28話 空を統べる者達?
6月が終わる。あと2回くらい投稿したい。
ブックマーク、感想、読んでくれた皆様!
ありがとうございます(*'ω'*)
街を出発して色々あった。
「そんな事より!シノブさんだけ空を飛ぶなんてずるいわ!」
「これはアイさんがフォローしてくれるからであって。」
「それはずるいわ。私でも飛べるようにならないか聞いてよ!」
『なりますよ。もちろん忍様もあの装備無しでも飛べるかと。』
なんか僕自身がさらに簡単に飛べるようになるらしい。
「レブルはもう飛べるじゃないか。」
「あれは滞空時間の長いジャンプよ。浮いてるわけじゃないわ。」
「ん〜馬車での移動中に飛ぶ練習できるかな〜?」
『レブルであればコツさえ掴めば出来るようになると思いますが。』
「コツね。それって実際どうするの?」
『忍様がレブルを持ち飛べば良いのです。』
「そんだけ?」
「どう?どうなのシノブさん!」
アイさんと話している限りでは、移動中でも出来そうだけど。
「やってみる?」
「勿論よ。何でもするわ!」
凄く期待された目をされている。まぁレブルが良いならやるけど。
『まずはレブルに翼を出させて下さい。』
「レブル。あの翼を出してだって。」
「はい!」
馬車には追いつくからと、僕とレブルだけ降ろして貰った。
―ボォゥ!
随分早くなったな。剣を抜いてすぐその姿になれるのか。
「で、どうするの?」
『レブルの腰を掴んで下さい。忍様はそれでレブルを支え飛んで貰います。』
「レブルの腰を掴んで飛ぶだけね。了解。」
「え?腰?」
―ガシ。
「ひゃん!?」
―ッバ!
「あて。」
「あぁシノブさんごめんなさい!」
驚いたレブルの翼がビーンてなった。後ろにいた僕は当然当たる訳だ。別に痛くはないから良いんだけど。
「じゃ、飛ぶよ。」
「お願いしま……」
―ビュン!
レブルを掴み浮かび上がる。
「え?」
「どう?飛んだ感想は?」
「た、高い……。絶対離さないで。」
『忍様少し馬車と並走を。レブルに翼を広げ、風が当たる感覚を感じて下さいと。それと消して忍様に翼を当てないように!』
アイさんに言われた内容をレブルに伝えた。僕に当てないようにとは言ってない。
『忍様がお好きなのであれば、私は何も言いませんが。』
ボソッとアイさんの言葉が聞こえた。果たしてどっちの意味か……。僕はやられるのが好きではないと言いたい。でも声に出すとなんか恥ずかしいから黙っておく。
「馬車の方行くよ。」
「えぇ……。」
高度を徐々に下げ馬車と横並びに飛ぶ。
「レブルが飛んでるように見えるな。」
「翼があるから、何となく飛べるのは分かるんだよ。」
「師匠1ついいですか?」
皆んながレブルの飛ぶ姿を見て、セローが僕に質問をする。
「師匠はどうやって飛んでいるんですか?」
「「(聞いたかそれを……ゴクリ。)」」
「どうって。アイさんに作って貰ったこの翼で…………。」
背中を指すことが出来ない。そして背中にある違和感を感じる。いや、どちらかと言うと。
「何もついていない?」
「あ、やっぱりそうなんですね。隠蔽魔法とか使っているのかと思いました。」
「アイさん?あれどうしちゃった?」
『忍様は出さずに飛ばれました。』
「え?」
出さずに飛んだ?飛べる感覚もあるし、飛んでいるからてっきり着けている気がした。翼で叩かれた時に忘れていたのか。
『いずれ無くても出来ると言いましたが。まさかすぐに実行されるとはさすが忍様です。』
「あー、まさかそんな事故があるなんて……。」
「何か言った〜?」
「何でもないよ!飛ぶ感覚掴めそうかい?」
レブルは僕の背中を見ていない。地上に降りた時はこっそり翼を装備しておこう。実は行き当たりバッタリと言うか、飛べてた奇跡を知らない方がいいだろう。うん、そうしよう。無くても飛べるんだ……とか説明が面倒だからではない。
『そろそろ仕上げと行きましょう。』
「そろそろ仕上げだって。」
「ドキドキするわね。」
『忍様。上空50メートルに。』
レブルを抱えて上空まで上がってきた。
「さっきより風が強いね。」
「そうね。でも高さが違うとこれだけ変わるのね。」
『忍様。手を離して下さい。』
「この違いをしっか……。」
アイさんに言われ手を離す。そのまま飛ぶかと思ったレブルは落ちて行く……真下に。
「りぃぃぃ!?落ちてるぅ!!」
『風の受け方は分かるはずなので、後は感覚を掴むしかありません。』
「いや、随分とスパルタだね。」
『忍様はすぐ出来ましたけど?』
「そう言えばそうだね。」
「たーすーけーてー!」
バタバタ暴れて落ちるレブルを、地面に到着する前に回収する。
「突然酷いわ……夢心地が一気に走馬灯に変わったわ。」
「風の受け方は分かったから、後は飛ぶ感覚を掴むだけだってアイさんが。」
「いや、アイさん。そんな簡単に言うけどそんなのすぐ出来る……。」
腕の中に抱えたレブルが僕を見る。
「シノブさん。アイさんが作った翼は?」
「……コレクト。ほら、あるよ?」
「今まで無かったわよね?」
「……翼は隠していたんだよ。」
「へぇ〜。でも、コレクトって収納魔法よね?」
鋭いなー鋭いよレブルさん。なんか少しだけ怒ってる気がするけど何かしたかな?
