ!!」」
「エストとラストラはこう言うの苦手?」
「当たり前よ!」
「僕は小さいのなら……でもこれはでか過ぎて。」
確かに普通のやつから比べたら何百倍もある。
「それなら僕らでやろう。行くよレブル、セロー。」
「ええ。焼いてあげるわ。」
「消火はお任せ下さい。」
地面から出てきた巨大なミミズ。とっとと倒しちゃおうか。
忍「召喚か……面白そう。皆んなどう思う?」
エストレア「シノブさんが召喚を使うですって?……街でも支配したいの?」
ラストラ「ますます魔族っぽくなります。」
セロー「カッコいいです!」
レブル「あんな一撃で消えちゃう魔物いるかしら?」
忍「うーん。やっぱり効率悪いか。今度色々と試してみるか。」
エストレア「またとんでもない事が起こるのかもね。」
ラストラ「かもではないと思う。」
セロー「師匠ですから!きっとあっと驚く事が。」
レブル「シノブさんなら必ずね。少し楽しみね。」