「はぁ……。シノブさんは感覚だけで飛べるのよね。背中のそれを忘れてもね。」
「ははは〜。出来ちゃった。」
「だからアイさんの基準が少し高いのね。そんなぶっつけで出来るわけ……。」
『忍様。今です!投げて下さい!』
「なぁいぃ……またぁぁぁ……!!」
そしてまたバタバタ暴れて落ちるレブル。そしてキャッチする。
「シノブさん……離す前に言って欲しいわ。」
『分かっていては意味がありません。咄嗟に出来なければいけませんから。』
「分かっていては意味がないし、咄嗟に出来なければだって。」
「これもしかしなくても出来るまでこれが続くのよね……。」
「大丈夫。レブルなら出来るよ。」
そしてこの後もパラシュートなしのスカイダイビングは続く……。
♦︎
何だかんだで着いて来た私と爺や。だけどさっきから信じられない光景が、目の前で繰り広げられている。
「あれは何をしているのかしら?」
「あれは空を飛ぶ練習なのでは?」
空を見上げると叫びながら落ちる赤い翼を生やした女。それを受け止めまた上昇する黒い男。
「きゃぁぁ!」
「……地獄ね。」
「案外そうでもないぞ〜。」
そう声を掛けてきたのは馬車を操る従者?
「レブルはあれで結構楽しんでいる。」
「そうなの?叫び声が聞こえるんだけど。」
「実際叫んでいるが、諦めたり止めようとしないから。地獄って訳じゃないだろう。」
「そうだな。それに落ちればシノブが受け止めてくれる訳だし。」
「レブルにとってはどっちもご褒美ですね!」
この人達が何を言っているかよく分からないわ。受け止めてくれるって言っても、もし落としたら?そもそも人が空を飛ぶってどうなの?そりゃ飛べたら気持ち良さそうとか思わなくもないけど。
「きゃぁぁ!死んじゃう!!」
「あはは。大丈夫だって。それー。」
楽しそう?なんか男の方が楽しそうではあるけど……。
「ただいちゃついているようにしか見えなくなってきたわ。」
「だろ?だからあれはほっといていいんだ。」
「…………。」
「お嬢様にもいずれ現れますぞ。素敵な殿方が。」
「人の心を読まないでくれる?それにあんな殿方はお断りよ。」
変な黒い格好で顔も見えなくて。女の子をポンポン空に投げて、楽しむような男は……。周りの仲間達は楽しそうに空を見上げる。
「一緒にいても退屈はしなそうだけど……。」
「ん?何か言いましたか?」
「何でもないわ。」
空では2人の元気な声が響く。2台の馬車は次の町に向けゆっくりと進むのであった。
レブル「気軽に空を飛びたいとか言うもんじゃないわね……。」
セロー「でも羨ましいです。空を飛べたらかっこいいじゃないですか。」
忍「セローも練習する?この翼貸すから試してみようか。」
セロー「え?あ、いえ。私は……。」
忍「いいから。何事もチャレンジだよ。」
セロー「はぃ……。」
アマン「地上は良いな。」
ゾン「この馬車の揺れが気持ちいいんだよな。」
レブル「そんな事言わなくても、2人には練習するとか言わないと思うわよ?」
アマン「セローがもしも飛べたらどうする?俺らも飛べれば旅も楽になるとか言って……。」
ゾン「ありえる……。頼むぞセロー。」
レブル「全てはセローの頑張り次第ね。」




